長崎の証言
趣旨
「長崎の証言の会」発行の雑誌『長崎の証言』は、長崎で最も大きな被爆体験の資料群の一つであるとともに、原爆に関する文学・芸術作品、平和教育教材、時評、時々の運動の展開やその感想、資料などの種々の原稿が掲載され、1960年代後半以降の長崎の原爆被害、核にまつわる動きや市民運動をめぐる戦後史の貴重な資料群ともなっている。長崎の戦後史を繙くデータベースとしてこの情報を活用するため、同会の協力を得て、目次のデータ化およびニュース・通信のPDF化を行い、広くその成果を公開する。
※データ化には、2014・2015年度科学研究費『「証言」という語りの形成と変容――長崎の原爆被害を事例として』(課題番号:26885058)を使用した。
長崎の被爆体験証言運動と「長崎の証言の会」
1967年の厚生省による「原子爆弾被爆者実態調査」第二次報告の「健康・生活の両面において、国民一般と被爆者の間には著しい格差はない」という結論に対する批判から、被爆者と市民の手で実態調査が進められる中で、1969年に調査結果や証言記録を収録した『長崎の証言』が創刊された。発行の母体となった「長崎の証言の会」は、思想や党派の違いを越えて戦争と原爆の残虐性と非人道性を告発・証言することを目的に、草の根の市民運動として、現在に至るまで雑誌や関連書籍の出版、フィールドワークなどを行っている。雑誌『長崎の証言』は、名称変更しつつ、約半世紀の間に72巻(2016年3月現在)が発行され、長崎独自の被爆体験証言運動を牽引してきた。
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