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Anna’s Blog

Friday, 26 April

今日で私のプログラムは最終日となりました。

まず国連外での活動としては、安全保障政策ジュネーブセンター(GCSP: Geneva Center Security Policy)を訪問し、施設やプログラムの具体的な説明を聞きました。ここでは、政府関係者や外交官、国際公務員や外交官などを養成しており、ITC(Master of Advanced Studies),ETC(Certificate of Advanced studies in Collaboration with university of Geneva),MISC(Focus on non-traditional issues and challenges)といった、1日の短期プログラムから年間を通しての長期コースまでのインターンプログラムを開設しています。

日本人の修了者の方もいらっしゃり、より身近に感じられました。

お昼にはニュージーランドの大使と30分弱会談する機会があり、日本の共同声明への署名拒否についても話題があがりました。大使曰く、市民、民間の力で政府を押していくべきだ、また他国と比較して、日本はその力が弱いことも問題である、だそうです。話の中で「Push !」という言葉を繰り返していたのがとても印象に残りました。

そして、夕方には日本の外交官の方を囲んでユース全員でお話を伺うことができました。

外交官の仕事内容という素朴な疑問から外交に関することまでじっくりと質問させていただきました。日本の外交を考える上で、核廃絶問題についても鍵となるのは「安全保障」問題である、ということを教えていただき、非人道性についての観点に偏って感情的になってはいけないことも理解することができました。コップ半分に水が入っているとき、それがHalf emptyなのかHalf fullであるのかとらえる客観的な視点が重要であるということもおっしゃられていました。

今日のこの三つの活動は前日または当日に決定したことで、この一週間、毎日急なチャンスや機会に恵まれ、出国前には考えられなかった想像以上のことを毎日経験してきました。

全てが想像以上で、普通なら手の届かない場所にあるものが、自分のちょっとした努力や勇気でそのチャンスをつかむことができ、将来につながっていくのではないか、そんな気がしています。ここで得たことは核廃絶問題に関する知識だけではありません。プログラム自体はここで終了してしまいましたが、少しやっと何か見えそうになってきた時点での終了は残念に思います。感じたこと・考えたことを大切にして、長崎でまた何か始めたい、始めなければ、という思いを強く持ちました。

第一回ナガサキ・ユース代表として、今後に繋げられる基盤を築いていきたいです。

(GCSPで説明を受ける様子) (GCSPセンター長フレッド・ターナー氏)

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Thursday, 25 April

午前中は、Peace Depot主催の「Denuclearization and Framework for Peace of Northeast Asia」にユース一同運営ボランティアとして参加しました。長崎市長・広島市長も被爆地としての考えを話され、ピースボート共同代表の川崎哲さんもモデレーターとして参加されていました。

先日、南アフリカが出した共同声明に、77か国が賛同する唯一の被爆地である日本が署名を拒否した、ということがyahooのトップニュースに掲載されるほど、大きな波紋をよんでいることもあり、このセッションでの日本に対する注目度は上がっているのではないかと思います。

セッション後、川崎さんに時間をとっていただき、ゆっくりと食事をしながら、この問題に対する疑問点などを率直に質問することが出来ました。

川崎さんによると、「日本が署名を拒否した」という表現で報道されていましたが、「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類の共存のためになる」の「いかなる状況下でも」という文言を日本の要求に従って削除してしまうと、制約が緩和されてしまうために、それならば、と“日本は拒否された”という見方もできる、ということです。

多くの日本人が唯一の被爆国である日本が署名に参加しなかったことに矛盾を感じていると思います。私も月曜日からこの会議場に実際にいてNGO団体の積極的な活動を感じたり、会議の国際的な動きの横にいたり、大使と会食をする中で、表現しがたいもどかしい思いをしています。

しかし、一方でユースのメンバーが企画した「SAKURA プロジェクト」(「あなたの愛するものは何ですか?」と投げかけ、核兵器はあなたの愛するものを一瞬にして消してしまう、という考えをシェアする企画)に協力してくれた人の中には、日本の被爆の為に祈り、毎年断食をしているという方々や、配布した被爆者の証言を一生懸命読んでくれる方にも出会い、まだまだ悲観せず前を向いて共に進んでいくべきである、と感じました。

参照
川崎哲さんのブログ http://kawasakiakira.at.webry.info/theme/8956851c4d.html

(Peace Depotのセッションの様子) (SAKURA プロジェクト(途中経過))

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Wednesday, 24 April

今日はジュネーブ日本語補習校を訪問し、平和教育の授業を行ってきました。日本語補習校についてほとんど知識がなかったため、どんな子どもたちが通っているのかも分からなかったのですが、明るく無邪気で、海外にいても子どもの姿は変わらないことを感じました。私のような他の地域で育って「平和教育」に馴染のない子どもたちが前向きに平和について考えることが出来る普遍的な教育方法を考えていきたい、と今回授業をさせていただきました。

私はこの授業を行うために平和教育の新しい展開が何か出来ないか、と長崎で事前にICTを使った教材を作成し、授業案を練ってきました。私自身、県外出身で、長崎で行われているような「平和教育」を受けたことがありませんでした。小学校の修学旅行で訪れた、広島の原爆資料館の見学が唯一の平和学習です。私は、その時、ケロイドや黒焦げの死体の写真を見た時の衝撃があまりにも大きく、平和への思いよりも戦争や核兵器に対する恐怖トラウマになっていました。そこで、実際の被害の写真は城山小学校や山王神社の鳥居を用い、人々の様子は紙芝居を使う、そして「ジュネーブにもし、同じことが起きたら・・・」ということを仮定して教材を提示するなど、過去から現在、未来へ、そして想像することで前向きに平和への思いを育んでいけるように、と工夫をしました。

授業の間には、子どもたちの素直な「え?」「本当?」という反応や、紙芝居を見つめる真っ直ぐな瞳に私自身感銘を受け、機材の不都合でうまく提示できないものもあったことがとても悔やまれます。どれだけ子どもたちに伝わり、どのようなことを考えていたのかは直接的には分かりませんが、帰国後アンケートを送っていただいたので、楽しみに待ちたいと思います。

また、これにとどまらず、帰国後も実践を積み重ね、長崎以外でも子どもたちが核兵器の問題を抽象的なことではなく、自分自身の問題として考えられるような方法を追い求めていきたいと思います。

今回、このような貴重な機会を提供していただいたことに深く感謝します。

(日本語補修校 玄関) (訪問メンバー)
(授業の様子)

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Tuesday, 23 April

今日はなんといっても、私たちナガサキ・ユース代表団が主催するワークショップが無事終わりました!

初めて訪れた場所で、そしてセッションの雰囲気や参加人数などほとんど何も分からない状況の中で行うのは、不安でいっぱいでした。

また一方で、わたしたちのセッションは本会議の間のランチタイムの時間帯であったこともあり、人が集まらず多くの人に長崎の思いを伝えることが出来なかったら…という不安もありました。

しかし実際、長崎市長をはじめ、昨晩のギャザリングで出会ったヨーロッパのユースの方々も含めて多くの方に参加していただくことが出来ました!!

今回のワークショップでは、私達が先月集中講義を受けた軍縮教育家のキャサリン・サリバンさんがプロデュースした「The Ultimate Wish」(究極の願い)という長崎の被爆者、下平さんの証言と福島の原発汚染による被害を受けている人々に焦点を当てたフィルムを流しました。

フィルム上映後は、少人数グループを作り、率直に「どう感じたのか」「どういうことを考えたのか」ということをディスカッションしながらお互いの思いや考えをシェアしていきました。参加者は皆フィルムの内容にとても感銘を受けているようでした。ドイツでは福島の原発事件以後、原子力発電をやめ、ソーラー発電や風力発電に代わっていった、という話をドイツの学生から聞き、田上市長とともに「被爆地であり、原発事故が起こり、核問題が大きな問題である日本こそ、現在の状況からして、核兵器廃絶へ遠いのではないか」という結論になりました。参加者の多くの人が「このフィルムを多くの人に見てもらい、私達と同じような気持ちを感じてもらいたい」と話してくれました。

長崎の思いを伝え、参加者と思いを共有できたのではないかと思います。

ここにとどまらず、まずこのワークショップを第一歩として、長崎の思いを伝えていかなければ、と強く思いました。

無事終えることができ、協力してくださった周りの方々、参加者の方々、そして温かく見守ってくださった皆様に感謝しています。

(ワークショップ最終準備・打ち合わせの様子) (ワークショップの様子)
(ドイツの若者とディスカッションされる田上市長(左奥))

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Monday, 22 April

今日からいよいよ国連で、NPT再検討会議第二回準備委員会が始まりました。

国連や国際的な会議というと、各国のトップが集い、私たちにとってはとても遠い存在で硬いイメージが強くあるのではないでしょうか?

今日は、ジュネーブ市内にある日本政府代表部で広島・長崎両市長と一緒に天野大使へ表敬訪問をする機会をいただきました。表敬の中で私達は、長崎からの学生として日本政府へ、「非人道性」の観点から率直な質問や意見を伝えることが出来ました。しかし、政治の複雑さや難しさを感じ、被爆国であり非人道性を訴えるべき日本でさえ、なかなか動きのない状況に非常にもどかしい気持ちになった、というのが正直な気持ちです。

しかし、実際ジュネーブの国連本部内の様子はイメージと随分違う印象を受けました。

まず、本会議の傍聴席には、ヨーロッパから集まった、私たちのようなユースの姿が多くあり、一方で年齢層の高い人々が自分たちの主催するセッションを宣伝するために、フライヤーを配っている姿も多く見られました。

カフェテリアには小さい子どもの姿や、日本人のガイドツアー客もいたりと、一般の人もいて、思っていたより随分、馴染みやすいものであるように感じました。

また、ヨーロッパのユースの核廃絶への活動は、日本の核廃絶運動と比べると、とてもフランクです。会議が終わった後、市街のBarでお互いの自己紹介をしながら、自由に会話する中で、コネクションを築いていきます。

核兵器廃絶という、大きく深刻な問題に、自分たちも様々な人と出会い、話をすることを楽しみにして、その会話の中からつながりや新しいアイディアが広がっていくフレンドリーで明るい姿勢がとても印象的です。

日本でも、このような形で、ユースのつながりを大切にしてポジティブな姿勢で、協力できるようなネットワークづくりを進めていけるようにナガサキ・ユース代表団から発信していきたいと思います。

(国連でID取得) (天野大使の表敬訪問(右から5人目))
(informal youth gathering)

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Sunday, 21 April

1日に吸収する知識の量が大きすぎて、また英語での理解の為、消化不良の部分も多々あり、とてももどかしい思いもする1日でもありました。分からないところが分からない、具体例として挙げられているものさえ、何のことか分からないという状況が度々あり、1日中話を聞きながら、膝の上ではネットでの検索をし続けるという状況です。

今日はicanキャンペーンの2日目で、よりトピックも具体的になり、話題が世界各地のことに広がっている印象を受けました。私自身、核兵器の問題は核保有国と被爆国である日本の間の問題ばかりであると思っていたのですが、今回、話の中にモンゴルや南アフリカ共和国、そしてメキシコなどの名前も出てきていて、核問題がより世界的な課題であることに気づかされました。2日間のメイントピックとなったのは、メキシコについてです。

今年3月に、ノルウェーで開催されたオスロ会議に続き、6月にメキシコでフォローアップ会議が行われる予定であり、そこでの論点やそこまでのicanの活動の仕方が主にディスカッションされました。ここ数年、オスロ会議でもあったように核の「非人道性」が注目されており、次回のメキシコでの会議でも、その点を要として、icanとしても核廃絶を訴えていくようです。

長崎、日本に住んでいる私たちにとっては、核兵器がいかに「非人道的」であるかは、広島や長崎を例に挙げて、当たり前のこととして皆が理解していることです。しかし、世界規模でみるとそうではありません。

2012年にオーストラリア、ブラジル、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、韓国、イギリス、アメリカの若者、計2,840名を対象にして行われた調査によると、イギリス、アメリカでは、「核兵器が非人道的であると思うか」という質問に対して約15%もの人が、「分からない」または「いいえ」と答えているという結果が出ています。

icanのように若い世代が中心となって核兵器の非人道性を訴えながら核兵器の廃絶を訴える活動の行動力を感じて、若い世代かつ長崎という核の非人道性についてアピールするのに最も効果的な場所にいる私たち長崎のユースは、今こそもっと積極的に世界のユースをリードしていけるように発信していく必要性と責務を感じました。

明日からはいよいよ、国連での会議が始まります。ナガサキ・ユース代表団から発信できる貴重な機会も十分に生かしていきたいです。

icanについては以下のリンクをご参照ください。
ican(英語)http://www.icanw.org/
ican サポーターズ ジャパン (日本語)http://ican-j.com/

(前で発表されるRECNA中村准教授) (テーマ別ワークショップ)
(全体)

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Saturday, 20 April

前日の夕方、35時間以上の移動を乗り越え、無事ジュネーブへたどり着きました。
ジュネーブは、コートを着ても肌寒く、曇っていて風も強いため、日本の2月くらいの気温ではないでしょうか。

今日は初日で、icanが主催する核兵器廃絶のための国際キャンペーンに参加しました。

午前10時から始まり、午後6時までオープンディスカッションやヨーロッパなどの地域に分かれたディスカッションもあり、参加者が主体的に参加することが出来るプログラムとなっていました。

参加国は、
オーストラリア、フランス、ドイツ、スウェデーン、イギリスなどのヨーロッパはもちろん、カナダ、アメリカ、メキシコ、ブラジル、メキシコ、フィリピン、ネパール、韓国、フィジー、ナイジェリア、チュニジア、南アフリカ共和国、世界各国から集まっていました。参加者の多くは英語が母国語ではない国の人々であることも興味深かったです。

ディスカッションの中では、このような様々な国同士でネットワークを広げるためには、言語的な問題もあるということも何度か出てきており、休憩中にドイツの活動家と話した中で、今この場に参加している人同士でさえ、各々の国の特有の訛りが英語にもあるために互いに理解することが難しいという問題もあるようです。

人々の発言や事象が、解釈の仕方によってニュアンスが変わってしまい、誤解が生じてしまうことはないのか、という疑問が湧きました。私も英語での理解に自信がないため、ユース同士での情報交換がとても重要かつ不可欠であるように感じました。

月曜日からのNPT会議では、より様々な情報を消化しなければならないので、お互いシェアしあうことで情報の正確さや知識量をみんなで増やしていきたいと思います。

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