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【特別論文No.10】「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクトの特別論文「朝鮮半島における低威力核兵器の潜在的使用について」を発表
2022年2月24日

この特別論文は、「「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト– 二度と核兵器が使われないために –」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。


朝鮮半島における低威力核兵器の潜在的使用について
 
Eva Lisowski

(要旨)
本論文は、朝鮮半島における紛争において、低威力の核兵器が使用される可能性について、検討したものである。まず「低威力」の定義から検討した。通常、低威力とは10キロトン以下の爆発力を指し、主に短距離で戦場における敵国施設や軍隊を攻撃する目的の、いわゆる非戦略兵器、または「戦術兵器」と呼ばれる核兵器に使われる。次に、米国議会における低威力核兵器に関する法案審議の歴史を振り返り、どの国が低威力核兵器を実際の軍事紛争時に使用するか、しないかについて、3つの典型的なシナリオを記述する。そのシナリオに基づき、HYSPLITコンピュータ・モデルを使用して、0.3と10キロトンの核兵器が爆発した場合の放射性降下物(フォールアウト)の拡散地図を作成する。シナリオとしては、朝鮮半島の場所、季節なども複数検討する。北東アジアに位置する核保有国(米国を含む)の低威力核兵器を比較し、朝鮮半島における低威力核兵器使用に関する7つの「使用ケース」を展開する。

キーワード:朝鮮半島、核兵器問題、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、非核化、力の均衡

著者紹介
イヴァ・リソウスキ―氏は、米マサチューセッツ工科大学(MIT)核兵器教育プロジェクトのメンバーで、氏は同原子力工学・核科学大学院にて修士号取得。これまで発表した論文のテーマには、大量破壊兵器製造にとっての核物質の魅力度(使用容易度)」の評価、米印原子力協定締結後のインドの核物質生産の分析などがある。現在の中心研究テーマは、核兵器爆発や民生用核施設を目標としたミサイル攻撃の影響評価シミュレーションである。米原子力学会(ANS)の若手メンバーであり、米国原子力産業協会の2019年サマー・フェローに選ばれた。リソウスキ―氏は、マサチューセッツ州ならびに米議会における原子力発電推進運動にも参加した。現在、東京工業大学にて研究員として核セキュリティや核不拡散分野における日米共同研究に従事。現在、東京工業大学原子力工学科大学院修士課程に在学中。

本論文の作成にあたっては、マッカーサー財団の助成金により一部支援をうけた。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 

◆本プロジェクトの概要は こちら

◆本プロジェクトの特別論文の一覧は こちら

 


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