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2021年3月9日


南北朝鮮間の「ホットライン」:限界と将来への課題

2021年3月6日改訂

Seung-chan Boo
Chung-in Moon

(要旨)
朝鮮戦争は、70年以上も継続している世界でも最も長期化している戦争の一つだ。高い緊張状態にあっても、南北朝鮮間には長い間コミュニケーションの窓口がなかった。1971年9月22日、板門店にようやく最初の南北間ホットラインが設置されたのが最初であった。朝鮮解放後の1945年8月26日、旧ソ連によりソウル市と海州(ヘジュ)市との電話回線が切断されて以来のことであった。1971年に始まって、南北朝鮮間では50もの連絡網が設置された。その中には、南北朝鮮のリーダー間のホットライン、軍部や諜報部門間のホットラインも含まれていた。しかし、北朝鮮が国連司令軍とのホットライン以外の回線をすべて突然遮断してしまったため、韓国との直接の連絡が取れない状況となっている。それにもかかわらず、ホットラインの存在は、南北朝鮮間の連絡を改善し、信頼を醸成する手段として有用な手段として機能してきた。政府高官を含む南北間の対話、交流、協力を促進し、人道的支援も促進してきた。また、良いタイミングでの連絡を通じて、偶発的な軍事衝突を防いだりする際にも効果的な手段として機能してきた。本論文は、南北間のホットラインについて、その歴史を振り返るとともに、現状の限界点と今後の課題について分析したものである。

キーワード: 朝鮮戦争、信頼醸成措置、南北朝鮮間ホットライン、Cata-link

著者紹介Seung-Chan Boo氏は、現在韓国国防省広報官であるが、本ペーパーについては、延世大学北朝鮮研究所の研究員として、国防省に赴任する前にMoon教授と共同で執筆したものである。Chung-in Moon教授は延世大学政治学科名誉教授。現在、韓国文大統領外交・国家安全保障特別顧問を兼務。アジア太平洋核不拡散・軍縮リーダーズネットワーク(APLN)共同議長。

なお、本ペーパーは、2020年8月にノーチラス研究所及び安全保障と技術研究所(IST)が共催したワークショップのために用意された論文をノーチラス研究所の了解を得て転載したものである。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 

Category お知らせ
2021年3月3日

It is published simultaneously by RECNA-Nagasaki University, Asia Pacific Leadership Network for Nuclear Non-proliferation and Disarmament (APLN), and Nautilus Institute and is published under a 4.0 International Creative Commons License the terms of which are found here.


The DPRK’s Covid-19 Outbreak and its Response
SHIN, Young-jeon
 
A Working Paper presented to
The 75th Anniversary Nagasaki Nuclear-Pandemic Nexus Scenario Project
 

About the Author

 
Shin, Young-jeon, is a professor at the Department of Preventive Medicine at Hanyang University School of Medicine, Seoul Korea. He is the Chief Editor of Health and Social Welfare Review and a Board Member of the Academy of Critical Health Policy and the Korean Association of Preventive Medicine.
 

Abstract

 
On January 25, 2020, the DPRK shut down its border, switched to a state-run emergency quarantine system, organized a pan-ministerial organization, the Central People’s Committee for Health (CPCH), and established emergency command centers for epidemic response (ECCER) in provincial, county, and Ri-levels. Until now, it has continued to take the strongest Covid-19 quarantine measures in the world, including restricting cross border and regional movement.

The DPRK responded swiftly and strongly to past major outbreaks such as SARS (2002-2003), measles (2006-2007), swine flu (2009-2010), Ebola (2013-14), and MERS (2015), as well as the periodic outbreak of typhoid fever, cholera, etc. In response to the coronavirus outbreak, the DPRK drew on its experience to implement aggressive measures such as border blocking, strengthening disinfection, and quarantine, as in response to past large-scale epidemic threats.
 

Keywords
Covid-19 response, DPRK, South Korea, China, Inter-Korean relations, quarantine, case-surveillance, food security
 

Full text (PDF) is here.
 

Category PSNA News

このワーキングペーパーは、「被爆75年記念事業 ナガサキ・核とパンデミック・シナリオプロセス」のために執筆されたもので、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。


新型コロナ感染症(COVID-19)への北朝鮮の対応
 
SHIN, Young-jeon

(要旨)
2020年1月25日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は国境を閉鎖し、国家緊急隔離状態に入った。国家中央人民健康委員会(CPCH)が指揮をとり、感染症対策緊急指令センター(ECCER)を郡、州、地方市町村(里)にまで設置した。それ以降、現在に至るまで、世界でも最も厳しい隔離政策をとってきており、国境や地域を超えた移動は厳しく制限されている。

北朝鮮はSARS(2002-2003)、麻疹(2006-2007)、豚インフルエンザ(2009-2010), エボラ出血熱(2013-2014)、そして中東呼吸器症候群(MERS)(2015)と、次々と襲ってくる感染症や腸チフス、コレラなどの疫病に対して、迅速かつ強力な対策を講じてきた。COVID-19への対応としては、過去の経験に基づき、国境閉鎖、消毒、隔離といった対策をとってきた。過去の大規模な伝染病対策と同様の対応であった。

キーワード: COVID-19対応、北朝鮮、韓国、中国、南北朝鮮関係、隔離、感染事例追跡、食料安全保障

著者紹介: SHIN, Young-jeon. 医学博士。漢陽(Hanyang)大学医学部予防医学科教授。「Health and Social Welfare Review」編集長、重要健康政策学会理事、韓国予防学会理事。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 

Category お知らせ
2021年1月22日

核兵器禁止条約が発効したことを受けて、長崎大学核兵器廃絶研究センターは、見解文「核兵器禁止条約の発効を受けて」を発表しました。

本文は こちら です。是非ご覧ください。

>>【レクナの目】記事一覧

 

Category お知らせ
2021年1月21日

REC-PP-12

核兵器禁止条約発効:新たな核軍縮を目指して(2021年1月)

吉田 文彦 , 中村 桂子 , 広瀬 訓 , 西田 充 , 黒澤 満 , 鈴木 達治郎

 それはあまりに素晴らしい輝きで、まぶし過ぎたのだそうだ。
 レイキャビクでの首脳会談(1986 年)で、レーガン米国大統領とゴルバチョフ・ソ連共
産党書記長が核廃絶合意寸前まで折り合った。事前の予想をはるかにこえた、かつて例をみ
ないほどの交渉の進展だった。だが、米国側の大がかりなミサイル防衛研究開発計画をめぐ
る溝を埋めきれず、最終合意は幻に終わった。
 レイキャビクに同行したソ連中枢に近い人物は後日、その時の二人の首脳の心境をこう
解説していた。両首脳は、突如、地平線の向こうで、太陽が光(核廃絶の合意)を放つのを
見た。無論、二人ともその光を目指していたわけだが、予想外に急に、しかもあまりにまば
ゆい輝きだったので、そこですぐに光をつかみとる準備ができていなかった――。
 あの時、地平線の向こうに姿を消した光が、また輝きを取り戻そうとしている。核兵器禁
止条約(TPNW)が発効し、私たちは核兵器を違法化する多国間条約のある時代を迎える。
核保有国や核の傘国はこの条約に背を向けたままであり、当面は、「核抑止に依存しない非
核国」が参加する条約にとどまる。だが、作家の佐藤優さんはこう強調している。
 「シニシズム(冷笑主義)に陥ってはいけない。それこそ、冷戦時代に米ソが中距離核戦
力(INF)全廃条約を結んだ時も、できるはずないとみんな言っていたわけですから。ある
タイミングで、すっとできる時がある。歴史の一種の巡り合わせがあるんです」
 今度は光を引き寄せ、タイミングを見逃さずに、しっかりと私たちのものにしなくてはい
けない。TPNW 発効はそこに向けた新たな出発点である。
 そんな歴史的な変曲点に立つ今、TPNW について考えるべきことを、このポリシーペー
パーでまとめることにした。目次(次頁)にあるように、6 本の論考で構成されている。
TPNW を通じて、核廃絶へと近づいていくには何が必要なのか。何を活かしていけばいい
のか。思考や議論を重ねて、解や一致点を模索していく挑戦の始まりである。

是非ご覧ください。

★ REC-PP-12 の全文は こちら
★ 既刊のレクナポリシーペーパーは こちら
 

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