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中国の核戦力一覧 1)

2013年8月1日現在
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名称 NATO名 射程(km) 核弾頭の威力
(キロトン)
核弾頭数 備考
作戦配備 0 2)
作戦外貯蔵 180 3)
大陸間弾道ミサイル(ICBM)/中距離弾道ミサイル(IRBM) 4) 138 5)
 東風 DF-3A CSS-2 3,100 3,300 16 6)
 東風 DF-4 CSS-3 5,400 + 3,300 12 7)
 東風 DF-5A CSS-4 13,000 + 4,000–5,000 20 8)
 東風 DF-21 CSS-5 2,150 200–300 60 9)
 東風 DF-31 CSS-10 M1 7,200 + 200–300 ? 10–20 10)
 東風 DF-31A CSS-10 M2 11,200 + 200–300 ? 10–20 11)
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM) 0 12)
 巨浪 JL-1 CSS-NX-3 1,000 + 200–300 0 13)
 巨浪 JL-2 CSS-NX-4 7,400 + 200–300 ? 0 14)
爆撃機搭載 40
 核爆弾 40 15)
退役・解体待ちなど 70
全保有量 250
【脚注】
1) 同じ著者による弾頭数の推定が、2013年初めに240から250に変化した(Kristensen, Hans M. 2013-1)。「退役およびその他」に分類されている部分が増えたことを意味するが理由は明らかではない。この数字以外の弾頭数は2011年の同著者らの文献(Kristensen, Hans & Norris, Robert S. 2011-1)による。
2) 核弾頭はミサイルと別に貯蔵されているので、作戦配備ではなくて作戦外貯蔵と見なす。(Kulacki, Gregory 2011, Zhang, Hui 2012)
3) 178を丸めた。チャン(Zhang, Hui 2012)は166と推定している。
4) DF-5A、DF-31、DF-31Aは大陸間弾道ミサイル(ICBM)、他は中距離弾道ミサイル(IRBM)あるいは準中距離弾道ミサイル(MRBM)。
5) DF-31、DF-31Aの弾頭数は中間値15をとって集計した。カーンズ(Kearns, Ian 2011)は130-140、カラーキー(Kulacki, Gregory 2011)は155、チャン(Zhang, Hui 2012)は110と推定している。
6) 東風はドンフォンと読む。液体燃料。移動型。米国情報機関によれば単弾頭と考えられている。1971年に配備。新型に置き換えられつつある。弾頭数を17(Kearns, Ian 2011)、5(Zhang, Hui 2012)と見積もる研究者もいる。
7) 東風はドンフォンと読む。液体燃料。移動型。米国情報機関によれば単弾頭と考えられている。80年に配備。新型に置き換えられつつある。弾頭数を17(Kearns, Ian 2011)、10(Zhang, Hui 2012)と見積もる研究者もいる。
8) 東風はドンフォンと読む。液体燃料。サイロ型。米国情報機関によれば単弾頭と考えられている。81年配備。80年代初期以来、米国、ロシアを標的とした。
9) 東風はドンフォンと読む。射程1,700–1,750(Zhang, Hui 2012, Kulacki, Gregory 2011)との数字もある。中国の中距離ミサイルの主力。固体燃料。移動型。米国情報機関によれば単弾頭と考えられている。81年に配備。徐々に DF-3A、DF-4と置き換えられている。弾頭数は55-60(Kearns, Ian 2011)、50(Zhang, Hui 2012)との見積りもある。通常弾頭のDF-21もあり、総数は75-100と見積もられる。
10) 東風はドンフォンと読む。固体燃料。移動型。2006年初期配備。米国情報機関によれば単弾頭と考えられている。弾頭数を10–15(Kearns, Ian 2011)、10(Zhang, Hui 2012)と見積もる研究者もいる。
11) 東風はドンフォンと読む。固体燃料。移動型。2007年配備。米国情報機関によれば単弾頭と考えられている。単弾頭だが、ミサイル防衛に備えておとりなどを伴うと考えられる。弾頭数を10–15(Kearns, Ian 2011)、15(Zhang, Hui 2012)と見積もる研究者もいる。
12) これらを搭載する2種類の原子力潜水艦(夏(シァ)級と晋(ジン)級)は、いずれも作戦配備状態にはない。したがって、中国の戦略原潜は戦略抑止パトロールを一度も行っていない。しかし、搭載ミサイルと弾頭は出来上がっていると考えられる。
13) 巨浪はジュランと読む。単弾頭。1986年に配備。戦略原潜・夏(シァ)級(中国名:大慶魚、092型)に搭載の予定。12発射管。原潜とともに一度も使われることなく退役すると予想される(Kristensen, Hans M. 2013-2)。
14) 巨浪はジュランと読む。単弾頭。DF-31の変形。新世代原潜・晋(ジン)級(094型)に搭載する計画。12発射管。数回の発射テストに失敗。米国防省は、2013年に初期作戦能力を達成すると予想している(Office of the Secretary of Defense, 2013)。晋級は3隻が軍に引き渡され、2隻が建造中とされる(Office of the Secretary of Defense, 2013)。
15) 戦闘爆撃機「轟(ホン)」H-6(NATO名:B-6)100–120機のうちの20機が核任務を持つと推定。戦闘半径3,100km。1965年配備。ソ連のTu-16(バジャー)の変形。また、攻撃機「強(キャン)」Q-5などの他の機種のうちの20機程度が核任務を持つと推定。 巡航ミサイルDH-10(射程1,500km)の核能力は不明。地上発射と空中発射があるが、米国防総省は後者の核能力を認めたことはない。しかし、前者については米空軍が「通常あるいは核」能力と述べたことがある(Kristensen, Hans M. 2013-2)。
【出典】
Kearns, Ian 2011: “Beyond the United Kingdom: Trends in the Other Nuclear Armed States,” BASIC Trident Commission, November 2011. 数字はホルスラグからの引用。(Holslag, Jonathan 2010: “Trapped Giant: China’s Military Rise,” IISS, 2010)http://www.basicint.org/sites/default/files/commission-briefing1.pdf(2013.7.10 アクセス)
Kristensen, Hans M. 2013-1: “Status of World Nuclear Forces Early-2013,” FAS Nuclear Information Project
http://www.fas.org/programs/ssp/nukes/nuclearweapons/nukestatus.html(2013.7.10 アクセス)
Kristensen, Hans M. 2013-2: “Chinese Nuclear Developments Described (and Omitted) by DOD Report,” FAS Strategic Security Blog, May 14, 2013
http://blogs.fas.org/security/2013/05/china2013/#more-6024(2013.7.10 アクセス)
Kristensen, Hans & Norris, Robert S. 2011-1: “Chinese Nuclear Forces, 2011,” Bulletin of the Atomic Scientists, Vol. 67, #6, 2011
http://bos.sagepub.com/content/67/6/81.full(2013.7.10 アクセス)
Kulacki, Gregory 2011: “China’s Nuclear Arsenal: Status and Evolution,” Union of Concerned Scientists, May 2011
http://www.ucsusa.org/assets/documents/nwgs/UCS-Chinese-nuclear-modernization.pdf(2013.7.10 アクセス)
Office of the Secretary of Defense, 2013: “Annual Report to Congress: Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2013,” May 2013
http://www.defense.gov/pubs/2013_China_Report_FINAL.pdf(2013.7.10 アクセス)
Zhang, Hui 2012: Section ‘Modernization in China’, “Assuring Destruction Forever: Nuclear Weapon Modernization around the World” edited by Ray Acheson, 2012, Reaching Critical Will
©RECNA 核弾頭データ追跡チーム

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