2023年5月31日
REC-PP-18
核兵器問題の主な論点整理:国際人道法編(2023年5月)
河合 公明, 真山 全
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法の存在価値を語る時、欠かせないキーワードが「法の支配」と言えるだろう。もともとは、国内の「公正で公平な社会」にとって「不可欠な基礎」として発展してきたもので、「全ての権力に対する法の優越を認める」という考え方である。この国内的価値が、パワーポリティクスが跋扈する国際社会にも次第に適用されるようになり、多くの課題を抱えながらも、「友好的で平等な国家間関係から成る国際秩序の基盤」となってきたと、2022年版『外交青書』は記した。
だが、ロシアによるウクライナ侵略が始まるなど、国際社会における「法の支配」をないがしろにする動きが相次ぎ、2023年版『外交青書』では強い懸念が示されている。たとえば、「国際社会においては、法の支配の下、力による支配を許さず、全ての国が国際法を誠実に遵守しなければならず、力又は威圧による一方的な現状変更の試みは決して認められてはならない」と強調している。
核軍縮・不拡散の分野でも「法の支配」よりも「力による支配」が広まる危険な風潮がある。今後、どのようにして「法の支配」を再構築・普遍化していくのか。この問いへの解を求める知的挑戦は、「核のない世界」を目指していくうえで、避けて通れないものである。ここで記す核兵器問題に関する国際人道法の主な論点が、核兵器問題の今後に関心を持つ大学生、大学院生、市民の皆さんの学びの一助になればと願っている。
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