NPT Blog 2025
また、ナガサキ・ユース代表団第13期生も会議を傍聴し、現地での活動の様子などレポートしていきます。
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長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
2025年4月22日
フランシスコ教皇は、核兵器廃絶への努力における世界的な良心として記憶され続けるでしょう。教皇の言葉はまさに、世界中に響き渡っていました。
「原子力の戦争目的の使用は、倫理に反します。核兵器の保有は、それ自体が倫理に反しています」1
この言葉は、2019年11月の広島と長崎への歴史的訪問の際に教皇が語られたもので、核兵器廃絶を求める国際的な運動における重要な節目となりました。
長崎原爆の爆心地に立たれた教皇は、今もなお軍縮の取り組みに響き続けるメッセージを発信されました。
「国際的な平和と安定は、相互破壊への不安や壊滅の脅威を土台とした、どんな企てとも相いれないものです」2
教皇は、恐怖と不信に依拠した核抑止による誤った安全保障を強く戒め、それが人々と国家間の真の対話を妨げると警告されました。教皇が呼びかけた「連帯と協力に基づくグローバルな倫理」は、信頼と対話、そしてお互いの尊重があってこそ平和は築かれるというRECNAの理念と響き合うものです。
教皇はまた、大量破壊兵器への莫大な資金の浪費を「神に歯向かうテロ行為」3と非難されました。彼の指導のもと、バチカン市国は核兵器禁止条約(TPNW)に署名・批准した最初の国の一つとなり、核廃絶に向けた人道的な取り組みに強力な道徳的正当性と国際的な注目を与えました。
長崎への教皇のご訪問は、被爆者ならびに核戦争の脅威なき未来を目指すすべての人々に希望をもたらしました。「平和の担い手」になるようにとの教皇の呼びかけを、RECNAも重く受け止め、今後も大切に引き継いで参ります。
教皇への追想を通じて、私たちの平和への決意がさらに強まり、核兵器の完全廃絶に向けた世界的な取り組みが新たな息吹を得ることを願ってやみません。
1 教皇の日本司牧訪問 教皇のスピーチ「平和のための集い」広島平和記念公園、2019年11月24日、https://www.cbcj.catholic.jp/2019/11/24/19823/
2 教皇の日本司牧訪問 教皇のスピーチ「核兵器についてのメッセージ」長崎・爆心地公園、2019年11月24日、https://www.cbcj.catholic.jp/2019/11/24/19818/.
3 同上
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)は、被爆80年における取り組みのキーワードとして対話を選び、ウェブサイト「対話プロジェクト」を開設いたしました。
≫ 対話プロジェクト ウェブサイト:https://recna-taiwa.com/
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RECNA研究会報告「人間的価値と核廃絶」 - 樋川 和子 RECNA図書「核なき時代をデザインする」の出版 グローバルリスク研究センター キックオフシンポジウム SIPRI、UNIDIRとの連携強化;学術交流協定(覚書)に署名 2024年度核兵器廃絶市民講座 ナガサキ・ユース代表団 13期生 活動開始:13期生の声を交えて [全文閲覧] |
核廃絶への政治的アプローチを再考する(Rethinking a Political Approach to Nuclear Abolition)
George Perkovich, 吉田 文彦, 西田 充
米国ワシントンDCにあるカーネギー国際平和財団(CEIP)は、核軍縮・不拡散研究では世界屈指のシンクタンクです。 RECNAはこのCEIPと2年近くにわたって共同研究を進めてきました。その成果として、デジタル書籍「核廃絶への政治的アプローチを再考する」(英文タイトル: Rethinking a Political Approach to Nuclear Abolition)を出版いたしました。無料でご覧いただけます。
Rethinking a Political Approach to Nuclear Abolition【PDF】(言語:英語)