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「2010年中国の国防」(抜粋訳)

国務院新聞弁公室、2011年3月31日

X. 軍備管理及び軍縮
(略)

核軍縮

中国は常に核兵器の完全な禁止と徹底的な破壊を支持してきた。中国は、もっとも大きな核軍備を保有している国々が核軍縮への特別かつ第一義的な責任を有しているとの立場を維持し続ける。彼らは、核兵器の完全な廃絶に必要な条件を創り出すために、検証可能で不可逆的かつ法的拘束力のある方法によって、その核軍備をさらに大幅に削減すべきである。条件が整えば、他の核兵器国も核軍縮に関する多国間交渉に加わるべきである。完全かつ徹底的な核軍縮という究極の目標を達成するため、国際社会は適切な時期に、核兵器の完全禁止のための条約の締結など実行可能で諸段階からなる長期計画を開発するべきである。

 中国は核兵器の完全な禁止と徹底的な破棄に先立って、全ての核兵器国が、核兵器の先行使用に基づくいかなる核抑止政策をも放棄し、いかなる状況においても非核兵器国または非核兵器地帯に対して核兵器の使用またはその威嚇を行わないとの無条件の誓約を行い、この点に関する国際的な法的文書について交渉すべきである、との立場を堅持する。それとともに、核兵器国は互いに対する核兵器の先行不使用に関する条約を交渉し締結すべきである。

中国は、核不拡散条約(NPT)の再検討プロセスにおいて建設的な役割を果たしてきた。他のNPT加盟国とともに、中国は2010年に開かれた第8回NPT再検討会議の肯定的成果を誠実に履行する意思がある。中国は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効と、ジュネーブ軍縮会議(CD)における兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉の早期開始を支持する。

国連安全保障理事会の常任理事国及びNPT加盟核兵器国として、中国は核軍縮の義務を決して回避することなく履行してきており、今後も公開され、透明性があり、責任ある核兵器政策を追求する。中国は、いかなる時と状況においても核兵器の先行使用をしない政策を堅持してきており、いかなる状況においても非核兵器国または非核兵器地帯に対して核兵器の使用またはその威嚇を行わないとの無条件の誓約を行ってきた。中国は外国の領域に核兵器を一度も配備したことはないし、つねに核兵器の開発を最大限自制してきており、いかなる形の核軍備 競争にも参加してこなかったし、今後も参加しない。中国は、その核兵器能力を国家安全保障のために必要な最小限の水準に限定する。

中国は、核実験に関するモラトリアムの誓約を厳格に遵守し、包括的核実験禁止条約機関の準備委員会の作業に積極的に参加してきており、また、条約の自国内の履行の準備を着実に進めている。中国は、12の国際モニタリング施設と研究所の設置に責任を持つ。現在、6つの主要地震学的モニター施設、3つの放射性核種施設、北京放射性核種研究所及び中国国内データセンターが設立されており、1つの超長波音響施設が建設中である。

中国は、非核兵器地帯を設立しようとする非核兵器国の努力を一貫して支持し、署名開放されているすべての非核兵器地帯条約の関連議定書にすでに署名し批准しており、また、東南アジア非核兵器地帯条約の議定書をめぐる関連事項についてASEAN諸国と合意に達している。中国は、中央アジア諸国が署名した中央アジア非核兵器地帯条約とその議定書を支持し、中東における非核兵器地帯の設立を支持する。
(訳注:中国は、東南アジア非核兵器地帯条約と中央アジア非核兵器地帯条約の議定書はまだ署名のために開放されていないという立場をとっていると思われる。)

中国は、グローバルなミサイル防衛計画は、国際的な戦略バランスと安定性にとって有害であり、国際的及び地域的安全保障を掘り崩し、核軍縮プロセスに否定的な影響を与えるものであるとの立場を維持し続ける。中国は、いかなる国も、戦略ミサイル防衛能力あるいはその潜在的可能性を持つミサイル防衛システムを海外に配備したり、そのような国際的な協力に関与したりすべきではないとの立場を堅持する。

         (翻訳:特定非営利活動法人ピースデポ)

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