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Shoki’s Blog

Friday, 26 April

いよいよジュネーブでの活動の最終日です。

今日は、エジプトのバドル大使と、外務省で核軍縮に携わっている方とお話をしました。

バドル大使のお話では、主に中東の非大量破壊兵器地帯についてでした。2012年中に中東非大量破壊兵器地帯に関する国際会議を開くという約束が果たされなかったため、2013年に向けて行動をしているところだそうです。ここでキーとなる国が核兵器保有国のアメリカとその疑いがかけられているイスラエルです。アメリカはイスラエルを擁護するような発言をすることがあるそうだ。非大量破壊兵器地帯を推進する人たちは、アメリカに対して、イスラエルに非核地帯に入れを強要するように要望しているのではなく、イスラエルをかばうようなことはしないでくれと頼んでいるそうです。また、すでにNPT(核不拡散条約)が存在しているため、それを守るよう訴えているわけで、新しい交渉をしようとしているわけではない。条約等に参加し、それらの会議に出席するか否かを判断するのは各国に責任がある。出席しないで、その場で決まったことに対して反論や無視するのは無責任であるという考えを示されていました。

外務省の方との話では、外務省でどのようなことが行われているのか、今回の共同声明を通じてどのような動きがあったか等、核軍縮に関することや、条約を作成し交渉、発行、改善していくことなど全体に通ずるようなことまで聞くことができました。

今回のジュネーブで学んだことはいくつもあります。また、ユースのメンバー8人それぞれ違ったことも吸収したと思います。実際に世界の物事が決定する場所に参加することで、その場の雰囲気や国家間のやりとり、非政府組織と政府間のやりとり等、核問題だけでなくあらゆる問題に関して共通しているものを肌で感じることができました。非核地帯や共同声明等、今世界が核廃絶に向けてどのような動きをしているのか等知ることもできました。帰国後には、ジュネーブで学んだことを多くの人と共有する機会を設けようと思っています。

今回ユース代表団の一員としてジュネーブに行き、活動することで、核兵器についてはもちろんのこと世界規模で取り組んでいる又取り組むべき問題に関わっていくうえで重要なことを吸収したと思います。今日でこのブログは終わってしまいますが、僕のブログを読んで、何か一つでも知らなかった情報を得たり、考える機会になっていただけたら幸いです。ありがとうございました。

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Wednesday, 24 April

スイスの朝の空気はとてもフレッシュでおいしいです。しかし昼間は、もう真夏のように熱いです。

さて24日は、大きなイベントが2つありました。日本人学校での平和の授業と、天野大使と田上市長との会食です。

まずは、日本人学校訪問について。ジュネーブにある日本人学校に通う小学生に平和の授業を行う機会を設けさせていただきました。そこでは大きく3つのことをやりました。

1つ目は、教育学部の杏奈さんが作成したパワーポイントで長崎の原爆について学習しました。きのこ雲や建物が爆風で無くなった写真やGoogle Earthを使って原爆が日本人学校の真上に落ちてしまったらなどのデモンストレーションを使い授業をしました。子供たちは知らないことだらけで驚きの声が何度も上がりました。

2つ目は、長崎市に提供していただいた「私たちが伝える被爆体験」という紙芝居をしました。みんな紙芝居に集中して一人一人心の中で考えているのが子供たちの目を見て感じました。

3つ目は、ハートの形の紙に一人一人大切なものや大切な人を書いて1つの作品にしました。

もし、核兵器が使われたら、これらはすべてなくなってしまう。そうならないために自分たちに何ができるかをいうことを家族の人と話してみてください、というメッセージとともに作品を作りました。

天野大使、田上市長との会食では、多岐にわたるお話ができました。個人的にお話した内容は、核兵器を含む兵器の削減そして廃絶、外交、民主主義、投票率、地域力、物事の考え方、読書などたくさんのトピックについてお話ができました。大使、市長、そして学生、様々な社会的地位はあるが、話す言葉、内容というものはどれも同じ価値を持っており、それらを尊重することが議論する上で非常に重要なことであると思いました。

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Tuesday, 23 April

23日は、私たち長崎ユース代表団がNGO sessionを主催した記念すべき日です。核兵器廃絶に向けて世界規模で活動しているのNGOの方々が、国連の一室をNGO roomとして設け様々なsessionを開いています。私たちもその枠をいただいて長崎そして日本のメッセージを伝える機会を得ました。

私たちのsessionでは、“The Ultimate Wish”という映画を上映し、それについてグループディスカッション、意見のシェアをしました。上映した映画は、ナガサキ・ヒロシマそしてフクシマといいう3つの核問題を通して今の核社会に対してメッセージを送っています。

核兵器と原子力発電は利用の方法は違えど、元をたどれば同じものから始まっているということ。核兵器使用による被害の恐ろしさ、むごさ。技術向上によって殺傷能力が数倍にもなった現在の核兵器が使用されたらどうなるか。それは決して遠い未来のことではなく近い将来に起こりうることである。他人事ではなくいつ自分自身に降りかかるかわからないすごく身近なことであるということ。

グループディスカッションでは、映画を見て感じたこと、考えたことを話し合った。多くの人は、原爆の映像をはじめ、被爆者の方々の映像を見たことがなく、ショックを隠しきれない人もいました。私たちユースが初めてこの映画を見たときと同じような感情を抱いていた人も多かったです。悲しいやひどいという言葉では表現しきれない、心揺さぶるものをこの映画を通じて感じいただけたと思います。

私は、被爆者の方々の経験は、他のどんなデータや理論等よりも影響力があり、人々の心に訴えかけるものだと、このsessionを通して改めて認識しました。

被爆者の方々の平均年齢がまもなく80歳になるという現実を踏まえて、被爆者の方々のお話をどう継承していくのかということについてもぜひ、海外の方々と議論したと思います。特に、海外のNGOのメンバーは若者そして女性が多いです。これが意味するものは、“核”のとらえ方が日本を違う、ということだと私は思います。彼らの違った観点から先ほどあげた問題などについて議論することで、今までと違った解決案が出てくると思います。みなさんもぜひ今一度、日本で起きた悲惨な歴史について考えてみてください。

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Monday, 22 April

長崎、広島の両市長とともに天野万利軍縮大使と面会しました。そこで意見を述べる機会があったので大使ご本人に質問をしました。

「これまではナガサキ・ヒロシマが孤独に、核の非人道性の観点から核廃棄廃絶を訴えてきた。しかし、オスロ会議以降、世界全体が、核の非人道性の観点から核兵器を減らすだけでなく廃絶すべきだという動きになっています。そして、核の非人道性について、科学、医学、環境等様々な分野で論理的に検証されている。このような現状を考慮すると日本政府としては、これまでにないチャンスであり、この動きに様々な面から賛同しやすいと思われるが、実際の外交情勢はどうであるか。」

これに対する応答の中で、いくつかの条約が出てきたので簡単に紹介します。条約の詳細を知りたい方は、URLを貼っているのでご覧ください。

(1) NPT(核不拡散条約)
アメリカ・ロシア・中国・イギリス・フランスを核兵器国と定め(P5)、それ以外の国に核が拡散することを防止し、締結国の核軍縮、核の平和利用を目的としている条約です。核保有国が積極的な参加することで効果がある条約である。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/npt/gaiyo.html

(2)CTBT(包括的核実験禁止条約)
宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含む場所での核実験や核爆発を禁止する条約です。この条約は未発効であり、早期発効に多くの政府、機関がアプローチしているが核兵器保有国の未批准などにより先行き不透明なのが現状です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/ctbt/gaiyo.html

(3)FMCT(兵器用核分裂性物質生産禁止条約)
核兵器国やインド、パキスタン、イスラエル(NPT非締約国)を中心に、核爆発装置の研究・製造・使用のための高濃縮ウランやプルトニウム等の生産を禁止し、その為の他国による援助を禁止する条約です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/fmct/gaiyo.html

このように多くの国際条約があるが、どれも核兵器保有国が批准し実行していかなければ、変化が起きにくいものである。日本が核の非人道性を訴える共同声明に参加していない理由の一つにこのことが挙げられるそうです。

また、法的拘束力の有無や条約の効力の現実的発動、戦後の日本政府の発言・主張と一致しているかなども議論されているようです。

これらの動きは核兵器廃絶という大きな目標への1つのアプローチであり、それらに賛同したから目標が達成できるわけではないため、慎重な態度で臨まなければいけないということでした。今回の場合、核の非人道性から核兵器を廃絶するという目標へ、共同声明に参加するというアプローチが正しい選択なのかということを精査しているとのことだった。

天野大使との面会は非常に短い時間でしたが、「物事の最終的な決定を下す政府の方」と「その物事に対して様々なアプローチをしている非政府の人や団体」との間にある雰囲気、意見の衝突、互いの思い等を体験することができたことは非常に良いことだったと思います。

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Sunday, 21 April

お騒がせしてすみませんでした。ようやくジュネーブにたどり着きました。

飛行機の遅延によりヒースローでの乗り継ぎができず、やむなくヒースローで一泊していました。そんなこんなでばたばたした出発だったのですが、この経験を通して改めてインターネット社会のすごさを、身をもって感じました。もし携帯電話がなかったら、もし携帯電話でインターネットが利用できなかったら、私はホテルや飛行機の予約が取れずジュネーブに行くことはできなかったでしょう。今、世の中はインターネットなしでは生活が困難なことを実感しました。このことは核兵器をはじめとする核問題についても同様です。すべてはコンピューターで管理されているのです。機械ですから当然故障はありますし、それらを操作する人間も誤った操作をする可能性は十分にあります。もし機械が故障して核兵器が自動発射されたら… 操作や指示に間違いにより核兵器が使用されたら… 私たちが住んでいる地球はどうなってしまうのだろうか。世界には現在約19,000発もの核兵器が存在しています。これらすべてが完璧に管理されることはほぼないでしょう。なぜなら、完璧でないコンピューターがそれを管理し、完璧でない人間がそれを操作するからです。そう考えると一刻も早い核兵器廃絶又は核兵器廃絶に向けた効果的なアプローチが必要です。私は、今回の経験からこのようなことを考えました。

ICANのイベントには、最後のセッション“Closing Remarks”からの参加となってしまいました。プレゼンテーターへの質問で、“私たちの国は、英語が母国語でありませんので、このWebサイトの言語を英語だけでなく、ほかの言語でも見られるようにしていただけませんか”というものがありました。この要望はシンプルですがとても重要なことにおもえました。全世界の全国民に目を向けると英語を流暢に使い、何の苦も無く読み書きができる人の割合はそんなに多くありません。ということは、せっかく様々なデータや情報を集めたWebサイトも一部の英語が使える人々には見てもらえるがそうでない人々に見てもらうには困難な点がいくつもあります。核兵器の問題は、一部の人だけでなくみんながそれぞれ考えるべき問題です。そのためにもできるだけ多くの人が閲覧できるよう英語だけでなく複数の言語で閲覧できるようなWebサイトを作ることはとても重要だと感じました。

今回は具体的なことについて報告できませんでしたが、明日以降は、本会議やNGOのサイドイベントに参加し学んだことや議論したことについてみなさんに報告できたらと思っています。

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