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【特別論文No.23】「核兵器使用後の国際情勢を政治的に分析する」(「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト)
2024年7月11日

この特別論文は、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。

 

核兵器使用後の国際情勢を政治的に分析する
 
Rabia Akhtar


「北東アジアにおける核使用リスクの削減にむけて」(NU-NEA)プロジェクト
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
アジア太平洋核不拡散・軍縮リーダーシップネットワーク(APLN)
ノーチラス研究所
 
2024年7月11日

 

NU-NEAプロジェクトでは、地域における核使用リスク削減にむけて政策提言をまとめたが、その一環として重要課題について専門家に委託した論文の中で、すでにJournal for Peace and Nuclear Disarmamentに発表されたものを公表する。

 

要  旨

現在の国際情勢、とくに北東アジアにおける情勢は、核保有国の存在、並びに領土をめぐる対立、そして地政学的な緊張増加により脆弱な状況に置かれている。この現実を考慮に入れたうえで、本論文は北東アジアにおける核使用がもたらす影響について分析する。考えうる政治権力の移行、反核グループの役割の進化、そしてより広く安全保障政策への影響について、徹底的に分析を行う。論文は、さらに核兵器使用がもたらす複雑な正・負の結果を含めたいくつかのシナリオも検討する。それらの分析に基づき、本論文は、破滅的な核使用を防ぐために、軍備管理や紛争解決に向けた真摯な対話の重要性を強調した提言を行う。全体として、本論文は北東アジアにおける核兵器がもたらす多層的な課題を包括的に分析し、世界をより安全にするための貴重な洞察を示すことになる。最近の国際情勢は、軍備管理に必要な国際構造を弱体化させる方向に進んでおり、核不拡散体制への脅威も増加させている。本論文は、核抑止力を柔軟に進化させ、先進技術を戦略的に利用し、関係国間の脆弱性のバランスを改めて構築していくことの重要性を強調している。

キーワード: 核兵器、アジア太平洋、北朝鮮、軍備管理、核抑止

著者紹介
Rabia Akhtar博士は、ラホーレ大学(パキスタン)社会科学部学部長・教授である。国際政治学の教授であり、またラホーレ大学統合社会科学校の安全保障、戦略、政策研究センターの創設者・センター長である。米カンサス州立大学の安全保障学で博士号を取得。専門は、南アジアの安全保障、抑止論、誤情報とディープフェイク、核兵器とAIなどの先端技術、パキスタンの外交政策・安全保障政策、南アジアの地域安全保障など多岐にわたる。また、カーン首相の外交問題審議会メンバー(2018~2022)、米大西洋評議会、英国BASICの客員研究員も務める。この他、NATO防衛大学、ISODARCO、ハーバード大学Managing the Atomプロジェクトなど、多くの研究機関で研究を行ってきた。

この論文は本人の分析であり、所属機関の研究とは無関係である。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

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◆本プロジェクトの特別論文の一覧は こちら

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