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第69回国連総会・日本提出決議
核兵器の全面的廃絶に向けた共同行動
2014年10月16日、A/C.1/69/L.36
<暫定訳>

アフガニスタン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ベニン、ブルガリア、ブルキナファソ、カナダ、コスタリカ、コートジボワール、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エルサルバドル、エストニア、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イラク、イタリア、日本、カザフスタン、ラトビア、レソト、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ナイジェリア、ノルウェー、パプアニューギニア、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、韓国、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、トルコ、英国、米国共同提出決議

総会は、

すべての加盟国が、核兵器のない平和で安全な世界の達成をめざして、核兵器の全面的廃絶に向けたさらなる実際的かつ効果的な措置をとることの必要性を想起し、また、これに関した団結した行動をとるとの加盟国の決意を確認し、

軍縮の過程における各加盟国の努力の究極の目標が、厳格かつ効果的な国際管理の下に置かれた全面完全軍縮であることに留意し、

2013年12月5日の決議68/51を想起し、

核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道上の結末をもたらすことに深い懸念を表明し、すべての加盟国が、いかなる時も、国際人道法を含む、適用可能な国際法を遵守する必要性を再確認するとともに、核戦争を回避するためにあらゆる努力がなされるべきであることを確信し、

核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道上の結末への理解が十分になされるべきであり、関連してそうした理解を増幅するための努力がなされるべきであることに留意し、

国際の平和と安全の増進と核軍縮の促進は相互に強めあうものであることを再確認し、

核軍縮におけるさらなる前進が核不拡散のための国際体制の強化に貢献し、そのことがとりわけ国際の平和と安全において不可欠であること再確認し、

国際的な核不拡散体制における礎石として、また、核軍縮、核不拡散、核エネルギーの平和利用という同条約の三本柱を追求するための不可欠な基礎として、核不拡散条約(NPT)※が決定的に重要であることを再確認し、

1995年のNPT再検討・延長会議※における決定及び決議、ならびに2000年※と2010年※のNPT再検討会議における最終文書の重要性を強調し、

2010年の5月3日から28日にかけて開催されたNPT再検討会議の成果を歓迎し、同会議において採択された行動計画※の完全履行の必要性を再確認し、

2015年NPT再検討会議に向けた第3回準備委員会における討議及び成果、そして2015年が日本の広島と長崎の原爆投下の70周年にあたることに留意し、再検討会議が成功裏に結果を生み出すことの重要性に留意し、

事務総長の招集によって2010年9月24日に開催された、ジュネーブ軍縮会議の作業の再活性化と多国間軍縮交渉の前進に関するハイレベル会合と、2011年7月27日~29日に開催されたハイレベル会合のフォローアップに関する国連総会本会議にも留意し、

戦略攻撃兵器のさらなる削減及び制限のための措置に関するアメリカ合衆国とロシア連邦との間の条約が2011年2月5日に発効し、同条約が引き続き上首尾に履行されていることを歓迎し、

また、フランス、英国、米国が核弾頭の全備蓄数に関する情報を公開し、最近においても更新したこと、ならびにロシアが保有核兵器に関する情報を更新したことについて、さらなる透明性向上と相互信頼の向上に資するものであるとして歓迎し、

拡散ネットワークによるものを含め、大量破壊兵器、とりわけ核兵器の拡散による危険が増大していることに深い懸念を表明し、

各国共通の目標である核軍縮、核不拡散、核エネルギーの平和利用とならんで核保安の目標の重要性を認識するとともに、核保安サミットが直近では2014年3月24、25日にハーグで開催されたことを歓迎し、2016年に米国で開催される核保安サミットにも期待し、

朝鮮民主主義人民共和国が実施した核実験、弾道ミサイル技術を用いての発射行為、ならびに同国が継続している核及び弾道ミサイル開発計画を最も強い言葉をもって非難するとともに、2005年の6か国協議共同声明を履行し、2006年10月14日の国連安保理決議1718、2009年6月12日の同決議1874、2013年1月22日の同決議2087、2013年3月7日の同決議2094を完全に遵守することの重要性を認識し、とりわけこれらの決議が同国に対しすべての核兵器及び既存の核計画を放棄し、あらゆる関連活動を即時中止し、いかなる核実験の実施をも今後行わないことを要求していることに留意し、この観点から同国のウラン濃縮及びプルトニウム生産計画、ならびに軽水炉建設、さらには5メガワット黒鉛減速炉及び濃縮関連活動を含む寧辺の核施設の再調整及び再稼働に向けた動きに懸念を表明し、同国が NPTの下での核兵器国の地位を持ち得ず、いかなる状況においても核兵器の保有を認められないことを強調し、

1.すべてのNPT加盟国が条約の全条項に基づく義務を遵守することの重要性を再確認する。

2.効果的な条約再検討プロセスの重要性を強調する。また、すべてのNPT加盟国が力をあわせることにより、2015年再検討会議において条約体制を首尾よく強化し、条約の3本柱のすべてにわたり、2010年再検討会議で合意された行動計画を前進させるよう求める。

3.NPTの普遍化が死活的に重要であることを再確認する。また、すべてのNPT未加盟国に対し、即時かつ無条件に非核兵器国として加盟するとともに、同条約に加盟するまでの間、同条約のすべての条項を遵守し、同条約を支持する実際的な措置をとるよう求める。

4. すべてのNPT加盟国が同条約第6条の下で誓約している核軍縮につながるよう、自国の保有核兵器の完全廃棄を達成するという核兵器国による明確な約束を再確認する。

5.核兵器国に対して、一方的、二国間、地域的あるいは多国的措置を通じて、配備・非配備を問わず、あらゆる種類の保有核兵器の削減し、究極的に廃棄していくために、さらなる努力を講じるよう求める。

6.核軍縮及び不拡散のプロセスにおいて、不可逆性、検証可能性、透明性の原則を適用することの重要性を強調する。

7.核軍縮ならびに核兵器のない世界の平和と安全の達成には、公開性と協力が必要であることを認識し、透明性の向上と効果的な検証を通じた信頼の増進が重要であることを強調する。また、2000年再検討会議の最終文書に明記された、核軍縮につながる措置に関する具体的な前進を、国際の安定、平和、そしてすべてにとって強化され、減じない安全を促進する形で加速させるということを、2010年NPT再検討会議において核兵器国が誓約したことの重要性を強調する。

8.5核兵器国が、直近では2014年4月に北京で、次回は2015年初頭にロンドンで、透明性及び信頼醸成措置としての定期会合を開催したこと、ならびに、核兵器国及びその他のNPT加盟国が2015年再検討会議に向けた第3回準備委員会において報告書を提出したことを歓迎する。また、核兵器国及びその他のすべてのNPT加盟国が、2010年再検討会議で採択された行動計画の履行に関する報告を継続し、いっそう強化することを求める。

9.また、ロシアと米国が、戦略攻撃兵器のさらなる削減及び制限のための措置に関する条約の履行に取り組んでいることを歓迎するとともに、両国に対し、保有核兵器のさらなる削減の実現に向けた後継措置の議論を引き続き行っていくことを奨励する。

10.包括的核実験禁止条約※を未だ署名、批准していないすべての加盟国に対し、同条約の早期発効と普遍化に向けて、可能な限り早期に同条約を署名、批准するよう要請し、同条約発効までの間、核兵器の爆発実験もしくは他のすべての核爆発に関する現行のモラトリアムを継続することの重要性を強調し、同条約遵守を保証するために重要な貢献をなすとみなされる検証体制の開発を継続することの重要性を再確認する。

11.ジュネーブ軍縮会議において、核兵器あるいは他の爆発装置用の核分裂性物質の生産禁止条約に関する交渉を速やかに開始し、1995年3月24日のCD/1299文書及びそこに含まれる任務に基づき早期に締結するよう繰り返し要求する。また、そうした交渉が未だ開始されていないことを遺憾とし、すべての核兵器国及びNPT非加盟国に対して、同条約発効までの間、あらゆる核兵器もしくは核爆発装置のための核分裂性物質の生産に関するモラトリアムを宣言し維持するよう求める。

12.いくつかの核兵器国が既に実施している関連措置を歓迎するとともに、核兵器国に対し、国際の安定と安全を促進するような形で、核兵器の偶発的あるいは無許可の発射の危険性をいっそう低下させるための措置を講じるよう求める。

13.あらゆる軍事や安全保障上の概念、ドクトリン、政策における核兵器の役割及び重要性をいっそう低下させるために、核兵器国が即時に取り組むことを求める。

14.核兵器国から非核兵器国が明確かつ法的拘束力のある安全の保証を受けることは核不拡散体制の強化につながるものであり、そのことに対する非核兵器国の正統な関心を認識する。

15.各核兵器国が一方的に行った宣言に留意した1995年4月11日の安保理決議984を想起し、すべての核兵器国が安全の保証に関する既存の誓約を全面的に尊重することを求める。

16.地域の関係諸国の自由意志で合意された取り決めに基づき、また国連軍縮委員会の1999年指針※に従い、適切な地域にさらなる非核兵器地帯を設立することを奨励するとともに、核兵器国が、消極的安全保証を盛り込んだ関連議定書に署名、批准することによって、そのような地帯の地位に関して、また、当該条約の加盟国に対して核兵器の使用あるいは使用の威嚇を行わないという、法的拘束力のある個別の誓約を行うことができると認識する。また、これに関連して、2014年5月6日に5核兵器国が中央アジア非核兵器地帯条約の議定書に署名したことを歓迎する。

17.中東非核・非大量破壊兵器地帯の設立に対する支持を再確認し、すべての中東国家の参加の下、地域の関係諸国の自由意思で合意された取り決めに基づく同地帯を設立するためのヘルシンキ会議ができるだけ早期に首尾よく開催させることを求める。

18.朝鮮民主主義人民共和国に対し、今後いかなる核実験も行わないよう、また、2005年9月19日の6か国協議共同声明における同国の誓約、ならびに関連する安保理決議に基づく諸義務を完全に遵守するよう要請する。

19.すべての加盟国が、核兵器とそれらの運搬手段の拡散を防止する努力を倍加させるとともに、核兵器を否定することを誓った諸義務を全面的に尊重し、遵守することを求める。

20.国際原子力機関(IAEA)の包括的保障措置協定を未だ締結、履行していない加盟国による締結、履行を含む、同協定の普遍化の重要性を強調するとともに、 1997年5月15日にIAEA理事会が承認した、保障措置の適用のための加盟国・IAEA間の同協定のモデル追加議定書を未だ締結、発効していないすべての加盟国に対し、可能な限り早期に締結、発効するよう奨励した2010年再検討会議の後継行動を強く再確認する。

21.すべての国家が、2004年4月28日の決議1540(2004)を含む関連安保理決議を完全に履行することを求める。

22.核テロリズムの防止を筆頭に、脆弱な核物質や放射性物質の保安を確実にするためのあらゆる努力を奨励する。また、すべての加盟国が、必要性に応じて、能力育成分野を含めた支援の要請及び提供を行いつつ、国際社会として核保安の前進のために協働することを求める。

23.すべての加盟国が、軍縮・不拡散教育に関する国連事務総長による報告※に述べられた諸勧告を履行することによって、核兵器のない世界の実現を支え、各国が着手しているこの目的における努力に関する情報の自発的な交換を行うことを奨励する。

24.核軍縮と不拡散の促進において市民社会が果たす建設的役割を称賛し、またいっそう奨励し、全加盟国が市民社会と協力して軍縮・不拡散教育を促進することを奨励する。これらは、とりわけ、核兵器使用の悲劇的結末に対する一般市民の意識を喚起し、核軍縮・不拡散促進のための国際的努力の気運を高めることに貢献する。

25.第70回国連総会において、「全面完全軍縮」と題された項目の下の暫定議題に、「核兵器の全面的廃絶に向けた共同行動」と題された副項目を含めることを決定する。

※印には参照すべき文書の名称等が記載されているが省略した。
(暫定訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))

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