長崎大学 核兵器廃絶研究センター（RECNA）

動画公開のお知らせ

　この度、長崎大学核兵器廃絶研究センター（RECNA）主催による被爆75年記念特別シンポジウム「平和・軍縮教育の新たな展開～核兵器禁止条約の時代を見据えて」（11月25日）について、動画を公開いたしましたのでお知らせします。
　
　11月25日当日のライブ配信につきましては、冒頭の配信開始が遅れましたことに加え、日本語の音声が20分ほどにわたって配信されないというトラブルにより、ご不便をおかけいたしましたことを改めてお詫びいたします。

　次から視聴いただけますので、是非ご覧ください。

RECNAセンター長　吉田文彦　　

被爆75年記念特別シンポジウム
「平和・軍縮教育の新たな展開～核兵器禁止条約の時代を見据えて」

It is published simultaneously by RECNA-Nagasaki University, Asia Pacific Leadership Network for Nuclear Non-proliferation and Disarmament (APLN), and Nautilus Institute and is published under a 4.0 International Creative Commons License the terms of which are found here.

U.S. Planning for Pandemics and Large-Scale Nuclear War
 
Lynn Eden
 
A Working Paper presented to
The 75th Anniversary Nagasaki Nuclear-Pandemic Nexus Scenario Project
 

 
Lynn Eden is senior research scholar (emeritus), at Stanford University. Her Ph.D. is in sociology from the University of Michigan; she works at the intersections of sociology, history, and political science. For most of her career, Eden was senior research scholar at the Center for International Security & Cooperation (CISAC) in the Freeman Spogli Institute for International Studies at Stanford University; she was also associate director for research at CISAC for many of those years. Before that, Eden taught in the history department at Carnegie Mellon University. Eden has written on how people in small communities do, or plan, harm to others. Her first book, Crisis in Watertown, was a finalist for a U.S. National Book Award. She also wrote on the 1964 Ku Klux Klan murders of civil rights workers Schwerner, Cheney, and Goodman in Philadelphia, Mississippi. Most of Eden’s work, including articles, chapters, and co-edited volumes, has been on U.S politics, nuclear arms control, and U.S. foreign and military policy. Her book Whole World on Fire: Organizations, Knowledge, and Nuclear Weapons Devastation won the American Sociological Association’s 2004 Robert K. Merton award for best book in science and technology studies. Using historical documents and personal interviews, Lynn Eden is currently writing on how organizational routines, narratives of deterrence, and jokes and humor make it possible for highly ethical U.S. military officers to revise and develop the operational war plans to “prevail” in a nuclear war.
 

 
This paper focuses on the United States and examines how developing plans to understand, prevent, prepare for, and mitigate disasters that may occur infrequently—for example, pandemics, is different from developing plans to fight and “prevail” in a large-scale nuclear war. We could say that preparing for pandemics makes sense, but that developing—and implicitly threatening to carry out—nuclear war plans only makes sense if such plans are not carried out.

Both kinds of plans involve anticipating large numbers of deaths—but at very different orders of magnitude. And, although the language of prevention and mitigation may be common to both, the probability of a pandemic depends to a considerable degree on human knowledge and social/political action. On the other hand, the reason for developing highly detailed “executable” plans to fight and “prevail” in a nuclear war is to threaten an enemy so “he” will not attack you or your allies. One cannot threaten a pandemic in hopes of deterring it from attacking. But if nuclear war plans do not deter an enemy, carrying out those plans in the hopes of destroying enemy forces will almost certainly lead to the incomprehensible destruction of all.

It is puzzling that the Trump administration did not prepare for a pandemic. It is puzzling how those who develop U.S. nuclear war plans understand what they are planning. I explore both below.
 

Keywords
Pandemic, scenarios, government organization, U.S. nuclear war planning, planners, outcomes, measurement, displacing emotion, humor
 

Full text (PDF) is here.
 

このワーキングペーパーは、「被爆75年記念事業　ナガサキ・核とパンデミック・シナリオプロセス」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク（APLN）のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。

米国のパンデミック対応と大規模核戦争
 
Lynn Eden

（要旨）
　本論文は、米国に焦点をあて、「パンデミック」のように極めてまれに起こる「惨事」を把握、防止、準備して、その害を緩和させるか、という計画立案と、大規模な「核戦争」に勝ち残るための計画立案が、いかに異なるかについて検討したものである。パンデミックへの対策を準備し、暗にその実行を示唆することは意味があるといえる。しかし、核戦争計画は、その計画が実行されないときにのみ、意味があるといえるのだ。
　この両方の計画において、多くの犠牲者が予想される。しかし、その規模はけた違いとなる。防止策や緩和策、という言葉は共通であっても、パンデミックの可能性は我々の知識と社会・政治的行動に大きく依存している。一方、核戦争を戦い、そして「勝ち残る」ための「実行可能な」詳細計画を構築する理由は、敵国に対し、「敵国」が自分たちや同盟国を攻撃しないと脅かすためなのである。パンデミックに対しては、脅かすことにより、攻撃を抑止することはできない。しかし、敵国を壊滅させるとの想定で作られた核戦争計画が敵国の攻撃を抑止できないと、その計画は想像もできない全人類の破滅につながることが確実なのである。
　トランプ政権が、パンデミックに対して準備ができていなかったことは不可解である。米国の核戦争計画を構築している人たちが、自分たちが何を計画しているのかを理解して行動していることも不可解である。本論文はこの両方を検討している。

キーワード： パンデミック、シナリオ、政府組織、米国の核戦争計画、立案者、結果、測定、感情の排除、ユーモア

著者紹介： リン・エデン博士は、米ミシガン大学で社会学博士号を取得、現在は米スタンフォード大学名誉研究員。主な研究分野は、社会学、歴史学、政治学の接点についての研究である。過去、ほとんどの研究歴は、スタンフォード大学フリーマン・スポルギ国際研究所国際安全保障と協力研究センター（CISAC）で過ごしてきた。CISACでは長い間副センター長を勤めた。その前には、カーネギーメロン大学の歴史学科で教鞭をとっていた。主に、狭いコミュニティの人々がどのように計画・行動し、他の人々に害を与えるかについて多くの論文を執筆してきた。最初の著作は「ウォータータウンにおける危機」で、全米図書賞の最終候補に選出されている。また、KKK(Ku Klux Klan)による、ミシシッピー州シュヴェルナー、チェイニー、グッドマン公民権運動殺人事件についても論文を執筆している。ほとんどの著作は、米国政治、核軍備管理、そして米国の外交・軍事政策に係るものである。「全世界が攻撃対象：組織、知識、核兵器のもたらす壊滅」は、科学技術に関する研究図書として、2004年のロバート・K・マートン最優秀作品賞を受賞している。歴史資料と個別インタビューをもとに、エデン氏は現在、核戦争に勝ち残るために、いかに倫理観の高い米国軍人が核戦争の運用計画を修正し、構築していくかについて、組織の日常作業や抑止論、冗談やユーモアを交えて執筆中である。

英語版のみとなりますが、全文（PDF）は こちら からご覧いただけます。

オンライン配信の不具合に関するお詫び

　このたびは、長崎大学核兵器廃絶研究センター（RECNA）主催による被爆75年記念特別シンポジウム「平和・軍縮教育の新たな展開～核兵器禁止条約の時代を見据えて」（11月25日）にご参加いただき誠にありがとうございました。

　今回のZoom配信につきましては、冒頭の配信開始が遅れましたことに加え、日本語の音声が20分ほどにわたって配信されないというトラブルが発生いたしました。原因については現在調査をしているところですが、ご不便をおかけし大変心苦しく感じております。主催者を代表して深くお詫びいたします。　　　　　　

RECNAセンター長　吉田文彦　　

【被爆75年記念特別シンポジウム】平和・軍縮教育の新たな展開～核兵器禁止条約の時代を見据えて（11月25日）開催のお知らせ

　間もなく発効する「核兵器禁止条約」は、軍縮教育の重要性を明記しました。「被爆者のいない時代」を前に、今求められる教育とは何か。研究者、実践者、関心ある市民とともに、新たな時代における平和・軍縮教育を構想します。

　本シンポジウムでは、会場においでいただけない方々のために、ビデオ会議ツール「Zoom」を使って、オンラインによるライブ配信も行います。

　オンラインによるライブ配信を視聴するためのURLは後日お送りしますので、届いていない場合は、お問い合せ先（Email: recna_staff@ml.nagasaki-u.ac.jp）へご連絡ください。