国家核安全保障局、ネバダ国家安全保障施設にて未臨界実験「ポルックス」を実施
プレス・リリース
2012年12月6日
国家核安全保障局(NNSA)は本日、未臨界実験「ポルックス」(訳注:ギリシャ神話の双子の兄弟の弟の名前。双子座の1等星の名になっている)が昨日、ネバダ国家安全保障施設(NNSS)において成功裡に実施されたと発表した。
NNSS、ロスアラモス国立研究所、ならびにサンディア国立研究所のスタッフが行った本実験により、米国の保有核兵器の安全性と有効性の維持に必要不可欠な情報を提供する科学的データが集められた。
「未 臨界実験に挑むことで、我々は地下核実験を実施しなくとも、安全、安心で効果的な備蓄を確保する能力を維持できている」と、トーマス・ダゴスティーノ NNSA局長は語った。「実験を成功に導いたスタッフたちの努力を称賛する。こうした実験はオバマ大統領の掲げる核セキュリティという課題の履行を助ける ものである。」
ポルックスは27回目の未臨界実験であった。前回の未臨界実験「バローロB」は2011年2月2日に実施された。ポルックスにおいては、先日R&D100選に選ばれた優秀な新診断技術が適用された。
「我々 の科学者が今回現地使用した診断装置により、一回の実験としては過去のいずれの未臨界実験にも増して多くのデータを集めることができた」とドン・クック NNSA副長官(防衛計画担当)は述べた。「このような種類のデータは、我々のコンピューター・シミュレーションが挙動を正確に予測する際に不可欠であ り、国家の備蓄の安全性と信頼性に引き続き確信を持たせるものである」。
クリストファー・ディーニーNNSA副局長補(備蓄管理計画担当)は次のように述べた。「ポルックスは、国立研究所の備蓄任務にとって重要な諸コードを証明するのに大きな意味をもつ一連のデータを提供するものである」。
未 臨界実験とは、高性能爆薬による強い衝撃を受けたときのプルトニウムの挙動を調べるものである。未臨界実験は、備蓄核兵器の安全性と信頼性を維持するのに 役立つ不可欠な科学的データと技術的情報を生み出すものである。この実験は未臨界である。すなわち、臨界質量は形成されないし、自己持続的な核分裂連鎖反 応は起こりえない。したがって核爆発は起こらない。
(翻訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))