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「被爆75年記念事業 ナガサキ・核とパンデミック・シナリオプロセス」のワーキングペーパー「膠着状態の核外交に代わる代替案―北東アジア非核兵器地帯への提案・道筋・展望」を発表
2020年10月22日

このワーキングペーパーは、「被爆75年記念事業 ナガサキ・核とパンデミック・シナリオプロセス」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。


膠着状態の核外交に代わる代替案―北東アジア非核兵器地帯への提案・道筋・展望
 
Michael Hamel-Green

(要旨)
 2018年―19年に希望をもたらした北朝鮮・米国・韓国の3か国外交は、当初の期待とは裏腹に、行き詰まりを迎えて膠着状態に陥っている。北東アジア全体に視野を広げると、核兵器搭載可能な兵器(陸上・海上発射ミサイル、ミサイル防衛システム、移動式非戦略核兵器等)が米中により地域内外に配備され、米中の核兵器をめぐる対立が増している。本論文は、そういった核の破壊的脅威が増加しつつある現状への代替案が存在することを提案するものだ。具体的には、北東アジア非核兵器地帯(NEA-NWFZ)への段階的設置とそれと並行して進める包括的な地域安全保障に関する合意である。包括的な地域安全保障合意には、朝鮮戦争の平和的終結、地域安全保障会議(フォーラム)の設置、北朝鮮への経済・エネルギー支援、そしてNWFZ地域の核保有国である米・中・ロシアからの法的拘束力を伴う非核保有国への安全保証の提供である。他の地域におけるNWFZの成功事例、北東アジアにおける過去のNWFZ提案についても論じる。そして、この地域におけるNWFZの特異事項、例えば北朝鮮が保有する核兵器解体過程の徹底した検証体制、朝鮮戦争の平和的終結、北朝鮮がNWFZに早期加入できるような柔軟な発効過程などが含まれる。この柔軟な発効過程は、北朝鮮がNWFZへの加入によって得られる安全保障上の利益を確認する時間的余裕を与える意味がある。また、非戦略核兵器の地域への配備を発効前に禁止する項目も重要となる。最近開催された北東アジア地域における専門家ワークショップの成果を踏まえつつ、本論文は、NEA-NWFZへの具体的道筋を提案し、その成功が世界の安全保障にとっても意味があることを示すものである。

キーワード: 非核兵器地帯、条約、同盟国、禁止、軍縮、軍備管理、北東アジア、北朝鮮、韓国、中国、ロシア、米国、外交

著者紹介: M. H. グリーン教授は、豪州メルボルンのビクトリア大学人文科学社会分析領域の名誉教授。同大学の人文科学・教育・人材育成学部の前学部長。国際安全保障、紛争解決、地域開発等の領域で研究・教育の従事してきた。「北東アジアの平和と安全保障に関するパネル」(PSNA)の共同議長。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 


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