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この特別論文は、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。
ウクライナ戦争におけるロシアの核使用示唆が中国の核政策に与える影響
Tong Zhao
「北東アジアにおける核使用リスクの削減にむけて」(NU-NEA)プロジェクト
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
アジア太平洋核不拡散・軍縮リーダーシップネットワーク(APLN)
ノーチラス研究所
2022年10月13日
要 旨
今回のウクライナ戦争は、西側諸国による米国主導の覇権的行動がロシアに起こさせたものだ、というのが中国の基本的認識である。ロシアによる核兵器使用を示唆する威嚇行為を中国は注視している。その教訓を踏まえると、中国の先制核不使用政策の解釈や実戦への応用、それは台湾問題を含む潜在的な軍事紛争への応用を含む、における曖昧さや不確実性をさらに増すことにつながる可能性がある。
キーワード:
米国、核戦略、核兵器使用、北東アジア、中国、ロシア、ウクライナ
著者紹介:
トン・ツァオ博士は、北京にあるグローバル政策カーネギー・精華センター、カーネギー平和財団核政策プログラム シニア・フェローである。博士の専門分野は戦略的安全保障問題であり、核軍備管理、核不拡散、ミサイル防衛、宇宙安全保障、戦略的安定性、中国の安全保障・外交政策などを対象とする。現職以前は、ハーバード大学ベルファー科学と国際関係センターのスタントン核セキュリティフェロー、戦略国際問題研究所(CSIS)パシフィックフォーラム非常勤WSD-Handaフェロー、北京市役所外交政策局職員などを歴任。精華大学物理学科、国際関係修士、ジョージア工科大学にて科学・技術と国際関係論で博士号取得。
英語版のみとなりますが、全文(PDF)は こちら からご覧いただけます。
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この特別論文は、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。
類は友を呼ぶ:ウクライナ戦争の教訓を踏まえた北朝鮮の思考
Alexandre Y. Mansourov
「北東アジアにおける核使用リスクの削減にむけて」(NU-NEA)プロジェクト
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
アジア太平洋核不拡散・軍縮リーダーシップネットワーク(APLN)
ノーチラス研究所
2022年10月7日
(本プロジェクトの1年目の報告書が発表されて間もない2022年2月24日、ロシアは「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナへの軍事侵攻を開始した。このウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、多くの国々の関係を変えてしまい、とくに「戦争」の概念も変えてしまった。NU-NEAプロジェクトでは、ウクライナ侵攻による国際情勢の変化が、核保有国や核兵器を獲得しようとする国、核抑止に依存する国々の核兵器に関する思考、特に配備や核使用に関する思考、を変えたのではないか、と考えた。そこで、北東アジア諸国の軍事戦略や安全保障政策の専門家に、それぞれの国の政策にウクライナ侵攻がどのような影響を与えたかについて、短い論考を執筆してもらうよう依頼した。これはその第一報である)
要 旨
本論文は、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻が進行していく中で、北朝鮮がどのような教訓を得たか、についての論考である。特に、北朝鮮の核兵器配備や使用についての考えは、変化したのか。変化したとしたらどのように変わったのか。もし北東アジアの武力紛争が拡大した場合、どのような条件なら北朝鮮が核兵器を使用することになるのか。結論から言うと、ウクライナ侵攻の教訓から、(1)北朝鮮は「朝鮮半島における軍事対立において、核兵器を保有していることが必ずしも勝利につながるわけではない」と結論づける、(2)おそらくロシアまたは中国と「核共有」することを検討する、(3)米国や国際社会との核軍備管理交渉から戦術核兵器を排除することを主張する、という可能性が高いと思われる。さらに、北朝鮮や韓国に存在する原子力施設が攻撃の対象となりうる、という認識についても変化を及ぼす可能性が高い。
キーワード:
核兵器、抑止、認識、ウクライナ、米国、北朝鮮
著者紹介:
アレクサンダー・マンソロフ博士は、グレート・フォールズ・ソリューションズ・インターナショナル会長であるとともに、ジョージタウン大学安全保障研究センターの非常勤准教授、ジョンズ・ホプキンス大学国際問題研究大学院(SAIS)非常勤教授、ジョージワシントン大学エリオット国際関係論学部政治学と国際関係論非常勤教授を務めている。
英語版のみとなりますが、全文(PDF)は こちら からご覧いただけます。
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PCU-NC・RECNA創立10周年記念特別講演会「核なき世界への新たな挑戦-長崎からの発信-」10月29日(土)開催のお知らせ [ENG]
*YouTubeに講演動画を公開しました*
こちらからご覧ください。
ロシアのウクライナ軍事侵攻による核リスクの高まりは、世界の分断と亀裂を一層深めている。世界が向かうのは、核抑止強化に進む道か、あるいは核軍縮と廃絶に進む道か。
本講演会では、核兵器禁止条約の採択に貢献した駐日ジャマイカ大使のショーナ-ケイ・リチャーズ氏、さらには広島、長崎の専門家らとともに、核をめぐる世界の現状と課題、そして被爆地の果たすべき役割について考えます。
「長崎の新たな市民外交に向けて」
米国、南アフリカ、国連代表部での勤務、二国間関係局長等を歴任し、2020年10月から駐日特命全権大使を務める。国連軍縮委員会副議長、武器貿易条約交渉ファシリテーターを歴任するなど国際安全保障・軍縮の分野で多くの経験を有し、核兵器禁止条約の採択に至る交渉プロセスにおいても中心的な役割を担った。
「核なき世界に向けた長崎の役割」
宮 崎 園 子 (広島在住ジャーナリスト)
中 村 楓 (ナガサキ・ユース代表団第8・9期生)
ショーナ-ケイ・リチャーズ
本講演会では、会場においでいただけない方々のために、ビデオ会議ツール「Zoom」を使って、オンラインによるライブ配信も行います。
オンラインによるライブ配信を視聴するためのURLは後日お送りしますので、届いていない場合は、お問い合せ先(Email: pcu_nc@ml.nagasaki-u.ac.jp)へご連絡ください。
第1回「核なき未来」オピニオン賞 受賞者を発表 [ENG]
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)は、設立10周年記念事業の一つとして、若い世代に広く核兵器問題の重要性を訴えるとともに、平和な国際社会の実現に貢献できる人材の育成を図ることを目的として、「核なき未来」に関するオピニオン を募集しました。
このたび、最優秀賞1名、優秀賞2名を決定し、下記のとおり受賞者を発表、授賞式を行いましたので、お知らせいたします。
なお、受賞作のうち最優秀作は、2022年9月25日の長崎新聞の本紙に全文が掲載されました。( こちら は同紙電子版の記事)
【 受賞者: 最優秀賞 1名、優秀賞 2名 】
最 優 秀 賞![]() |
西山 心(23歳)
現在、⽶国カリフォルニア州ミドルベリー国際⼤学院モントレー校(MIIS)の修⼠課程在籍。専攻は、不拡散とテロリズム。中⾼5年間を⻑崎活⽔中学⾼等学校で過ごし、平和学習部に所属し外務省ユース⾮核特使として平和活動に励む。その後、国際基督教⼤学(ICU)に進学し、国際関係学と法学メジャーで核問題を深掘りする。2022年春に学⼠取得。 [オピニオン]
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優 秀 賞![]() |
ALOK CHANDAN(26歳)
現在、デリー大学(インド)東アジア研究学科博士課程在学中。東アジア研究(日本研究)修士課程修了。研究分野は戦略的通常兵器と抑止論の関係、核セキュリティと日印関係。 [オピニオン][RECNAによる仮和訳]
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優 秀 賞![]() |
青木 啓輔(29歳)
東京在住。会社員。 [オピニオン]
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【 受賞者 以外の 最終選考対象者 9名 / 応募者総数 54名 】
【 授 賞 式 】
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最優秀賞の授与 | 授賞式出席者の集合写真 |
日 時: |
2022年9月24日(土)13:00~14:00 (取材対応 14:00~14:30) |
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場 所: | 長崎大学文教キャンパス 教育学部第5会議室 |
次 第: |
1.開会挨拶:調 漸 10周年記念事業実行委員長 2.受賞者発表・授与式: 優秀賞者発表・賞状、盾授与:青来有一審査委員長 優秀賞者スピーチ(2名:オンライン) 最優秀賞者発表・賞状、盾・副賞目録授与:青来審査委員長 最優秀賞者スピーチ(1名:対面) 3.全体講評:青来有一審査委員長 4.審査委員コメント: 石田謙二客員教授、小島萌衣さん、畠山澄子さん、松永瑠衣子さん 5.閉会挨拶:吉田文彦RECNAセンター長 写真撮影 |
取材対応: |
青来審査委員長、受賞者3名 鈴木達治郎RECNA副センター長(司会)、山口響研究員(通訳) |