天野万利軍縮大使の演説
クラスターI 核軍縮
2013年4月25日
<抜粋・暫定訳>
(前略)
日本は共同声明の内容について、慎重かつ真摯に検討を行いました。
原子爆弾の惨禍を知る唯一の国として、日本は核兵器使用がもたらす人道的影響についての懸念を共有しています。核兵器使用がもたらす短期的被害、さらには耐え難い社会経済的、世代を超えた損失について、共同声明が言及しておりました諸点を含めまして、日本は核兵器の人道的影響に関する基本的な訴えに賛同いたします。
しかし他方、日本をとりまく安全保障環境を念頭に置きながら、私たちは声明の性格とそれとの整合性を慎重かつ真摯に検討し、声明の修正をめぐって協議を行いました。残念ながら、相互に納得できる結果は生み出せず、日本は声明への賛同を見送ることといたしました。しかし、日本は将来、同じテーマの声明に対し賛同する可能性を真剣に検討したいと考えております。
日本は、他のいかなる国よりも、核兵器使用の非人道的結果を理解しております。私たちは今後も、世界に対し、また、将来の世代に対し、核兵器使用のもたらす惨禍の実相を伝えていくという重大な責務を果たしてゆく所存です。
(暫定訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))