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2023年5月25日

G7広島サミットの「責任」とは何なのか

長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)見解
2023年5月25日

 G7サミットが広島で開かれ、核保有国の米英仏、「核の傘」国の日独伊加の7カ国のリーダーが集った。グローバルサウスと呼ばれる新興国や途上国のリーダー、ウクライナの大統領も招かれ、短時間ながらも「被爆の実相」に触れた。

 被爆地でのこの大規模な首脳会合の前と後では何かが変わるのではないか、変えられるのではないか。いや、変えていく転機にしていかなければならない。ウクライナ侵略開始後のロシアが理不尽な核の恫喝を繰り返すなか、核使用のないままに戦争を終わらせ、核軍縮を再構築していくことの必要性、その切迫性を強く実感させるサミットとなった。

 何が大切なのか。G7サミットで合意された「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」の中で6回も使われている「責任ある」(responsible)という文言に着目したい。ビジョンでは最初に、「ロシアの無責任な核のレトリック」としてロシア批判の文脈で使われ、次に、「核兵器のない世界」をめざすG7は、この「究極的な目標」が「責任あるアプローチを通じて達成される」と考えている旨が記された。さらには、中国を意識してのことか、「効果的かつ責任ある透明性」(核戦力のデータ公開など)が大事との立場も表明した。このほか、核不拡散等に関連して3か所で「責任」が用いられている。

 首脳たちの責任の強調には期待を寄せたい。ただ、言いっぱなしの責任は、そのまま無責任に姿を変えることを忘れないでほしい。首脳たちは、原爆資料館を訪れるとともに原爆慰霊碑に献花を行い、被爆者と面会した。核兵器の非人道性と核軍縮の重要性を国際社会に示した点で大きな意義がある。首脳たちは人間として実感したことを持ち帰り、今後の核軍縮・不拡散政策の具体的成果に結びつけてこそ、責任を果たしたことになる。

 「無責任な核のレトリック」とのロシア批判には、同感である。だが、言外に、「自分たちは責任ある核のレトリック」との含意を感じさせる。核抑止とは、核兵器の使用を示唆する脅しで自らが望まない行動を相手にさせないことであり、抑止が破綻した場合には核兵器を使用することが前提とされる概念である。もちろん、ロシアの危険なレトリックは言語道断だが、だからといってG7諸国の核抑止依存が安心で安全と胸を張れるわけではない。そもそも、どの国が使おうと責任ある核使用や、誰かが責任を負いきれる核使用があるとは思えない。

 ビジョンでは、「核戦争の防止及び軍拡競争の回避に関する五核兵器国首脳の共同声明(2022年1月)」を想起して、「核戦争に勝者はなく、また、核戦争は決して戦われてはならないこと」が確認された。重要な基本原則ではあるが、さらに踏み出して、ロシアが核を使うことなく、米英仏も核による威嚇やその使用にいたることなく、ウクライナでの戦争を終結させる強い決意をもっと示してほしかった。そんな決意の言葉があれば、「長崎を最後の被爆地に」とのメッセージが広島G7サミットでも響いたと、この地からもっと共感を得たことだろう。岸田文雄首相にはそこまでの議長力を、責任を持って発揮してもらいたかった。

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2023年5月18日

長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)教員の公募について

1. 所  属  長崎大学 核兵器廃絶研究センター(RECNA)
2. 職  名  教授(女性限定)
3. 募集人員  1名
4. 採用時期  令和5年10月1日以降のできるだけ早い時期

 長崎大学の方針に基づき、「男女雇用機会均等法」第8条(女性労働者に係る措置に関する特例)の規定により、女性教員の割合が相当程度少ない現状を積極的に改善するための措置として女性に限定した公募を実施するものです。

 詳しくは 公募要領 をご覧ください。

【応募書類】
1)履 歴 書 (様式1記入例
2)業績調書(様式2
3)獲得した外部資金のリスト(様式3
4)「着任後のRECNAの業務内容に関する抱負について」(A4版1枚程度,様式自由,使用言語:日本語)

【応募書類の提出締切日】
令和5年7月14日(金)必着

【お問い合わせ先】
〒852-8521 長崎市文教町1-14
長崎大学核兵器廃絶研究センター総務係
E-Mail recna_jimu@ml.nagasaki-u.ac.jp
TEL 095-819-2164
FAX 095-819-2165

 

Category お知らせ
2023年4月27日

第2回「核なき未来」オピニオン募集! [ENG]
「核兵器は地球を守れるか?」

オピニオン募集チラシ(PDF)

2023年1月、「終末時計」の針は過去最短の「残り90秒」に進められた。その理由の筆頭が、高まる核兵器使用の脅威と地球環境の破壊だ。一方で核兵器は国を守るために必要との考えもある。はたして核兵器は人を、国を、そして地球を守れるか?

「U-20」(16歳以上20歳未満)、「U-30」(20歳以上30歳未満) の2つの部で、「核なき未来」に関するオピニオン(小論文、エッセイなど形式は自由)を募集します。2023年のサブテーマは「核兵器は地球を守れるか?」です。あなたの想いや意見を自由に綴ってください。

卓越したオピニオンには賞を与えます。最優秀賞2名(各部1名ずつ)は長崎での授賞式(2023年9月23日(土))に招待します。また、最優秀オピニオンは長崎新聞に掲載されます。


【応募について】
資  格:
① U-20の部(16歳以上20歳未満)
② U-30の部(20歳以上30歳未満)
 (2023年7月31日時点の年齢)
  居住地・国籍は問いません。
方  法:
下記の書類をPDF形式で、下記宛先まで一括してE-mailに添付し提出してください。
(1)応募申請書  1部 [様式]※ダウンロード用
(2)オピニオン  1部
※日本語又は英語。日本語2000文字程度、英語1000ワード程度。
※オリジナル・未発表に限る。
※適切なタイトルを付けること。
応募期間:
2023年5月1日~7月31日(必着)
提 出 先:
opinion@ml.nagasaki-u.ac.jp
※提出後1週間しても受領のお知らせが届かない場合は、下記【お問い合わせ先】までご連絡ください。【お問い合わせ先】のメールアドレスでは応募は受け付けませんのでご注意ください。

 

【賞品・副賞】
U-30の部:
・最優秀賞 1名: 記念盾、副賞賞金5万円、長崎での授賞式に招待(国内受賞者のみ)
・優秀賞1名: 記念盾、副賞賞金3万円
U-20の部:
・最優秀賞 1名: 記念盾、副賞賞金3万円、長崎での授賞式に招待(国内受賞者のみ)
・優秀賞1名: 記念盾、副賞賞金1万円

 

【選考と発表】
選  考:
審査委員会による厳正なる審査の上、最優秀賞2名、優秀賞2名を選定します。
審査委員会:
青来 有一(芥川賞作家)審査委員長
グレゴリー・カラーキー(RECNA外国人客員研究員)英文審査小委員会委員長
山田 貴己(長崎新聞社取締役編集局長、RECNA客員教授)副委員長
中村 桂子(RECNA准教授)副委員長
小島 萌衣(NHK長崎放送局記者)
鈴木 達治郎(RECNA副センター長、教授)
畠山 澄子(ピースボート共同代表)
松永 瑠衣子(平和活動家)
審査基準:
以下の項目で審査を行います。
①明確であること、②論理に矛盾がないこと、③事実に基づくこと、④独創性があること、⑤表現力があること
発表・授賞式:
2023年9月23日(土)13:00~14:00 於:長崎大学
最優秀オピニオンは後日、長崎新聞に全文を掲載します。優秀賞受賞作品はRECNAウェブサイトに公表します。
※応募作品の著作権は応募者に帰属しますが、受賞作品の二次利用(掲載、出版など)は主催者(RECNA)に帰属します。
主  催: 長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
協  力: 長崎新聞社
後  援: 長崎県、長崎市、KTNテレビ長崎、NBC長崎放送、NCC長崎文化放送、NHK長崎放送局、NIB長崎国際テレビ
※本事業は長崎大学核兵器廃絶研究センター寄附金により運営されています。

 

【お問い合わせ先】
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
TEL:095-819-2164
E-mail: recna_staff@ml.nagasaki-u.ac.jp
Website: https://www.recna.nagasaki-u.ac.jp/recna/

 

2023年4月10日

REC-PP-17

 核兵器問題の主な論点整理:国際政治・安全保障編(2023年4月)
 吉田 文彦, 中尾 麻伊香, 西田 充, 向 和歌奈, 河合 公明, 遠藤 誠治, 牧野 愛博

[全文閲覧] 

 2021年1月に核兵器禁止条約(TPNW)が発効した。被爆地を含め、世界の多くの国々で「核のない世界」を望む人々にとって歴史的な一歩であった。しかしながら、核抑止はこの世界の安全保障政策に深く広く根を張っており、核抑止依存諸国(核を持つ国、核の傘国)はTPNWに反対の、あるいは慎重な態度をとり続けている。
 理想主義(TPNWグループ)と現実主義(非TPNWグループ)が鋭く対峙する構図となり、核不拡散条約(NPT)を基盤にした核軍縮・不拡散によって国際安全保障、国家安全保障の安定化をはかるという、ここ半世紀の核問題のグローバル・ガバナンスの根幹さえ揺るがしかねない事態となっている。
 加えて、ウクライナを侵略したロシアが「核の恫喝」を繰り返して核戦争リスクを高め、米国との新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止も宣言した。米国と中国の対立関係も強まって、核軍縮の行方はすっかり視界不良に陥ってしまった。
 そうした中で、日本学術振興会の科学研究費助成(基盤研究B)による研究プロジェクト「安全保障を損なわない核軍縮」(研究代表者・吉田文彦)を進めてきた。核抑止と核軍縮に関する理想主義・現実主義の双方に存在するバイアスの矯正作業を経て、両者の間の「最大公約数=共有可能な中庸領域」を見定め、「安全保障を損なわない核軍縮」に向けた最適解と重点政策群を提示する。これを主たる目的に研究を続けてきた。
 最適解模索のプロセスで必要なのは、様々な分析・論評を踏まえた核兵器や核抑止に対する「総合的な評価」である。研究チームはここ1年余り、「総合的な評価」のための情報の収集と整理、多様な考え方に関するヒアリングや文献調査、それらに基づく包括的な意見交換に取り組んできた。
 ここでの成果を研究チームの外でも活かしてもらうのがいいのではないか。そんな思いから、核兵器や核抑止などに関わる主要な論点を整理して、レクナ・ポリシーペーパーとして刊行することにした。研究プロジェクト全体では多岐にわたる論点を国際政治・安全保障・核軍縮、核不拡散、国際法の3分野に分けて考察してきたが、ここではまず、核兵器と国際政治・安全保障・核軍縮の分野における主な論点を著すことにする。
 核兵器の問題に関心のある大学生、大学院生、市民の皆さんの目に触れて、何がしかご参考になればと願っている。

[全文閲覧] 

★ 既刊のレクナポリシーペーパーは こちら

 

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2023年3月31日

RECNAニューズレター Vol.11 No.2 (2023年3月31日発行)

Newsletter_J-11-2   RECNAと核兵器廃絶長崎連絡協議会の10年
- 調  漸

RECNA/PCU-NC 設立10周年記念事業
- 鈴木 達治郎

「北東アジアにおける核使用リスクの削減」(NU-NEA)プロジェクト
- 西田 充

ナガサキ・ユース代表団 11期生 活動開始
- ナガサキ・ユース代表団

全文閲覧]※引用元URI:http://hdl.handle.net/10069/00042199

 

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