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【特別論文No.15】「ウクライナ戦争が北東アジアにもたらす潜在的影響」(「北東アジアにおける核使用リスクの削減(NU-NEA)」プロジェクト)
2022年10月27日

この特別論文は、RECNA、ノーチラス研究所アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。

 

ウクライナ戦争が北東アジアにもたらす潜在的影響
 
Paul K. Davis


「北東アジアにおける核使用リスクの削減にむけて」(NU-NEA)プロジェクト
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
アジア太平洋核不拡散・軍縮リーダーシップネットワーク(APLN)
ノーチラス研究所
 
2022年10月27日

 

(本プロジェクトの1年目の報告書が発表されて間もない2022年2月24日、ロシアは「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナへの軍事侵攻を開始した。このウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、多くの国々の関係を変えてしまい、とくに「戦争」の概念も変えてしまった。NU-NEAプロジェクトでは、ウクライナ侵攻による国際情勢の変化が、核保有国や核兵器を獲得しようとする国、核抑止に依存する国々の核兵器に関する思考、特に配備や核使用に関する思考、を変えたのではないか、と考えた。そこで、北東アジア諸国の軍事戦略や安全保障政策の専門家に、それぞれの国の政策にウクライナ侵攻がどのような影響を与えたかについて、短い論考を執筆してもらうよう依頼した。これはその第三報である)

 

要  旨

本論文で、著者は「もし核兵器が先制使用されたら、良識ある人たちは『エスカレートして世界核戦争にまで拡大してしまうかも』と心配するだろう。しかし、「(世界核戦争は)どうしても避けられない」という認識はもはや当てはまらない。ただ、ウクライナ戦争により、北東アジアにおける核兵器使用の可能性はより「起こりうる」ものと考えるべき、と結論づけている。

キーワード: 米国、東アジア、ロシア、ウクライナ、核兵器使用、NATO、バイデン、プーチン

著者紹介
ポール・ディビス博士は、パーディー・ランド大学院「政策分析」教授で、ランド研究所の名誉客員上席研究員である。米ミシガン大学化学学科卒、マサチューセッツ工科大学化学物理博士号。米政府で戦略計画・軍備管理に従事する前は、戦略的警告技術とシステム分析に従事。政府では、プログラム分析・評価局にて、グローバル軍事戦略と関連防衛プログラム部門で上級指揮官として勤めた。その後、ランド研究所に入所し、高度不確実性の下での戦略計画、抑止論、モデリング、情報統合、因果分析の政策への応用、などの研究に従事した。多くの政府専門家パネルに参加し、学術誌の編集委員も務めた。2016年には、ソウルにて核危機戦争予知ゲームを開発・指導した。最近の著書には、「複雑系システムのための社会行動科学モデリング」(共編著、Wiley & Sons, 2019)がある。

この論文は本人の分析であり、ランド研究所の研究とは無関係である。

英語版のみとなりますが、全文(PDF)こちら からご覧いただけます。

 

◆本プロジェクトの概要は こちら

◆本プロジェクトの特別論文の一覧は こちら

 


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