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【特別論文No.13】「類は友を呼ぶ:ウクライナ戦争の教訓を踏まえた北朝鮮の思考」(「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト)
2022年10月7日

この特別論文は、RECNA、ノーチラス研究所アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。

 

類は友を呼ぶ:ウクライナ戦争の教訓を踏まえた北朝鮮の思考
 
Alexandre Y. Mansourov


「北東アジアにおける核使用リスクの削減にむけて」(NU-NEA)プロジェクト
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
アジア太平洋核不拡散・軍縮リーダーシップネットワーク(APLN)
ノーチラス研究所
 
2022年10月7日

 

(本プロジェクトの1年目の報告書が発表されて間もない2022年2月24日、ロシアは「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナへの軍事侵攻を開始した。このウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、多くの国々の関係を変えてしまい、とくに「戦争」の概念も変えてしまった。NU-NEAプロジェクトでは、ウクライナ侵攻による国際情勢の変化が、核保有国や核兵器を獲得しようとする国、核抑止に依存する国々の核兵器に関する思考、特に配備や核使用に関する思考、を変えたのではないか、と考えた。そこで、北東アジア諸国の軍事戦略や安全保障政策の専門家に、それぞれの国の政策にウクライナ侵攻がどのような影響を与えたかについて、短い論考を執筆してもらうよう依頼した。これはその第一報である)

 

要  旨

本論文は、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻が進行していく中で、北朝鮮がどのような教訓を得たか、についての論考である。特に、北朝鮮の核兵器配備や使用についての考えは、変化したのか。変化したとしたらどのように変わったのか。もし北東アジアの武力紛争が拡大した場合、どのような条件なら北朝鮮が核兵器を使用することになるのか。結論から言うと、ウクライナ侵攻の教訓から、(1)北朝鮮は「朝鮮半島における軍事対立において、核兵器を保有していることが必ずしも勝利につながるわけではない」と結論づける、(2)おそらくロシアまたは中国と「核共有」することを検討する、(3)米国や国際社会との核軍備管理交渉から戦術核兵器を排除することを主張する、という可能性が高いと思われる。さらに、北朝鮮や韓国に存在する原子力施設が攻撃の対象となりうる、という認識についても変化を及ぼす可能性が高い。

キーワード
核兵器、抑止、認識、ウクライナ、米国、北朝鮮

著者紹介
アレクサンダー・マンソロフ博士は、グレート・フォールズ・ソリューションズ・インターナショナル会長であるとともに、ジョージタウン大学安全保障研究センターの非常勤准教授、ジョンズ・ホプキンス大学国際問題研究大学院(SAIS)非常勤教授、ジョージワシントン大学エリオット国際関係論学部政治学と国際関係論非常勤教授を務めている。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 

◆本プロジェクトの概要は こちら

◆本プロジェクトの特別論文の一覧は こちら

 


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