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【特別論文No.9】「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクトの特別論文「台湾海峡における核戦争の防止」を発表
2022年2月18日

この特別論文は、「「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト– 二度と核兵器が使われないために –」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。


台湾海峡における核戦争の防止
 
Sheryn Lee

(要旨)
中国の核戦力が増強している中、米国の「戦略的曖昧」政策の劣化と台湾政府の独立志向が強まることは、台湾をめぐる軍事対立の可能性が高くなることにつながる。しかし、台湾海峡において核兵器を使用する可能性は極めて限られた状況においてでしか考えにくい。本論文は、中国としては台湾海峡の軍事バランスを自国に有利にするべく、核による脅しを使うことなく、通常兵器および非軍事手段を用いた「灰色ゾーン」戦術をますます使用してくる、と結論づける。まず、過去の3回にわたる台湾海峡危機を詳細に分析し、核兵器並びに通常兵器を用いての威嚇により台湾統一を成し遂げようとする中国の意図を検証する。次に、米中対立が続く中、米国が引き続き台湾支持を続ける地政学及び戦略地政学的妥当性を概説する。最後に、台湾において強化されつつある民主主義の役割といかに台湾が中国の圧力に対応するかを検討する。それらの分析に基づき、本論文は、台湾海峡の問題が、日本や朝鮮半島を含む北東アジアにおける核兵器使用の可能性にどのように影響を与えるかについて結論を下す。

キーワード:戦略的曖昧性、海峡間関係、核のドミノ効果、米中関係、台湾の独立

著者紹介
シェリン・リー博士は、スウェーデン国防大学(ストックホルム)のリーダーシップ・指令・統御学科の上級講師である。それ以前、リー博士はオーストラリア国家情報局の分析官、マッカリ―大学安全保障と犯罪学科の講師を務めた。オーストラリア国立大学(ANU)戦略国防研究分野で博士号取得。ANUではTBMiller研究員としても従事。米ペンシルベニア大学政治学修士取得するとともにベンジャミン・フランクリン・フェロー、並びにマムフォード・フェローとして研究に従事。戦略国際研究センター(CSIS)パシフィックフォーラムにおいてWSD-Handa客員フェロー、アジア国際戦略研究センター(IISS-Asia)(シンガポール)にてロバート・オニール研究員を務めた。

本論文の作成にあたっては、マッカーサー財団の助成金により一部支援をうけた。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 

◆本プロジェクトの概要は こちら

◆本プロジェクトの特別論文の一覧は こちら

 


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