この特別論文は、RECNA、ノーチラス研究所、アジア太平洋核不拡散・軍縮ネットワーク(APLN)のウエブサイトに同時に公開されます。国際著作権許可4.0 に基づいて公開されます。
ウクライナ戦争が韓国の安全保障に与える影響
CHEON Myeongguk
「北東アジアにおける核使用リスクの削減にむけて」(NU-NEA)プロジェクト
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
アジア太平洋核不拡散・軍縮リーダーシップネットワーク(APLN)
ノーチラス研究所
2022年12月5日
(本プロジェクトの1年目の報告書が発表されて間もない2022年2月24日、ロシアは「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナへの軍事侵攻を開始した。このウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、多くの国々の関係を変えてしまい、とくに「戦争」の概念も変えてしまった。NU-NEAプロジェクトでは、ウクライナ侵攻による国際情勢の変化が、核保有国や核兵器を獲得しようとする国、核抑止に依存する国々の核兵器に関する思考、特に配備や核使用に関する思考、を変えたのではないか、と考えた。そこで、北東アジア諸国の軍事戦略や安全保障政策の専門家に、それぞれの国の政策にウクライナ侵攻がどのような影響を与えたかについて短い論考を執筆してもらうよう依頼した。これはその第五報である)
要 旨
本論文で、著者はウクライナ戦争が韓国の核兵器に対する態度にどのような影響を与えるかについて探索した。その結論は、「北朝鮮の核の脅威に対抗するための抑止力として、独自の核武装という選択肢は最後の手段である」というものだ。独自核武装の選択肢は、ドナルド・トランプ大統領が再び当選し、朝鮮半島から米国軍を撤退させ、さらには北朝鮮の脅威に対する拡大核抑止(核の傘)さえも取り払ったときにのみ検討されるだろう。
キーワード:
韓国、ロシア、ウクライナ、北朝鮮、核兵器、北東アジア、抑止
著者紹介:
チョン・ミョングク(Cheon Myeongguk)博士は韓国国防分析研究所の客員研究員である。研究分野は、北朝鮮の大量破壊兵器(核、化学、生物)と弾道ミサイルである。さらに、抑止論、防衛、対応措置、危機管理、軍備管理なども研究対象である。
この論文は本人の分析であり、所属機関の研究とは無関係である。
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