2022年1月28日

長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)では、北東アジア非核兵器地帯と包括的安全保障アプローチの実現をめざした「ナガサキ・プロセス」を支援すべく「北東アジアの平和と安全保障に関する専門家パネル(PSNA)」を2016年度より開催してきました。今年度は、昨年度に引き続き、ノーチラス研究所、アジア太平洋核軍縮・不拡散リーダーシップネットワーク(APLN)との国際共同プロジェクトとして、「北東アジアにおける核使用リスク削減(NU-NEA)」プロジェクトを立ち上げました。北東アジア地域にて、どのような条件下なら核兵器が使われてしまうのか。万が一使われてしまったらどのような影響が出るのか。このような問に答えることで、核抑止論のもつ潜在的リスクを明らかにし、二度と核兵器が使われないよう具体的施策への提言につなげることが大きな目的です。
この度,このプロジェクトの1年目の報告書「Nuclear Weapon Use Cases in Northeast Asia: Implications for Reducing the Nuclear Risks」(北東アジアにおける核使用の可能性:核リスク削減にとっての示唆)が完成し、発表いたしました。

報告書表紙「Nuclear Weapon Use Cases in Northeast Asia: Implications for Reducing the Nuclear Risks」(北東アジアにおける核使用の可能性:核リスク削減にとっての示唆)

報告書【英語・全文】(PDF)
報告書【日本語・要旨】(PDF)


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2022年1月26日

 長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)は、時宜に合ったテーマで、見解文(「RECNAの目」)を発表してまいりました。
 このたび、1月21日の日米首脳テレビ会談の開催などの動きを受けて、岸田-バイデン外交についての見解をまとめ、広く発信することといたしました。

本文は こちら です。是非ご覧ください。

>>【レクナの目】記事一覧

 

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2022年1月20日

この特別論文は、「「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト– 二度と核兵器が使われないために –」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。


朝鮮半島に使用される可能性がある核兵器及びその運搬システムについて
 
Matt KORDA

(要旨)
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、国家存亡の危機に面していない状況で、核兵器を意図的に使用する可能性は極めて低い。しかし、例えば米国が侵略する可能性や体制転換を迫る作戦が実施直前と認識されるような状況になると、米国の行動を抑止するために40~50発所有している(と推定される)核兵器を使用するかもしれない。その場合、紛争の初期の時点で、短・中距離弾道ミサイルを用いて韓国や日本に、または中距離・大陸間弾道ミサイルを用いてグアムやハワイ島の軍事目標に対して核攻撃を加える可能性がある。北朝鮮の存在を脅かすような米国の通常兵器攻撃を、最初の核攻撃が止められない場合に備えて、米国本土を目標にした大陸間弾道ミサイルを使用すべく数発の核兵器を保存しておくことも考えられる。(北朝鮮による)圧倒的な挑発でもない限り、米国(とその同盟国)、あるいは中国やロシア(も可能性がある)、による核兵器の先制使用も極めて可能性が低い。しかし、本論文ではそのような場合の核兵器運搬システムも検討した。

キーワード:北朝鮮(DPRK)、核兵器、運搬手段、核使用事例、朝鮮半島、米国

著者紹介: マット・コーダ博士は全米科学者同盟(FAS)核情報プロジェクトのプロジェクト・マネージャー兼上席研究員。FASの核情報プロジェクトでは、ハンス・クリステンセン博士と「核ノートブック」の共著者でもある。また、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の核軍縮・軍備管理と核不拡散プログラムの准研究員でもある。それ以前には、北太平洋条約機構(NATO)ブリュッセル本部軍備管理・軍縮・大量破壊兵器不拡散センターにも勤務。英国キングス・カレッジ(ロンドン)の戦争研究学科で国際平和と安全保障修士号を取得している。

本論文の作成にあたっては、マッカーサー財団の助成金により一部支援をうけた。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 

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2022年1月12日

この特別論文は、「「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト– 二度と核兵器が使われないために –」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。


北東アジアにおけるミサイル防衛の役割
 
David Wright

(要旨)
本論文は、戦争時に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮:DPRK)が攻撃用に使用するミサイルの型式を特定し、米国や同盟国の首脳陣や軍事司令官が、それらに対抗するミサイル防衛の効果を評価する際に検討しておかなければいけない不確実性について論じたものである。重要な結論は、ミサイル防衛はたしかにミサイル攻撃を一部は無効にすることができるが、ミサイル防衛の存在があっても北朝鮮はそれを上回る攻撃を行う選択肢を持つことになるだろう。そして、北朝鮮はどの選択肢が有効かも知ることになるだろう。もし、米国お予備その同盟国が、ミサイル防衛が米国や同盟国の市民を守る手段として有効である前提で防衛策を検討しているのであれば、この北朝鮮の選択肢の存在は死活的に重要な課題である。

キーワード:ミサイル防衛、核兵器使用、朝鮮民主主義人民共和国、米国、北東アジア

著者紹介: デビット・ライト博士は米マサチューセッツ工科大学(MIT)「核セキュリティと政策のための核科学・工学研究所 」准研究員。1992年から2020年まで、「憂慮する科学者同盟(UCS)」のグローバル・セキュリティ・プログラムの研究員で、2002から20年までは同プログラムの共同ディレクターを務めた。それ以前には、MITの
軍備管理・安全保障研究プログラムやハーバード大学ケネディスクールの科学と国際関係研究センター、および全米科学者同盟(FAS)の研究員も務めた。1983年にコーネル大学から物理学博士号取得。88年までコーネル大学で物理学研究員として勤務していた。

本論文の作成にあたっては、プリンストン大学科学とグローバル安全保障プログラムの助成金により一部支援をうけた。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 

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2022年1月6日

この特別論文は、「「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト– 二度と核兵器が使われないために –」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。


米国による核兵器の意図的配備:朝鮮半島における緊張増加と戦争拡大への引き金
 
Daryl G. Press

(要旨)
本論文は、朝鮮半島が戦争状態になった時、どのような状況になれば、米国が核兵器を使用する可能性があるのか、に焦点をあてた論考である。そのような決定につながる「引き金」(trigger)となる事象、核兵器使用の目的、そして米国が核攻撃しうる対象を明らかにしている。特に注目したのは、冷戦終了以降、米国は核兵器の役割を減少すべく段階を踏んできたにもかかわらず、地政学的な軍事戦略における核兵器の役割についてである。米国そして、その同盟国も、核兵器を使わないことを強く望んでいるため、以下のような極めて限定的な状況においてのみ核兵器を使用すると考えられる。その状況とは:(1)核攻撃が死活的な重要性を持つ命令が出たとき、(2)与えられた軍事的使命を通常兵器では十分な確実性と速度を持って達成ができないと判断したとき、(3)作戦が成功するか確率が核攻撃によって飛躍的に高まるとき。本論文は、朝鮮半島における戦争時に、上記の3条件をすべて満たすような状況をいくつか明らかにしている。そして、そのような状況下で、どのようなプロセスを経て核兵器使用に至るかも明らかにしている。このような状況を分析することにより、核使用に関する同盟国等との意見不一致を解消し、地域における敵国に対する抑止力を高めることができる。そして、米国核戦力構築や近代化計画に関する重要な意思決定を進める論理を明確にすることができる。

キーワード:核兵器、戦争拡大、米国、朝鮮半島、朝鮮民主主義人民共和国

著者紹介: ダリル・プレス博士は、ダートモス大学政府学教授。主な研究分野は米国の外交政策、抑止論、未来の戦争論。数多くの論文を発表しているが、主要著書として, “Calculating Credibility”(2005) “The Myth of the Nuclear Revolution: Power Politics in the Atomic Age”(2020)がある。前者は、危機において指導者がどう相手を信じるかについて分析したものであり、後者は21世紀における抑止論の課題について検討したものである。プレス博士は、ランド研究所で20年近くコンサルタントを務め、通常兵器における戦闘モデルについてやはり20年近く教鞭をとってきた。彼の論考は、Foreign Affairs, The New York Times, The Atlantic Monthlyなど主要論文誌に多く掲載されてきた。

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