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フランスの核戦力一覧 1)

2014年8月1日現在
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名称 核弾頭の種類 核弾頭の威力
(キロトン)
核弾頭数 備考
作戦配備 290
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM) 2) 240
 MSBS M51 3) TN75 100 80 4)
爆撃機など航空機搭載 50
 爆撃機搭載 ASMPA 5) TNA 可変〜300 40 6)
 空母艦載機用 ASPMA 7) TNA 可変〜300 10 8)
作戦外貯蔵 〜10 9)
SLBM 〜5
爆撃機など航空機搭載 〜5
退役・解体待ちなど 9)
全保有量 300
【脚注】
1) 「300弾頭以下に削減する」とサルコジ大統領が発表(2008年3月21日)(Sarkozy, Nicolas M. 2008.03)。その後2012年の核不拡散条約(NPT)再検討準備委員会で削減が完了したと発表(Head of French Delegation 2012)。2014年NPT再検討準備委員会に提出した報告書(Government of France 2014)で300弾頭以下を再確認。年間約46万ドルを核戦力に消費。
2) 4隻のトリオンファン級(※)原子力潜水艦(SSBN):トリオンファン、テメレール、ビジラン、テリブルに搭載。うち少なくとも2隻が完全作戦体制にあり、そのうちの1隻が抑止パトロール(約10ヶ月)に就いている。基地はブレスト近くのロング島(Ile Longue)という半島(Kristensen, Hans M. 2012)。
※【トリオンファン級】前型最後のSSBNアンフレキシブルは2008年1月に退役(Norris, Robert S. & Kristensen, Hans M. 2008)。2010年9月20日、テリブルが就航し4隻体制になった。16基のミサイル発射管を装備する。
3) MSBS=Mer-Sol Balistique Strategiqueの頭文字。フランス語で「艦対地戦略弾道ミサイル」。旧型M45から射程が長く、搭載重量が大きく、精度も高い新型M51に転換を完了。現在はすべてM51を搭載(Government of France 2014)。(現在のバージョンは51.1と名付けられる)を搭載、その発射実験は2010年1月27日と7月10日に行われた。2013年5月5日、ビジランからの発射実験に失敗した(Collin, Jean-Marie 2013)。M51は熱核弾頭TN75(※)を装着。2015年からTN75がTNO(Tete Nucleare Oceanique、海洋型核弾頭)になり、ミサイルはM51.2に置き換わる予定。
※【TN75】フランスが1995~96年、ムルロアで行った最後の核実験で実証実験が行われた熱核弾頭。TNはフランス語の核弾頭(Tete Nucleare)の頭文字。2015年からTNOに置きかえられてゆく予定。
4) 4隻のうち3隻に交替で弾頭が装備される運用体制と考えられ(Norris, Robert S. & Kristensen, Hans M. 2008)、3隻×16発射管×(4–6)MIRVと弾頭数が計算される。平均すると5発の多弾頭運用となる。
5) ASMPA=Air-Sol Moyenne Portee Amelioreの頭文字。フランス語で「空対地中距離改良型」。射程500kmの巡航ミサイル。弾頭はTNA(Tete Nucleare Aeroporteeの頭文字。航空核弾頭)
6) 2種類の戦闘爆撃機ミラージュ2000N(※)、ラファールF3(※)各20機に搭載。1機あたり1弾頭。(Kristensen, Hans M. 2012)
※【ミラージュ2000N】1998年に作戦配備。2009年にASMPAを装備。航続距離2,750km。(Kristensen, Hans M. 2012)
※【ラファールF3】2008年に作戦配備。2010年にASMPAを装備。航続距離2,000km。(Kristensen, Hans M. 2012)
7) フランスが持つ唯一の空母シャルル・ドゴール(R92、原子力推進)の艦載機ラファールMF3(※)(MK3との記述もある(Norris, Robert S. & Kristensen, Hans M. 2008))の10機が核任務をもつ。以前はシュペール・エタンダールがこの核任務を担っていたが、ラファールMF3にとって代わられた。前者は2015~2017年に退役予定(Kristensen, Hans M. 2012)。
※【ラファールMF3】2010年に作戦配備。2011年にASMPA装備。航続距離200km。(Kristensen, Hans M. 2012)
8) 空母シャルル・ドゴールには、平時において核兵器は搭載されていない。艦載機ラファールMF3に搭載のためのASMPAは陸上基地(おそらくイストレ(Istres)航空基地)に貯蔵されている。(Kristensen, Hans M. 2012)
9) サルコジ大統領の発表では、「作戦用以外の保有核兵器はない」と述べた。2014NPT再検討準備委員会でも同様の報告を行った(Government of France 2014)が、米国の「即応核戦力」のような目的で非配備の予備核兵器をもっていない、という趣旨と思われる。実際には核弾頭の維持サイクルの中で、作戦貯蔵にはない、新しい弾頭、修理中の弾頭、解体を待っている弾頭などが少数あると推定される。(Kristensen, Hans 2012)
【出典】
Collin, Jean-Marie 2013: “The M51 missile failure: where does this leave French nuclear modernization?,” BASIC Blog, June 27, 2013
http://www.basicint.org/blogs/2013/06/m51-missile-failure-where-does-leave-french-nuclear-modernization(2013.7.10 アクセス)
Government of France 2014: “Report submitted by France under actions 5, 20, 21 of the Final Document of the 2010 Review Conference of the Final Document of the 2010 Review Conference of the Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons,” (NPT/CONF.2015/PC.III/14) 25 April 2014
Head of French Delegation 2012: “Statement by the Head of French Delegation at First Session of the Preparatory Committee for the 2015 NPT Review Conference,” May 3, 2012
http://www.reachingcriticalwill.org/images/documents/Disarmament-fora/npt/prepcom12/statements/3May_France.pdf(2013.7.10 アクセス)
Kristensen, Hans 2012: Section ‘Modernization in France,’ “Assuring Destruction Forever: Nuclear Weapon Modernization around the World” edited by Ray Acheson, 2012, Reaching Critical Will
http://fas.org/programs/ssp/nukes/publications1/Article2012_France.pdf (2014.7.12アクセス)
Kristensen, Hans M. 2014: “Status of World Nuclear Forces 2014,” FAS Nuclear Information Project
http://www.fas.org/programs/ssp/nukes/nuclearweapons/nukestatus.html(2014.7.12 アクセス)
Norris, Robert S. & Kristensen, Hans M. 2008: “French nuclear forces, 2008,” Bulletin of the Atomic Scientists, September/October, 2008.
Sarkozy, Nicolas M. 2008: English version: “Presentation of SSBM ‘Le Terrible’ – Speech by M. Nicolas Sarkozy, President of the Republic,” 21 March 2008
http://www.ambafrance-uk.org/President-Sarkozy-s-speech-at,10430.html(2013.7.10 アクセス)。抄訳:「ニコラ・サルコジ仏共和国大統領の演説」、イアブック:核軍縮・平和2008(監修:梅林宏道、NPO法人ピースデポ)pp.250-252
©RECNA 核弾頭データ追跡チーム

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