第41回 RECNA研究会
「核兵器は過去の遺物か?―ロシア・ウクライナ戦争からの核政策への教訓」
日時: 2024年3月12日(火)9:00-11:00
場所: オンライン(Zoomウェビナー)
講師:パヴェル・ポドヴィッグ博士
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以来、安全保障政策における核兵器や核抑止の役割について、国際的な議論が続いています。この度、ロシアの核政策の世界的第一人者であられるパヴェル・ポドヴィッグ博士が長崎を訪問されるにあたり、RECNAで講演をしていただけることになりました。核抑止や核兵器の役割について、あらためて考察を深めるよい機会になるかと思います。ぜひ皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
使用言語: | 英語(通訳は付きません) |
申込方法: | こちら からお申込みください〔締切:3月11日(月)〕 |
お問合せ: | 長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA) Tel: 095-819-2164/Fax: 095-819-2165 recna_staff@ml.nagasaki-u.ac.jp |
講演要旨
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻とその後の軍事対立の中で、核兵器の果たした役割や、核抑止や軍事戦略や戦争における政治的武器としての核兵器の価値について、重要な疑問を提起した。結論から言えば、その価値は極めて限定的であるとの示唆を得る根拠が十分にある。核保有国にとって、核兵器のもたらす国家安全保障上の価値は明らかではなく、核兵器への依存はかえって国家安全保障を損なうことにつながるのである。
講演者プロフィール
パヴェル・ポドヴィッグ (Pavel Podvig) |
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パヴェル・ポドヴィッグ博士は、国連軍縮研究所(UNIDIR)の上席研究員で、現在ジュネーブにて「ロシアの核戦力」プロジェクトのリーダー。米プリンストン大学科学と安全保障プログラム研究員、国際核物質パネルメンバーでもある。ロシア物理技術大学(MIPT)卒、政治学博士(モスクワ国際経済関係大学)。2008年にロシアに関する研究への貢献により米物理学会「レオ・シラード賞」受賞。 |
北朝鮮の核戦略:核ドクトリンの進化と今後の展望
Anastasia Barannikova
2024年2月28日
PSNA2では英文書籍「Getting to Zero in Northeast Asia: The Nuclear -Weapon-Free Zone as a Vehicle for Change」(仮題)の発刊を目指して研究活動を続けているが、その一環として、重要課題について専門家に特別論文を依頼した。本論は今年度唯一の特別論文である。
要 旨
過去10年間ほど、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、核兵器とミサイル技術開発で驚くような進歩を見せた。そのような進歩は、明確な核戦略と、国家安全保障政策に占める核兵器とその使用に関する明確なビジョンなしには実現しなかっただろう。事実、北朝鮮における核兵器の役割やその使用について、理解を深めるためには、核戦略の分析が必要となる。同時に、核戦略や核兵器・ミサイル開発がどのように進化していくかについての仮説は、プロバガンダを目的とした宣言的な政策等よりも、現実の戦略分析に基づくことが必要だ。そのために、北朝鮮の最も認められる核ドクトリンを明示し、技術的能力と合わせることによって、北朝鮮のハイブリッド核戦略(通常兵器と核兵器の複合戦略)の現実を明らかにし、将来の展望を示唆することとする。
キーワード:
北朝鮮、核戦略、核ドクトリン、技術能力、宣言的・運用教義、宣言的・内政的戦略
著者紹介:
アナスタシア・バラニコヴァ博士(Anastasia Barannikova)は、ADMネヴェルスコイ海洋大学(ウラジオストック、ロシア)の空間兵站研究所の研究員(Research Fellow)。同大学歴史博士号。博士の主要研究分野は北東アジアの地域安全保障と核不拡散問題、特に朝鮮半島、北朝鮮の外交及び国内政治、北朝鮮の核・ミサイルプログラムと核態勢、核ドクトリン。
この論文は本人の分析であり、所属機関の研究とは無関係である。
英語版のみとなりますが、全文(PDF)は こちら からご覧いただけます。
※ 修正版に差し替え(3/15)
「被爆の実相の伝承」のオンライン化・デジタル化事業成果報告会 - 被爆前の日常を想像する
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)と国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館では、2021年より「被爆の実相の伝承」のオンライン化・デジタル化事業に取り組んできました。3年間の取り組みを振り返るトークイベントを開催します。
※オンライン(ZOOM)参加ご希望の方はこちらからお申込みください。(申込終了しました)
■プログラム
14:15-15:00 トークセッション①
「被爆前後の航空写真を使用したデジタルマップの活用」
登 壇:全 炳徳(情報データ科学部 教授/RECNA兼務教員)
15:10-15:55 トークセッション②
「被爆前の日常を伝えるデジタル教材づくり」
登 壇:宮崎 園子(フリーランスライター:広島在住)
佐々木 亮(フリーランスライター:福岡在住)
事業概要説明&トークセッションの進行:林田 光弘(RECNA特任研究員)
<お問い合せ>
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)[担当]林田
電話:080-8040-3656
hayashida-m@nagasaki-u.ac.jp