第70回国連総会
核兵器の人道上の結末
2015年10月21日、A/C.1/70/L.37
アンティグア・バーブーダ、オーストリア、アゼルバイジャン、ベリーズ、ベニン、ブルンジ、カーボ・ベルデ、チャド、チリ、コロンビア、コスタリカ、コートジボワール、エクアドル、エジプト、ガーナ、グレナダ、グアテマラ、インドネシア、アイルランド、ジャマイカ、カザフスタン、ケニア、キルギスタン、レソト、リベリア、リビア、リヒテンシュタイン、マダガスカル、マレーシア、マルタ、マーシャル諸島、メキシコ、モンゴル、モンテネグロ、ニュージーランド、ニカラグア、ナイジェリア、パナマ、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、カタール、サンマリノ、セネガル、セルビア、南アフリカ、スウェーデン、スイス、タイ、トリニダード・トバゴ、チュニジア、アラブ首長国連邦、ウルグアイ、バヌアツ、ベトナム共同提案決議案
総会は、
核兵器のもたらす壊滅的な結末に対する深い懸念をあらためて強調し、
過去における実際の使用ならびに実験が示してきたように、核兵器の持つ甚大かつ制御不能な破壊力、そしてその無差別性が受け入れがたい人道上の結末をもたらすことを強調し、
核兵器の人道上の結末に関する懸念は、1946年1月24日の国連総会第一号決議を含め、数多くの国連決議に反映されていることを想起し、
1978年の第一回国連軍縮特別総会(SSOD-1)が「核兵器は人類ならびに文明の生存に対する最大の脅威である」と強調したことも想起し※、
核兵器の壊滅的な結末を取り上げる上で、赤十字国際委員会や国際人道機関とならんで国際社会の新しい関心や決意を歓迎し、
2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議が「核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道上の結末をもたらすことに深い懸念」を表明したことを想起し※、
「核兵器廃絶に向けての歩み」と題された2011年11月26日の国際赤十字及び赤新月社運動代表者会議決議※に留意し、
国連総会および2010年から2015年にかけてのNPTの再検討の間に発せられた核兵器の人道上の結末に関する一連の共同声明を歓迎し、
2013年3月のノルウェー、2014年2月のメキシコ、2014年12月のオーストリアでそれぞれ開催された「核兵器の人道上の影響に関する会議」が核兵器爆発の影響に関する事実情報に基づいた議論を行ったことを歓迎し、
いかなる国家あるいは国際機関であっても、核兵器爆発がもたらす短期的な人道上の危機に対処しえず、被害を受けた人々に十分な支援を提供できないという専門家及び国際機関が発した主たるメッセージを認識し、
核兵器の人道上の結末に関する理解をいっそう拡大し深化させるために、こうした議論に関与することはすべての国にとって利益となるものであると確信し、市民社会の継続的な関与を歓迎し、
核兵器の受け入れがたい人道上の結末に関する意識啓発において各国政府と協働する市民社会の役割を再確認し、
核兵器による壊滅的な結末は、政府のみならず、この相互につながった世界において一人一人、すべての市民に影響を与えるものであり、人類の生存、私たちの環境、社会経済的な発展、経済、将来の世代の健康をも左右しうる問題であることを強調し、
Ⅰ.核兵器がふたたび、いかなる状況においても、使用されないことが人類の生存にとっての利益であることを強調する。
2.核兵器が二度と使用されないことを保証する唯一の方法はその全面的廃絶を通じたものでしかありえないことを強調する。
3.核兵器爆発の壊滅的な影響は、それが偶発的であれ、計算違いあるいは計画的なものであれ、十分な対応を行うことは不可能であることを強調する。
4.加盟国共通の責務として、核兵器の使用を防止し、その垂直、水平拡散を防止し、核軍縮を達成することをすべての加盟国に求める。
5.大量破壊兵器の脅威の完全な根絶のためにあらゆる努力を払うことを加盟国に求める。
6、第71会期の暫定議題として、「全面完全軍縮」項目の下に「核兵器の人道上の結末」という副項目を含めることを決定する。
※印には参照すべき文書の名称等が記載されているが省略した。
(暫定訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))