2012年7月19日

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2012年7月17日

過去15年にわたって「空転」し、実質的に何の進展も見られなかったCDであるが、国連総会等において、CDの根本的な見直しの必要性の声が上がり始めているにもかかわらず、今年も第1会期(1月23日~3月30日)からあまり具体的な進展の見通しが立たないままであった。そして、その暗い予想は残念なことに現実になりつつある。

5月14日から6月29日にわたって開催された第2会期においては、計8回の全体会合(Plenary Meeting)が開かれたが、何一つ具体的な合意に至らず、またしても議題の採択すらできずに会期を終える結果となってしまった。8回の全体会合は次の通りであった:

5月14日 第2会期の作業について
5月22日 「核軍縮」について
5月31日 「兵器用核分裂性物質の生産停止」について
6月 5日 「宇宙での軍備競争の防止」について
6月12日 「非核兵器国への安全保証」について
6月14日 「CDの再活性化」について
6月19日 「核軍縮」について
6月26日 「兵器用核分裂性物質の生産停止」について

通常のCDの作業手順としては、まず第1会期のできるだけ早い時期にその年に具体的に検討する議題を選定し、選定した議題を集中的に検討するための特別委員会(Ad Hoc Committee)を設置し、実質的な協議や交渉は、定期的に開かれる全体会合と並行して開催される特別委員会で行われるのが一般的な慣行である。

全体会合では、一般的な意見表明が主に行われ、特に事前に発言を求める国が無い場合には、省略されたり、形式的に開会し、ただちに閉会して特別委員会に切り替えるような場合もあり、条約案の採択や交渉開始のような重要な決議が採択される場合を除けば、全体会合は、時折「セレモニー」と揶揄されることもあるように、形式的に政治的な声明を交換するだけに留まっているとみなされがちである。

しかし、CDでは具体的な議題の選定と特別委員会の設置について合意が成立せず、実質的な作業を開始することすら困難な状況が続いているのが現状である。今年も第2会期が終わり、全体の約2/3を過ぎたにもかかわらず、やはり議題の選定に合意ができなかった。2012年会期の開始直後から、数回にわたり議題の採択が試みられたが成功せず、第1会期の後半、3月14日には、今年検討すべき議題として「核軍縮」、「兵器用核分裂性物質の生産禁止」、「宇宙での軍備競争の防止」、「非核兵器国への安全保証」に関し、それぞれ特別委員会を設置し、また、「放射能兵器」、「包括的な軍縮プログラム」、「軍備の透明性」に関し、それぞれ特別コーディネーターを任命して各国の意見を集約する旨を主な内容とする議題案が議長を務めるエジプトから提案され、概ね支持されたものの、パキスタンが反対したことにより、結局コンセンサスが成立しないままに終わっていた。

それ以後は新しい議題案の提案はなく、第2会期では、全体会合で各回ごとのテーマを設定する形式で作業が進められており、各国が、「核軍縮」(5/22,6/19)、「兵器用核分裂性物質」(5/31,6/29)、「宇宙での軍縮」(6/9)、「非核兵器国への安全保証」(6/12)、「CDの再活性化」(6/14)について、率直に言って新味に乏しい、従来からの立場を繰り返す声明を述べるだけであった。そして、実質的な進展も、硬直状態を脱するための糸口もつかめないまま、第2会期は終了した。

第3会期に向けても、議題を採択し、実質的な協議を開始できるような展望は見えていない。2012年の作業の開始にあたり、国連の潘基文事務総長は、1月24日のCDに宛てたメッセージの中で、強い調子で「もし、(軍縮)会議が行き詰ったままであるなら、(国連総会は)軍縮の議題を前進させるために他の選択肢を検討する用意がある」、「軍縮の機運が盛り上がっている時に、軍縮会議は沈没の危機に瀕している」と警告を発した。もちろんCDのメンバーの間でも、第2会期中にEUを代表して、6月14日にデンマークが発言したように、このような膠着状態がこれ以上続けば、CDの存続自体が問われることになりかねないという危機感が広がりつつあることも事実である。

しかし、現在有力な議題の候補として挙げられている「核軍縮」、「兵器用核分裂物質生産禁止」、「宇宙での軍縮」、「非核兵器国への安全保証」そして「軍備の透明性」などは、いずれも、いくつかの国にとって、「自国の安全保障にとって死活的な重要性を持つ」とみなされている以上、簡単に妥協が成立するような状況ではない。まして、CDの規則が全会一致制を採用している限り、一カ国でも反対するメンバーがあれば、提案は否決されてしまうのである。これらの議題を採択し、具体的な条約策定へ向けての協議を開始するためには、様々な国が交渉開始の前提としている条件を何らかの方法でひとつひとつクリアーしてゆかなければならない。しかし、現況では、それらの取引条件が複雑に交錯し、多くの国が身動きが取れなくなっているのが実情である。それを一度丁寧に解きほぐし、最初から組み立てなおすという作業があるいは必要なのかもしれない。しかし、それを、そもそもそういう状況を引き起こしたCD自体に期待できるのか、正直なところ、CDの現状を見るにつけ、疑問である。潘基文事務総長が予告したような、国連による「荒療治」の時が刻々と迫ってきているように思えてならない。

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