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第70回国連総会
核兵器の禁止と廃絶に向けた人道性の誓約
2015年10月21日、A/C.1/70/L.38

アンティグア・バーブーダ、オーストリア、ベリーズ、ベニン、ブルンジ、カーボ・ベルデ、チャド、チリ、コロンビア、コートジボアール、エクアドル、ガーナ、グレナダ、グアテマラ、インドネシア、アイルランド、ジャマイカ、カザフスタン、ケニア、レソト、リベリア、リビア、リヒテンシュタイン、マダガスカル、マルタ、マーシャル諸島、メキシコ、モンゴル、ニカラグア、ナイジェリア、パナマ、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、サンマリノ、セネガル、南アフリカ、タイ、トリニダード・トバゴ、チュニジア、ウルグアイ、バヌアツ、ベトナム共同提出決議案

 総会は、

 核兵器爆発ならびに核実験の被害者が経験した受け入れがたい惨害を心に留め、それらの被害者の権利や要求への対応が未だ十分になされていないことを認識し、

 核兵器爆発がもたらす短・中・長期的結末が、従来の認識よりもはるかに甚大であること、また、国境での封じ込めが不可能であり、地域的、ひいては地球規模の影響をもたらし、人類の生存さえ脅かしうるものであることを理解し、

 体系的であり、おそらく不可逆的であるところの健康、環境、インフラ、食糧安全保障、気候、開発、社会の一体性、グローバル経済に対する核兵器爆発の結末は、複雑であり、相互に関連していることを認識し、

核兵器爆発の危険性が従来の想定よりもはるかに甚大であること、また、さらなる拡散、核兵器能力に対する技術的しきいの低下、核保有国における保有核兵器の近代化の現状、保有国の核ドクトリンにおける核兵器への役割付与にともない、そうした危険性が増大していることを認識し、

 受け入れがたい結末をともなう核兵器使用の危険性は、すべての核兵器の廃絶によってのみ回避できるという事実を理解し、

 核兵器爆発の結末及び核兵器関連の危険性は人類すべての安全保障にとっての懸案であり、すべての国家が核兵器の使用を防止する責務を共有していることを強調し、

 核兵器爆発のもたらす結末やその危険性は、核兵器の合法性をめぐる議論を超えて、重大な道義的、倫理的問題を呈していることを強調し、

 人口密集地域における核兵器爆発がもたらす人的被害及び人道上の惨禍に十分な対処ができる国内・国際的な対応能力は存在せず、そのような能力は今後も存在し得ないであろうことに留意し、

 核兵器が、いかなる状況下においても、二度と使用されないことが人類の生存にとっての利益であることを強調し、

 「核兵器のない世界」という共通目標の前進に向け、国際組織、関連国連機関、赤十字・赤新月運動、議員や自治体首長、アカデミア、市民社会が担う重要な役割についてあらためて強調し、

 核兵器の人道上の影響に関し、2013年3月にノルウェー、2014年2月にメキシコ、2014年12月にオーストリアでそれぞれ開催された3回の国際会議とそれらの会議で提示された説得力のある証拠を想起し、

 核兵器の人道上の影響に関する証拠から、120か国が不可避の結論を導き、その結果として「人道性の誓約」※に支持ないし賛同を示したことを歓迎し、

 1.核兵器の人道上の影響に関する事実情報を基にした議論、討議結果、説得力のある証拠は、核軍縮をめぐるあらゆる議論、義務や誓約の履行の中心に据えられるべきものであり、これらがすべての関連する議論の場や国連の枠組みの中で提示されることの重要性を強調する。

 2.すべてにとっての人間の安全保障という要請にしたがい、核兵器がもたらす危険性から民間人を保護することを推進するようすべての加盟国に要請する。

 3.すべてのNPT※加盟国に対し、第6条に基づく既存の義務を早期かつ完全に履行するとの自国の誓約を一新するよう要請する。また、すべての加盟国に対し、核兵器の禁止及び廃棄に向けた法的なギャップを埋めるための効果的な諸措置を特定し、追求するとともに、こうした目標の実現に向けて、あらゆる関係者と協力してゆくよう求める。

 4.すべての核兵器保有国に対し、保有核兵器の全面的廃絶が達成されるまでの間、核兵器の運用態勢の緩和、配備から非配備への移行、軍事ドクトリンにおける核兵器の役割低減、すべての種類の核兵器の早急な削減を含む、核兵器爆発の危険性を低下させる具体的な中間措置を講じるよう求める。

 5.すべての関係者、各国政府、国際機関、国際赤十字・赤新月運動、議員、市民社会に対し、受け入れがたい人道上の影響及び関連した危険性の観点から、核兵器を忌むべきものとし、禁止し、廃絶する努力において協力を行うことを求める。

 6.第71会期の暫定議題として、「全面完全軍縮」項目の下に「核兵器の禁止と廃絶に向けた人道性の誓約」という副項目を含めることを決定する。

 ※印には参照すべき文書の名称等が記載されているが省略した 。

(暫定訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))

 

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