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Yuko’s Blog

Saturday, 27 April

本日は,日本語補習校の中学1~3年生に向けて平和学習の授業を行いました。久々にたくさんの子供たちの前で話す機会だったので緊張しましたが,思っていた以上に中学生の皆さんの反応が良く,とてもやりやすかったです。

教材は,先日杏奈ちゃんが小学校でやったものをそのまま使用し,中学生向けに紙芝居の代わりに下平作江さんの被爆証言の読み聞かせをしました。また,その後にディスカッションも取り入れてみました。残念ながら時間が足りなかったため,十分なディスカッションができませんでしたが,子供たちは長崎の原爆について知り,下平さんの実際の被爆体験を聞き,もしも自分たちのいるジュネーブに原子爆弾が落されたら・・・ということを想像することで,それぞれに核兵器の恐ろしさを実感してくれたようでした。

現実に起きた歴史を知ることは本当に大切なことです。少しでも多くの子供たちに,原爆という悲惨な出来事を知ってもらい,未来を生きる子供たちが二度とこのような経験をしないで良いような核兵器のない平和な世界を作っていってもらいたいです。そのためにも「教育」の重要性を,私自身改めて認識した素晴らしい機会になりました。

とうとう明日は日本への帰国の日です。夢のような日々もあっという間に過ぎ去ってしまいますね。皆さん,本当に応援してくださりありがとうございました!

斉藤 佑布子

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Friday, 26 April

あっという間に私がNPT再検討会議第2回準備委員会に参加できる最終日がやってきました。この1週間本当に全てが新鮮なことばかりで,自分の人生の一部がこの一週間に凝縮されたぐらい濃い毎日でした。

本日も午後は優乃ちゃんと一緒に「SAKURAプロジェクト」を行いました。サクラの花も満開とまではいきませんが,多くの方が足を止めてくれたおかげで8分咲きとなりました、書いてくださったひとりひとりと写真を撮る度に皆さんが喜んでくださることがとても幸せに感じられました。

その後,外務省の軍縮・不拡散を担当しており,RECNAの客員准教授でもある西田さんにもお話を伺うことができました。今回このNPT準備委員会の間に,政府の方々,NGOの方々,若者など本当にたくさんの方のお話を聞く機会がありました。そんな中で最も強く感じたことは,それぞれに立場があり,その立場で今できることを必死で行っているのだということでした。これまでは,ニュースで聞いても,自分にはものすごく遠い,ほとんど関係のないような存在に思っていたことが,今回目の前でその瞬間を見て・聞いて体感することができて本当にワクワクしました。それと同時に,南アフリカの出した共同声明に日本が署名をしなかったことについては,日本とアメリカとの安全保障条約や様々な歴史がとても複雑に絡み合っていて,そう簡単には厚い壁を崩すことができないということも痛感しました。日本政府も我々も最終的な目標である「核兵器をこの世から廃絶すること」は共通しているが故に,正直とてももどかしかったです。それでも誰かが核兵器廃絶の声を上げ続けなくては,世の中は何も変わりません。次回こそは日本も賛同できることを心から期待しています。

そして,本日がユースのメンバー全員がジュネーブで揃う最終日だったため,夜には全員でタイレストランにて打ち上げをしました。私は明日ジュネーブ日本語補習校である平和学習の授業がここジュネーブでの最後の大仕事となります。

(本会議場の日本代表団の席) (国連入口の各国国旗の景色)
(SAKURAプロジェクト)

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Thursday, 25 April

午前中,私たちはPeace Depotによる北東アジア非核兵器地帯の展望についてのNGOセッションのお手伝いをさせていただきました。私はユースのメンバーであるしんちゃん(中国からの交換留学生)と一緒にユースを代表してコメント述べました。個人的に父親と父方の祖父母が被爆者であること,家族から聞いた被爆当時の様子,北朝鮮による身近なアジアでの核問題など,いかに核兵器が恐ろしくこの世にあってはいけないものか,そして北東アジアの平和が世界平和への大きなステップになるということを英語でコメントしました。まさか国際会議の大舞台で,このような素晴らしいチャンスをいただけるとは思わなかったので本当に光栄です。

ランチタイムにはPEACE BOATの川崎さんのお話も聞くことができました。被爆者地球一周の証言の旅「おりづるプロジェクト」や,核兵器の非人道性に関する共同声明への日本政府の署名拒否についてなど,NGOとして最前線で活動されている方の意見を聞ける大変貴重な機会でした。

午後には自主企画「SAKURAプロジェクト」を行いました。国連内での大きな活動は禁止されていると聞いていたので,企画が実行できるかジュネーブに来るまで分からない状況でしたが,何とか場所を見つけて十分な活動ができました。優乃ちゃんが企画してくれた,サクラの花びらに「あなたの愛するもの」を書いてもらい,木を書いた布に貼り付けてもらうという活動は皆さんにとても気に入ってもらえました。皆さんが「The beautiful weather in Geneva」「Laughing people」「Everyone」「Sun in spring」などと書いてくださり,それぞれがどんな「愛するもの」を書いてくれるのか私たちも楽しみながら活動することができました。

核兵器は皆さんの「愛するもの」を一瞬で破壊してします。また,私がやりたいと企画していた,そこに来てくれた方々に広島・長崎の原爆についての概要と下平作江さんの証言の紹介を行いました。皆さん思っていた以上に話を積極的に聞いてくださり,広島と長崎の声をどれだけ重要に捉えてくれているか実感しました。

(SAKURAプロジェクト) (日韓NGOとの会食でのお寿司)

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Wednesday, 24 April

本日は午前に”Statements by NGOs”を傍聴しました。これは本会議でNGOが公式に意見を発表できる唯一の場です。広島・長崎市長,被爆者・藤森俊希さん,そして世界の若者代表がここで演説を行いました。

午後から参加したNGOセッション” Civil society’s role in banning nuclear weapons(核兵器禁止における市民社会の役割)”は,21日に紹介したICANが主催しており,世界中にある各地帯のICANがどのように活動をしているのかという核廃絶キャンペーンの戦略を紹介しました。特に,今年オスロで主にヨーロッパの若者が大成功を収めた活動をまとめていたリーダーの話は,私たちにとってもヒントとなりました。これからの地球の未来を担っていく若者が,この核問題に積極的に取り組むことがどれだけ大切なことであるかを強調し,その若者たちを盛り上げる戦略など,ICANのコネクションとノウハウは素晴らしいものだと感じました。大切なことは自分自身が楽しみながらやるということです。

ここジュネーブに来て,核廃絶に向けて精力的に活動している若者の姿は多く,日本以上に自分たちの問題として真剣に捉えているのは歴然でした。それは日本にいてもなかなか感じることは難しいでしょう。本来ならば唯一の被爆国である日本が,今世界が直面している問題にしっかりと向き合って議論をし,核廃絶に向けてリーダーシップを取るべきです。

同時に,社会がどれだけ広く,皆が強く望んだところでそう簡単に変わるものでもないということもまざまざと見せつけられている気がします。核兵器のない世界は私たち人類にとって不可欠な世界です。大きな“変化”や“革新”は大きな力を必要としますが,世界中のひとりひとりが辛抱しながら一歩ずつ進むことで,いつの日か必ず核兵器がこの世から廃絶される日が必ず来ることを心から願います。

午後には,ユースのメンバーが行う日本語補習校の小学校5・6年生への平和学習を見学に行きました。土曜日には中学生へ向けて私が授業を行います。大学での教育実習以来ですが,精一杯頑張ります!

(NGOの意見発表) (“Civil society’s role in banning nuclear weapons”)
(日本語補習校の様子)

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Tuesday, 23 April

本日午後一番に,私たちのNGOセッション”Film screening: “The Ultimate Wish: Ending the Nuclear Age” and discussion”の本番を迎えました。

なんと30名を超える方々が参加してくださいました。このセッションでは,「ナガサキ・ユース代表団」の紹介の後,下平作江さんなど長崎の被爆者の証言や,福島第一原発の深刻な事故についてをまじえた映像を,様々な国の方々に紹介しました。上映後,参加者がこの映像を見て何を感じてくれたのかを,私たち自身も参加してディスカッションを行いました。

セッションを主催するにあたって不安は大きかったですが,ユースメンバーのひとりひとりがそれぞれの役割を果たし,このセッションの目的である「世界の人々に,核問題を抽象的に誰かの問題として捉えるのではなく,個人の問題として捉えて欲しい」ということを多くの参加者に感じてもらうことができた素晴らしいセッションとなったと思います。私たちが被爆地・長崎からジュネーブに来たということがいかに大切なことであるかを実感することができ,本当にワークショップを主催して良かったと心から満足しています。皆がここで少しだけ自信をつけることができたので,今後の活動にもつなげていけると確信しました。

国連の雰囲気にも慣れ,盛りだくさんの充実した毎日に感謝します!

(セッションの様子(左奥は田上長崎市長))

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Monday, 22 April

本日より,いよいよ核不拡散条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会が始まりました。この会議はジュネーブの国連欧州本部にて約2週間に渡って開催されます。

本会議会場の一階には各国の外交官が座り,その周りを私たちNGOが取り囲んで傍聴するという形で行われました。核廃絶問題の世界の最前線を感じられるこの瞬間に,メンバー全員が胸を躍らせていました。また,本会議とは別にNGOによるセッションが並行して行われています。私たちは23日にナガサキ・ユース代表団として一つのセッションを行います。

午後には,広島・長崎市長と市議会の方々に同行させていただき,軍縮会議日本政府代表部の天野大使へ表敬訪問を行いました。天野大使は外務省の中の核軍縮を行っている部門のトップの方で,日本政府としての見解を直接聞くことができる大変貴重な機会でした。

原爆を体験した広島・長崎は唯一の被爆国として,これまで核兵器の廃絶と核のない平和な世界を訴え続けてきています。しかしながら,我が国は安全保障条約の元,アメリカの核の傘の下に入り,実質的にアメリカに守られているということも事実です。世界の方々から見れば,核廃絶を訴える一方で,核に守られている国であるという矛盾に強く疑問を抱いている方々も少なくはありません。

次回の南アフリカが発表する予定の核兵器の非人道性に関する共同声明に,次こそは日本が政府として賛同するのかどうか…結論が出るのは目前です。私たちは長崎から来た若者として,二度と原爆という悲惨な歴史を繰り返されないためにも,我が国の政府に賛同してもらえるように心から願っています。

夜にはBangというヨーロッパの若者による団体が企画した若者の集まりに参加してきました。私たちと同年代の多くの若者が核廃絶へ向けて活動しており,少しでもコネクションを作って今後に繋がるような仲間となりたいと思っています。
(Bang HP:http://bang-europe.org/

(本会議の様子)

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Sunday, 21 April

皆さんこんにちは!昨日アムステルダム経由で無事にジュネーブに到着しました。ヨーロッパはここ数週間気温の変化が激しく,今週はしばらく10度前後の気温が続きそうです。昨日から参加しているメンバーに引き続き,私は本日,ICANキャンペーンミーティングの2日目に参加してきました。

ICANは”International Campaign to abolish nuclear weapons”の略称で,核兵器廃絶国際キャンペーンのことを指します。世界中の国の人々がこのキャンペーンに賛同し,核廃絶へ向けた活動や政府への働きかけを精力的に行っています。本日も各国のメンバーが参加し,様々なセッションを行いました。(ICAN HP:http://www.icanw.org/)(ICAN サポーターズジャパン:http://ican-j.com/

そんな中で私が興味深かったトピックは「非核兵器地帯」についてでした。これまでに条約として署名がなされた地帯は5か所。そんな中でも,1967年に署名され翌年発効されたラテンアメリカ及びカリブの「トラテロルコ条約」は世界で初めての核兵器禁止地帯として知られています。今年3月のオスロでの「核兵器の非人道性」についての会議に続き,メキシコで会議が行われるため,ラテンアメリカ及びカリブはホットな話題として議論されており,メキシコへ向けたICANのキャンペーンも”National campaigning”, ”Social media campaigning”, “Nuclear Abolition Week, 6-13 July”, “Engaging with governments” の4本柱のキャンペーン戦略を掲げて大詰めを迎えていることを直接肌で感じることができました。まだまだ知識不足が否めませんが,微力ながらもここで少しでも多くの方とのネットワークを広げたいと思っています。

いよいよ明日から核不拡散条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会に参加してきます。

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