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「被爆75年記念事業 ナガサキ・核とパンデミック・シナリオプロセス」のワーキングペーパー「パンデミック」を発表
2020年10月13日

このワーキングペーパーは、「被爆75年記念事業 ナガサキ・核とパンデミック・シナリオプロセス」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。


パンデミック
 
C G Nicholas Mascie-Taylor and K Moji

(要旨)
 パンデミックは、伝染病が世界に広がる、または国境を越えて広い地域や多くの人たちに影響を与える現象をいう。パンデミックは、人類史上何回も起きており、動物からのウィルス感染が増加しつつあるため、その回数も増えていると思われる。パンデミック・リスクは、「スパークリスク」(例;野生動物からの感染侵入)と「スプレッド・リスク」(感染経路とヒトの感受性による感染拡大)の組み合わせによる。パンデミックへの準備対応策を構築するのは複雑な作業であり、かなりの調整が必要となる。COVID-19のケースでは、感染モデル構築が多くの政府対応にとって重要であった。具体的には、ロックダウン(都市閉鎖)や3密回避等も含まれる。新型病原体のワクチン開発は簡単ではなく、コミュニティによる緩和対応策が不可欠である。COVID-19のケースからは、即時の対応、徹底した検査、デジタル機器による追跡調査、政府やリーダーに対する国民の信頼と国際協力などが重要であることが教訓としてあげられる。

キーワード: パンデミック、人獣共通感染症、パンデミックの影響、コミュニティ緩和策、ワクチン開発、COVID-19からの教訓

著者紹介
 ニック・マスシーテイラー博士は、英国ケンブリッジ大学「人口生物学と健康」担当教授、グローバルヘルス研究部部長を兼務、同大学チャーチルカレッジのフェロー、欧州人類学会会長・副会長を20年間務め、ハンガリー国立科学アカデミーの海外フェローでもある。南アジアおよびアフリカにおいて、栄養・健康状態の調査研究と政府への政策提言を40年にわたって実施してきた。データ解析の専門家として、英国国際開発省、デンマーク国際開発局、世界銀行、その他16か国のデータ解析の基礎・高度教育プログラムを長年運営。博士は、30年以上にわたりバングラデシュで研究し、非感染疾患研究のコホート集団を最近立ち上げた。COVID-19感染症が発症してからは、このコホート(75,000人)を対象とした電話によるCOVID-19の症状と社会・経済影響に関する縦断的データ収集を行っている。
 門司和彦博士は、専門は人類生態学で、現在,長崎大学多文化社会学部長、および熱帯医学・グローバルヘルス研究科グローバルヘルス専攻長。熱帯医学研究所教授。2008年から2013年まで、京都の総合地球環境学研究所エコヘルスプロジェクト「熱帯アジアの環境変化と感染症」のリーダーを務めた。東京大学にて保健学修士・博士号取得。2011年から14年まで、日本熱帯医学学会会長を務めた。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 


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