この特別論文は、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。
ウクライナ情勢が北東アジアにおけるロシアの核兵器配備に及ぼす潜在的影響
Anastasia Barannikova
「北東アジアにおける核使用リスクの削減にむけて」(NU-NEA)プロジェクト
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
アジア太平洋核不拡散・軍縮リーダーシップネットワーク(APLN)
ノーチラス研究所
2022年11月7日
(本プロジェクトの1年目の報告書が発表されて間もない2022年2月24日、ロシアは「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナへの軍事侵攻を開始した。このウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、多くの国々の関係を変えてしまい、とくに「戦争」の概念も変えてしまった。NU-NEAプロジェクトでは、ウクライナ侵攻による国際情勢の変化が、核保有国や核兵器を獲得しようとする国、核抑止に依存する国々の核兵器に関する思考、特に配備や核使用に関する思考、を変えたのではないか、と考えた。そこで、北東アジア諸国の軍事戦略や安全保障政策の専門家に、それぞれの国の政策にウクライナ侵攻がどのような影響を与えたかについて短い論考を執筆してもらうよう依頼した。これはその第四報である)
要 旨
ウクライナ情勢は、北東アジアにおけるロシアの核戦略・態勢に直接影響を与えるものではないが、この地域への間接的影響について排除できるものではない。間接的影響の例としては、ウクライナ情勢を受けて変化する米国や中国の核兵器計画や配備計画の変更、地域における非核保有国の核兵器にかかわる政策の変更、台湾や朝鮮半島における軍事紛争の勃発、などが考えられる
キーワード:
ロシア、ウクライナ、核兵器、北東アジア
著者紹介:
アナスタシア・バラニコヴァ博士は、ADMネヴェルスコイ海洋国家大学(ウラジオストック、ロシア)の研究フェローで、モンゴルの北東アジア安全保障・戦略研究所の上級客員研究員を兼務している。
この論文は本人の分析であり、所属機関の研究とは無関係である。
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