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「被爆75年記念事業 ナガサキ・核とパンデミック・シナリオプロセス」のワーキングペーパー「パンデミックの世界における拡大抑止と拡大核抑止」を発表
2020年10月16日

このワーキングペーパーは、「被爆75年記念事業 ナガサキ・核とパンデミック・シナリオプロセス」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。


パンデミックの世界における拡大抑止と拡大核抑止
 
Allan Behm

(要旨)
 米国が同盟国に「安全保障」として供与してきた「拡大抑止」と「拡大核抑止」は、過去60年間にわたり米国の政策と計画が生み出してきたものである。他のどの核保有国もそのような「安全保障」を供与してはいない。第二次世界大戦直後、米国は敵国(特に旧ソ連)からの同盟国への武力行使を抑止するために、「圧倒的な通常兵力」を用いて「拡大抑止」を提供してきた。旧ソ連と中国が核兵器を開発した後は、その核の脅威が同盟国に及ぶ恐れが出てきたことから、「拡大抑止」の範囲が拡大されて、核の脅威に対する抑止(核抑止)も「拡大核抑止」として含まれるようになった。
 抑止が信頼できるかどうかは、抑止を提供する国が本当に敵国を確実に敗北させるだけの圧倒的な軍事力を有しているかどうか、あるいは敵国にとって敗北のコストが勝利の利益よりも本当に多いかどうか、といった不確実性に実は依存している。言い換えれば、抑止は単なる「脅し」なのか、それとも本当に「保証」なのか、が本当に問うべき課題である。
 ここ数十年、拡大(核)抑止の信頼性は、徐々に低下してきている。抑止論の脆弱性は、コロナウィルスの登場以前からすでに明らかになっていた。コロナウィルス感染症や国際合意・条約に対する米トランプ大統領の気まぐれな対応によって、米国の同盟国は自国の安全保障を、彼の対応を通してみることになった。もし、米国がコロナウィルスに対して、有効な対策をとることができないのであれば、どうして同盟国を守ることができるだろうか?
 抑止は「信頼」に基づくシステムである。抑止が機能する証拠は全くない。抑止の論理は、最終的には失敗したときにその効力がわかる、言い換えれば大規模な戦争行為になって初めてわかるものなのだ。

キーワード: 核兵器、拡大核抑止、核の傘、信用度、信頼、指導力、同盟

著者紹介: アラン・ベーム博士は、現在オーストラリア研究所(豪州キャンベラ市)国際安全保障プログラム部長である。ベーム氏は、過去30年間にわたり、オーストラリア外務省、首相府、国防省、司法省などの政府官僚として務めてきた。専門領域は、国際関係論、国防戦略、テロリズム対策、法執行政策などであり、最近では気候変動にも詳しい。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 


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