高濃縮ウランの保有量

（2015年末のデータ）

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国名	軍事用(トン)	非軍事用(トン)
ロシア	670.0	9.0
	1949年から生産を開始し、87年か88年には生産を停止した模様。89年に生産停止を公式発表。高濃縮ウランの全生産量は累積で1,130～1,370トンとみられる。その後2013年までに解体核兵器からの500トンの高濃縮ウランを低濃縮ウランに希釈（93年の米ロ合意に基づく）。さらに別のプログラムで16.8トンを希釈した。その結果、軍事用としては550トン～790トンを保有していると推定される。このうち20トン程度が原子力軍艦の原子炉燃料用である。少量だが，軍事用の研究炉燃料も。	砕氷艦の原子炉，53基の民生研究原子炉の燃料。 4基のプラントを所有。
米国	468.6	98.6
	核兵器用の製造は1964年に、原子力艦の核燃料の製造は1992年に終了。累積生産量（原子力艦へのリサイクル分を除く）は約850トン。これまでに147トンが希釈済み。 2014年末の保有量は核兵器用が253トン、原子力艦核燃料（使用済を含む）が264トン。公表値では2013年9月末の在庫量は585.6トンで内、41.6トンが希釈または廃棄予定で、44.6トンが使用済み燃料内にある（2016年3月31日）。	20トンは宇宙、研究用。62トンは兵器用として余剰と公表した分で今後，希釈される。 1基の大型プラントを所有。
フランス	26.0	4.653
	1996年に製造中止。過去の生産量等は未公表。トリチウム製造炉で5〜7トンを，核実験で2〜4トンを使用し，現在の保有量は20〜32トン。	公表値（2016年12月14日）。 1基の大型プラントを所有
中国	18.0	0.24
	2基の軍事用濃縮プラントを所有、1基は1980年、2基目は1987年に製造停止と見られる。累積生産量は16～24トンと推定。現在の保有量は14〜22トン。	少なくとも高速炉用燃料(濃縮度66.4%，240kg)をロシアから提供されているが公表していない。国産プラント1基、ロシアから輸入した遠心分離プラント2基を所有。
英国	19.8	1.398
	自国での累積生産量は9〜13トン、米国からの提供が14〜16トン、合計で2002年までに約25トンを取得した。95年に「すべての軍事用核物質の生産を停止」と発表。その後、原子力艦の核燃料に3.3トン，核実験に0.7トン，研究用に0.7トンが使用された。その後0.7トンが使用された。	公表値（2017年1月18日）。主に研究炉用。 1基の大型プラントを所有。
イスラエル	0.3	0.002
	数百キログラムの高濃縮ウランを秘密裏に米国原子力艦用燃料製造工場から入手したとの情報がある。	米国から34k gが提供され、これまでに約12 kgを返却した。
パキスタン	3.3	0.017
	1974年より生産開始。オランダのURENCO工場から技術を盗取した模様。中国から50 kgの高濃縮ウランを入手との情報あり。累積で3トン程度の生産があるとみられるが、詳細は不明。現在も生産中とみられる。現在の推定在庫量は2.9〜3.7トン。	米国からの提供。
インド	3.6	0.005
	現在も製造中で，保有量は30％濃縮としてウラン2.4〜4.8トン（90％濃縮ウラン0.8〜1.6トン相当）。	旧ソ連からの提供
北朝鮮	0.042
	旧ソ連からの提供されたもので軍事用とみなす。パキスタンから技術支援。2010年時点で2000台の遠心分離機を保有しているとの情報。詳細は不明。
非核保有国		15.0
		カザフスタン　　10.47~10.82 日本　　　　　　1.2~1.8 ドイツ　　　　　1.23 カナダ　　　　　1.035 オランダ　　　　0.73~0.81 ベルギー　　　　0.70~0.727 南アフリカ　　　0.70~0.75 イタリア　　　　0.10~0.119 ベラルーシ　　　0.08~0.28 イラン　　　　　0.008 ノルウェー　　　0.001~0.009 オーストラリア　0.002 ガーナ　　　　　0.001 ナイジェリア　　0.001 シリア　　　　　0.001
合計	1209.6	128.9

軍事用とは核兵器内にあるか、核兵器に使用する目的の高濃縮ウラン、または原子力推進軍艦の原子炉燃料用に用いられる高濃縮ウラン（使用済みを含む）をいう。
非軍事用とは、研究・試験炉の燃料中の高濃縮ウラン、及び軍事目的としては余剰と公表された高濃縮ウランをいう。

作成：RECNA核分裂性物質データ追跡チーム

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【参考文献】

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French Republic 2016: INFCIRC/549/Add.5/20 (14 December 2016), https://www.iaea.org/sites/default/files/publications/documents/infcircs/1998/infcirc549a5-20.pdf

Harold A. Feiveson, Alexander Glaser, Zia Mian, & Frank von Hippel: “Unmaking the Bomb,” MIT Press, 2014.

IPFM 2015: “Global Fissile Material Report 2015: Nuclear Weapon and Fissile Material Stockpiles and Production.” http://fissilematerials.org/library/gfmr15.pdf

IPFM 2016: “Materials: Highly-enriched uranium (1 April 2016).” http://fissilematerials.org/materials/heu.html

IPFM Blog 2016-1: “Indonesia is now free of HEU,” August 29, 2016. http://fissilematerials.org/blog/2016/08/indonesia_is_now_free_of_.html

IPFM Blog 2016-2: “All HEU fuel removed from Poland,” September 26, 2016. http://fissilematerials.org/blog/2016/09/all_heu_fuel_removed_from.html

NTI 2016: “Civilian HEU: Who Has What?”, https://www.nti.org/documents/603/heu_who_has_what.pdf

United Kingdom 2017: INFCIRC/549/Add.8/19 (18 January 2017), https://www.iaea.org/sites/default/files/publications/documents/infcircs/1998/infcirc549a8-19.pdf

United States of America 2016-1: FACT SHEET: United States Military Nuclear Material Security (31 March 2016), https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2016/03/31/fact-sheet-united-states-military-nuclear-material-security

United States of America 2016-2: FACT SHEET: Transparency in the U.S. Highly Enriched Uranium Inventory (31 March 2016), https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2016/03/31/fact-sheet-transparency-us-highly-enriched-uranium-inventory

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