2019年6月1日~2日、韓国・世宗研究所で日韓共同ワークショップ「朝鮮半島の平和から北東アジア非核化へ」(Joint ROK-Japan Workshop “From Peace on Korean Peninsula to North East Asia Nuclear Weapon Free Zone”)が開催されました。本ワークショップは、核兵器廃絶研究センター(RECNA)と世宗研究所の共催で、北東アジアの平和と安全保障に関するパネル(PSNA)(RECNAが事務局を務める)の協力により行われました。
会議は、緊張高まる国際情勢の中で、朝鮮半島の非核化、さらには北東アジアの非核化と安全保障について、日韓の研究者が中心となって議論し、具体的な政策提言を作成することを目的として開催され、議論はチャタムハウスルール(※)で行われました。日本と韓国からそれぞれ8名の研究者・専門家が招聘されたほか、米国、ロシア、中国、オーストラリア、ドイツ、オーストリアからも参加があり、計25名が、各国の最新情報を共有するとともに、非核化へのそれぞれの見解を述べました。
今後は、RECNAと世宗研究所が、PSNAの共同議長2人とともに、政策提言書を夏頃までにまとめることとしており、日本語と英語で作成される提言書は、ウェブに掲載されるほか、政策関係者への発送を予定しています。
※チャタムハウスルール: 率直な意見交換促進のために英国王立国際問題研究所が作った会議ルール。会議の情報は、その会議の発言者・情報元の特定されない形でしか公表できない
会議の概要は こちら をご覧ください。
日 時: | 2019年6月29日(土)13:30~15:30 |
場 所: | アルカスSASEBO |
講 師: | 吉田 文彦(RECNAセンター長) |
主 催: | 核兵器廃絶長崎連絡協議会(PCU-NC) |
共 催: | 長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA) |
開会の挨拶をする調漸PCU-NC会長 | 講演をする吉田文彦RECNAセンター長 |
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司会の中村桂子准教授 | 会場の様子 |
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2019年度核兵器廃絶市民講座「核兵器のない世界を目指して」の第2回目が、6月29日(土)に佐世保市内アルカスSASEBOにて行われました。
「米国の核使用は日本を守るか」と題し吉田文彦教授(RECNAセンター長)が講師を務めました。
主な構成は、
1.核抑止とは何か ①懲罰的抑止 ②拒否的抑止 ③.拡大核抑止(核の傘)④拡大抑止が機能するための要件(信憑性の確保)
2.日本に核報復の覚悟はあるか 3.日本は米国の核使用を止められるか
4.電磁波(EMP)攻撃に核報復するのか
5.米国の「核の傘」は信頼できるのか(日米同盟の位置づけ)
6.何が安全保障に必要なのか の6項目。
石破茂衆議院議員、コリン・パウエル元米国務長官インタビューも引用しながら講演されました。また質疑応答では白熱した議論となりました。
講座には約40名の市民が集まりました。
講演の録画 |
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配布資料1: | 米国の核使用は日本を守るか(PDF) |
配布資料2: | EMP質問書・回答書(PDF) |
※本講演会の内容は講演者及び対談者個人の意見を表すものであり、主催団体及び共催団体等の見解を示すものではありません。
訪韓したドナルド・トランプ米国大統領が6月30日、軍事境界線上にあるパンムンジョム(板門店)でキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と会談した。短時間だが、現職の米国大統領として初めて、境界線を越えて北朝鮮側に歩み入った。今回の歴史的一歩を契機に、物別れとなった今年2月のハノイでの米朝首脳会談のあとに停滞が続く朝鮮半島非核化交渉を再起動させ、協議を軌道にのせることが重要だ。
見解の全文は こちら
日 時: | 2019年5月25日(土)13:30~15:30 |
場 所: | 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館 交流ラウンジ |
講 師: |
広瀬 訓 (RECNA副センター長) 中村 桂子(RECNA准教授) |
パネリスト: |
ナガサキ・ユース代表団第7期生 中島 大樹、 高見 すなお |
主 催: | 核兵器廃絶長崎連絡協議会(PCU-NC) |
共 催: | 長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA) |
講演をする中村准教授 | 講演をする広瀬副センター長 |
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ユース7期生(中島、高見) | 会場のようす |
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2019年度初回となる核兵器廃絶市民講座「核兵器のない世界を目指して」が、5月25日(土)に国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館交流ラウンジにて行われました。講師は、RECNAの広瀬 訓副センター長と中村桂子准教授が務めました。また、後半のパネル討論にナガサキ・ユース代表団第7期生の中島大樹と高見すなおが参加しました。
「核軍縮の最前線から~NPT準備委員会から垣間見えるもの~」と題し、講師の2名からは4月29日~5月10日にニューヨークで行われた2020年NPT再検討会議第3回準備委員会での議論の様子が報告されました。まず初めに中村准教授が2020年に向けた最後の準備委員会である今会議の役割について説明し、続いて核軍縮をめぐる各国の意見の対立などを紹介しました。次に広瀬副センター長が、米ロが長年棚上げしていたはずの核シェアリングをめぐる議論の再燃に言及しながら、NPT体制を維持するための核不拡散と核の平和利用について報告されました。その次に準備委員会の会議に参加したナガサキ・ユース代表団7期生のメンバーを入れてパネル討議をおこないました。ユースの2名からは、世界の若者とのネットワークの構築をきっかけとして、核兵器の脅威に対する意識を広げ、周囲の人を巻き込んでいく必要を感じているとの発言がありました。これに対し、広瀬副センター長は、民主国家では「核兵器廃絶」を主張する議員を選ぶのは我々であり、それが一番近道で確実な道なのではないかと提案し、また中村准教授は、日本における核問題に対する関心の低さに触れ、核兵器禁止条約の話題や署名活動を通じてこの問題の緊急性・重要性を広めていくことが急務であり、危機感を持って臨むべきではないかと結びました。
講座には約85名の市民が集まり、講演後の「RECNAと語ろう」では、市民・学生による熱い意見交換が行われました。
講演およびパネル討論の録画 |
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配布資料1: | 核軍縮の最前線から(中村 桂子)(PDF) |
配布資料2: | レジュメ:核軍縮の最前線から(広瀬 訓)(PDF) |
配布資料3: | 核軍縮の最前線から(広瀬 訓)(PDF) |
※本講演会の内容は講演者及び対談者個人の意見を表すものであり、主催団体及び共催団体等の見解を示すものではありません。
【活動報告会】~ PUSH THE BOUNDARY ~
2019年春、長崎県、長崎市、長崎大学の認定する「ナガサキ・ユース代表団」の第7期生9名が、米国・ニューヨークで開催された「2020年核不拡散条約 (NPT) 再検討会議-第3回準備委員会」に参加しました。核を巡る国際状況が大きく動く中、各国の政府やNGOの関係者、若者らとの意見交換を通じて、9人は何を想い、考え、伝えたのでしょうか。ぜひその「生」の声をお聞きください!
2019年4月29日(月)から5月10日(金)まで、核軍縮・不拡散問題の国際会議「2020年NPT(核不拡散条約)再検討会議第3回準備委員会」がアメリカ・ニューヨークの国連本部で開催されます。世界各国から多数の政府関係者・専門家・NGOが集まるこの会議に、RECNAの教員とナガサキ・ユース代表団第7期生が参加し、現地からのレポートをお届けいたします。教員のレポートは「RECNA NPT Blog 2019」にて、ナガサキ・ユース代表団のレポートはナガサキ・ユース代表団のFacebookにて掲載しますので、是非ご覧ください。
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