この特別論文は、「「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト– 二度と核兵器が使われないために –」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。
朝鮮半島における核兵器問題:課題と展望
Anastasia Barannikova
(要旨)
過去30年間*にわたり、朝鮮半島の核兵器問題(KPNI)は、北東アジアにとって最も深刻な脅威の一つとして考えられてきた。現在に至るまで、国際社会におけるいかなる努力―六か国協議、圧力や融和外交、そして最近では2018-19年に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が開始した一連の外交―をもってしても、この問題の解決にめどが立つような有効な成果を上げてこれなかった。ということは、これまでの北朝鮮へのアプローチの妥当性や、朝鮮半島の核兵器問題を解決することの実現可能性に対する疑問につながってくるのだ。
(*ここでは、1990年代からを起点として考えている。当時北朝鮮と米国の関係が悪化し、北朝鮮は核不拡散条約(NPT)からの脱退を表明、最初の「核危機」が勃発した時期である。)
キーワード:朝鮮半島、核問題、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)、非核化、力の均衡
著者紹介:
アナスタシア・バラニコヴァ博士はADMネヴェルスコイ海洋国家大学(ウラジオストック、ロシア)の研究員であり、モンゴル北東アジア安全保障・戦略研究所の客員研究員(モンゴル)。2019年には国際戦略研究センター(CSIS)、2020年ミドルベリー国際大学院モントレー校不拡散研究センター、2021年慶南(Kyungnam)大学極東研究所、などの客員フェローを務めてきた。ADMネヴァルスコイ海洋国家大学から歴史学博士号取得。これまでに、科学専門誌、著名新聞、ブログなどで、多くの論文・論評を、ロシア語、英語、中国語、韓国語、モンゴル語、日本語にて発表してきている。
本論文の作成にあたっては、マッカーサー財団の助成金により一部支援をうけた。
英語版のみとなりますが、全文(PDF)は こちら からご覧いただけます。
◆本プロジェクトの概要は こちら
◆本プロジェクトの特別論文の一覧は こちら