2021年12月16日

この特別論文は、「「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト– 二度と核兵器が使われないために –」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。


朝鮮戦争への米国参戦:その始まり、影響、そして教訓
 
James I. Matray

(要旨)
本論文は、朝鮮戦争がなぜ始まり、どのように米国が参戦することになったのかを分析したものである。第二次世界大戦終了時、米国と旧ソ連は軍事占領地であった朝鮮半島を二つの地域に分断した。米ソの冷戦により、その分断を終了させる試みは失敗に終わり、ともに「統一朝鮮」を願う二つの「朝鮮国家」を生み出すことになった。1950年6月25日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が大韓民国(韓国)に侵入した。その際金日成は旧ソ連ジョセフ・スターリン首相に対し「この戦争は短期にかつ容易に勝利できる」と説得し、スターリン首相は不本意ながらも北朝鮮を支援した。米ハリー・トルーマン大統領は、この最初の攻撃を即座に「ソ連が世界を支配するための軍事力行使の第1歩だ」と考えたが、当初は朝鮮半島内に対立を抑え込む戦前の政策を維持すべく、米国の反撃を限定的なものに抑制した。しかし、韓国が北朝鮮の侵入を防げなかったため、共産主義国家による朝鮮半島の支配を防ぐべく米陸軍を派遣することにした。トルーマン大統領は中国が参戦するまで、さらなる戦争を望んではいなかったし、核兵器の使用も考慮に入れなかった。本論文は、米国が韓国を守る安全保障条約へのコミットがあること、そして北朝鮮が弱体化していることから、再び朝鮮戦争が起こることは考えにくい、と結論づけた。

キーワード:朝鮮戦争、ハリー・トルーマン、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、米国

著者紹介: ジェームズ・マトレィ博士は、カリフォルニア州立大学歴史学名誉教授。2002年から2008年まで同大学の歴史学科長を務めた。彼の主要著書・論文の多くは、第二次世界大戦後の米韓関係に焦点を当てている。これまでに9冊の編著書、論文誌や本への寄稿など50本以上の著作論文がある。主要著書: “The Reluctant Crusade: American Foreign Policy in Korea, 1941-1950”、“Crisis in a Divided Korea: A Chronology and Reference Guide (2016)”. Journal of American East Asian Relationsの編集長。現在の研究プロジェクトは朝鮮戦争末期のポークチョップヒルの戦い(勝利なき戦い)についてである。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 

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Category お知らせ
2021年12月9日

この特別論文は、「「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト– 二度と核兵器が使われないために –」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。


朝鮮半島における危機と紛争を熟考するための核兵器使用仮想事例
 
Paul Davis, Bruce W. Bennett

(要旨)
本ペーパーは朝鮮半島での紛争に由来する核兵器使用の仮想事例を想定・分析したものである。事例は、朝鮮半島危機に際し、核兵器による威嚇や実際に核兵器が使用されるかもしれない幅広い可能性を反映させたものである。事例の作成に際し、次の二つの「レンズ(視点)」を考慮した。一つ目が「論理的」または分類学的なレンズであり、もう一つは実際の国家指導者がどのようなときに核兵器使用を決定するかという「意思決定」のレンズである。事例選択は、可能性がある範囲に絞りつつ、分析に有用となるよう多様な幅を反映するようにした。事例には、失敗、意図せざる紛争拡大、強圧的な威嚇、脅威を増強させる意味での限定的核兵器利用、防衛的利用と攻撃的利用、など多様な状況を考慮した。また、恐怖、絶望感、責任感、非現実的優越感(誇大性)、不屈感など、人間の感情的要素も考慮した。現状では、ある事例が他の事例より圧倒的に「可能性がある」ように見えるが、起こりやすさ(確率)を推測すること自体、あまり信頼できるものではない。本当に挑戦すべきことは、核兵器利用の可能性が高くなるような状況をどのようにしたら避けることができるか、という問いに答えることだ。

キーワード: 核兵器利用事例、朝鮮半島、核戦争、シナリオ、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)、米国

著者紹介: ポール・デイビス博士、ブルース・ベネット博士は、ともにランド研究所に長年勤めて引退後、パーディー・ランド大学院教授として勤めている。ディビス博士は米国マサチューセッツ工科大学より化学物理博士号を取得。戦略警告技術やシステム工学の研究に従事し、その後政府で戦略計画立案や軍備管理を担当。ランド・コーポレーションでは、高い不確実性の下での戦略計画に従事。最新の編著書として「複雑なシステムのための社会行動モデリング」(2019, Wiley & Sons)がある。ベネット博士はランド大学院から政策分析で博士号を取得。北東アジアの安全保障の専門家で、北東アジアには120回以上も訪問したことがあり、北朝鮮の軍事戦略、朝鮮統一、朝鮮半島の軍事バランス、朝鮮半島危機への中国の介入などについて研究を行ってきた。

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