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開会挨拶
国連軍縮問題高等代表
アンジェラ・ケイン
2015 年 NPT 再検討会議第一回準備委員会

私はこの 2015 年 NPT 再検討会議の準備委員会の開会にあたり、挨拶する栄誉をうれしく思います。始めに、オーストラリアのピーター・ウールコット大使が、今期の準備委員会の議長の任に就いたことを歓迎したいと思います。国連軍縮局の私のスタッフと共に、私は、再検討プロセスのすべてにおいて、議長とすべての代表団に協力することを心待ちにしております。

今回は、私が軍縮問題高等代表として NPT の会議に臨む初めての機会であり、64 項目の行動計画に関する合意を含む 2010 年の NPT 再検討会議の成功を収めた成果の後では、そうすることは喜びであります。

同じく採択されたのは、中東での核兵器および他のすべての大量破壊兵器を禁止する地帯の設置に関する会議を今年開催するという責務でした。私は、この開催についての彼の協議に関し、会議ファシリテーターのヤッコ・ラーヤバ氏による準備委員会への報告を楽しみにしております。

これらの成果を振り返ってみると、私は 2010 年の再検討会議へ向けての第 3 回準備委員会の開会にあたっての潘基文事務総長の声明を思い出します。彼のその時のアドバイスは、今日準備委員会が新しい会期を始めるにあたって未だ有効でありますーそこで、繰り返します:
「私はあなたがたに、妥協と柔軟な精神において作業するようにお願いする。私はあなたがたが、コンセンサスを作り出す余地を無くするような絶対的な立場をとることを避けるよう希望している。その代わりに、橋を架け、新しい多国間主義を作り上げてほしい」締約国が進んでこの精神において作業したことこそが、2010 年のコンセンサスを導いたのです。私は、今後この再検討プロセスにおいて表明されるであろうすべての問題を解決することは、明らかに準備委員会の今回の会期の目的ではないことは認識していますが、この意志が、これからの再検討プロセスすべてにおいて、この勢いを持続させる努力を鼓舞するものとなることを希望しています。核軍縮、核不拡散および原子力の平和利用に関する NPT の主要な三つの目的を促進するための努力は、今日すでに再検討プロセスの内部また外部において、進行中であります。

先般の 2009 年 9 月のロンドンでの会合に続き、核兵器国は、NPT 第 6 条の確約の履行に関する問題に取り組むために、2011 年 6 月末にパリで、また、今月始めに再びロンドンで会合しました。これらの議論は歓迎され、また、透明性の拡大や核軍縮の検証手段の開発のような分野における具体的な進展に対する国際的な期待を高める一助となりました。

事務総長は、-彼の言葉を借りればー 「軍縮に法の支配をもたらすために」できることをすべて実施しました。これは、この問題についての彼の多くの声明、とりわけ 2008 年10 月 24 日の彼の 5 項目の核軍縮に関する提案において明らかであります。また、それは2010 年 9 月の軍縮会議の活動の活性化と多国間軍縮交渉の前進についてのハイレベル会議のイニシアティブにも反映されています。
これらの進展を補完しているのは、核軍縮と不拡散の両方の進展に寄与している、条約の枠外での他のイニシアティブです。

この点において、最近のソウルにおける核セキュリティ・サミットは、その参加者により核軍縮、不拡散、そして原子力の平和利用―NPT の三本柱と同じーという共有された目的を再確認したことにより、その一例となっています。さらにサミットでは、核物質に対する安全を拡大することに対する取り組みを強化し、核テロリズムを防止するという第一の目的を進展させました。このような取り組みは、昨年 9 月に事務総長によって開かれた原子力安全および核セキュリティに関するハイレベル会合からの多くのテーマを強化しました。

私は、私達が目撃しているこれらの進展はばらばらの出来事ではなく、展開しつつある一つのプロセスの、相互に関連している段階であると信じています。これは、条約とその再検討プロセスに従って作られた強固な取り組みを実現するための、具体的な進展を作り出そうとする過程であります。進むべき道は平坦ではないでしょうが、この勢いに上乗せすることは、間違いなくこの準備委員会の第一会期の正当な目標であるでしょう。

再検討プロセスの無い NPT は、条約の下での誓約と法的な義務の実現のための本当の説明責任を維持するための効果的な手段を欠く、抜け殻となるでしょう。締約国に、集団的に、実現した進展を確認し、必要とされる新しい到達点を識別できるようにしているのは再検討プロセスです。NPT が、私達の時代において、常に変化し続けている政治および戦略状況に照らして定期的に評価される、「生きた」条約であり続けることを助けているのは再検討プロセスなのです。

このプロセスにおける最近の一つの革新は、とりわけ注目に値しますー具体的には、前回の再検討会議において、核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道的結果をもたらすことを確認した表現のコンセンサスと、「すべての国家がいかなる時も、国際人道法を含め、適用可能な国際法を遵守する必要性」の再確認です。それでも核兵器禁止条約の達成までにはまだ長い道のりがありますが、軍縮に法の支配をもたらすにはたくさんの方法があります。

国際人道法がすでにここ、NPT 再検討プロセスに到来し、-そしてここに留まることには、今や疑問の余地はありません。

とはいえ、条約はいくつかの深刻な困難に直面しています。一方では核兵器の製造や性能の改良が継続されており、他方では新しい国が核兵器の保有を狙っている懸念があります。このような懸念は、不拡散および軍縮の両方を危険にさらすものであり、従ってこの条約再検討プロセスにおいて十分な注意に値するものです。

結果を予測することは困難ですが、締約国が、事務総長が助言したように、彼らが合意した目的を達成するための方法において柔軟性と妥協を示しながら、条約の基本的な目的においてはその団結を深めるならば、この再検討プロセスの見通しは最も明るいものとなるでしょう。このアプローチは 2010 年において良く機能し、2015 年の成功へのわかりやすい道を示しています。

仕事はこれからですが、NPT は世界的な核不拡散の要として存続しています。それは、すべての確認された核兵器国―そしてそれ以外の締約国、に対し、核軍縮の交渉を誠実に追求するように義務付ける唯一の条約です。完全に普遍的な加盟の達成まではあとわずかです。そして、それは軍縮と不拡散の両方の目的を追求する共通の合意された枠組みを提供しています。これらの理由により、私は、すべての代表団に対し、会期の成功を願って、励ましを贈りたいと思います。

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