この特別論文は、「「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト– 二度と核兵器が使われないために –」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。
北東アジアにおけるミサイル防衛の役割
David Wright
(要旨)
本論文は、戦争時に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮:DPRK)が攻撃用に使用するミサイルの型式を特定し、米国や同盟国の首脳陣や軍事司令官が、それらに対抗するミサイル防衛の効果を評価する際に検討しておかなければいけない不確実性について論じたものである。重要な結論は、ミサイル防衛はたしかにミサイル攻撃を一部は無効にすることができるが、ミサイル防衛の存在があっても北朝鮮はそれを上回る攻撃を行う選択肢を持つことになるだろう。そして、北朝鮮はどの選択肢が有効かも知ることになるだろう。もし、米国お予備その同盟国が、ミサイル防衛が米国や同盟国の市民を守る手段として有効である前提で防衛策を検討しているのであれば、この北朝鮮の選択肢の存在は死活的に重要な課題である。
キーワード:ミサイル防衛、核兵器使用、朝鮮民主主義人民共和国、米国、北東アジア
著者紹介: デビット・ライト博士は米マサチューセッツ工科大学(MIT)「核セキュリティと政策のための核科学・工学研究所 」准研究員。1992年から2020年まで、「憂慮する科学者同盟(UCS)」のグローバル・セキュリティ・プログラムの研究員で、2002から20年までは同プログラムの共同ディレクターを務めた。それ以前には、MITの
軍備管理・安全保障研究プログラムやハーバード大学ケネディスクールの科学と国際関係研究センター、および全米科学者同盟(FAS)の研究員も務めた。1983年にコーネル大学から物理学博士号取得。88年までコーネル大学で物理学研究員として勤務していた。
本論文の作成にあたっては、プリンストン大学科学とグローバル安全保障プログラムの助成金により一部支援をうけた。
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