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Susumu’s Blog 【Get to the core!】

 

No.0, Thursday, 27April

(長文ですが、最後まで読んでくださると幸いです。)

みなさんこんにちは。ナガサキ・ユース・代表団の立石 丞と申します。

普段は長崎県立大学 国際情報学部 国際交流学科 4年です。

趣味は主に写真とツーリング・ドライブで休みの日は

長崎と佐賀を中心によくドライブしています。二年前は九州一周をしてみました!県立大生二人目のユースとして日々奮闘していきますので

これからもよろしくお願いします!

さて、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、私たちユース代表団は5月2日から開催されるNPT再検討会議第1回準備委員会を傍聴、プレゼンをすべくウィーンに集結しています。私はおとといの夜遅くにウィーンに到着し、現地でこのブログを書いています。大韓航空で福岡空港から仁川空港を経由してウィーンへついにやってきました!約11時間のフライトで身体はもうバキバキです…

さらに現地では日本と比べて肌寒く、コートを持ってきて正解でした。昨日はさっそく会議が行われる国連都市の下見に行きました。駅を出てからすぐ、見上げてしまうくらいのその大きさに驚くとともに、ここで自分達は発表をするのだと思うとワクワクが止まりませんでした。

振り返ってみればユース5期生として任命されてからはや5ヵ月。2年前くらいからこの活動に興味はあったのですが、他にやりたいことがあったこと、少しでも勉強を積み重ねておいたほうがよいと思い、この気持ちをずっと心の中で温めてきました。

そして大学生活最後の年、ユースに参加するというのは自分が長崎で過ごして得たものの集大成となるでしょう。

この思いを持ち始めたきっかけとはもともと宮崎出身である私にとって

「せっかく長崎にきたのだから何か長崎らしいことをしてみたい」と思ったことからでした。そこで始めたのが「長崎市青少年ピースボランティア」です。そこでは原爆や核兵器が長崎にどんな被害をもたらしたのかと若者がいかにして平和を発信していくのか学習できました。

学習を進めていくうちに特に衝撃を受けたのは広島の原爆資料館で観たビデオでした。放射線による影響のコーナーでお母さんの胎内にいる子どもが放射線を浴びたことで重い脳障害を患い、現在もご家族のお手伝いなしでは生活が難しいという内容でした。まだ生まれてもいない子どもがこんなに長い間苦しんでいるということに対し、ショックを受けました。今まで本人やご家族が受けてきた苦痛は耐えがたいものだったと思います。核兵器の影響は使われる一瞬だけではなく、未来にも残っていくのだと改めて認識しました。果たしてこれを将来に残しておいていいのだろうか。そんな疑問が今の活動の原動力となっています。

ところが想いだけでは世界を動かせないのも事実です。大学で安全保障の授業も受けており、核兵器国のロジックも理解し始めてくると、彼らを核廃絶へと説得するには現実的に何が必要なのか考えなければいけないと感じました。そんなときに出会ったのがナガサキ・ユース代表団でした。実際に核問題の最前線にいる各国政府関係者やNGOの方、市民団体の方々と幅広い意見交換ができるところに魅力を感じています。今までの勉強会では自分が気づかなかった核問題へのアプローチに出会えてとても刺激的でした。

核問題を解決と向かわせるには問題を根本的な視点から捉えなければならないと個人的に感じています。そこで私のブログのテーマは”Get to the Core!”にしました。もともとは”Get to the Point!”(本質を捉える)”にしようと思いましたが、ここはあえて核問題の”核心”とかけてみてCoreにしてみました。ただのギャグか!と思われてしまうかもしれませんが。(笑)ユースの任期を通して核問題解決への自分なりの答えを追求するという意味もここには込められています。

問題を根本的に捉えた結果、果たしてどこに行きついたのか。それは国連内で発表する予定ですので、またそのときに書きたいと思います。

ここまでアレンジやサポートをしてくれた中村先生を始めとするRECNAの先生方、そして応援やコメントをくださったユースの先輩方・皆様方には深く感謝しています。

私たちだけではここまで来られなかったであろうし、このような恵まれた機会というのは滅多にないと思います。そしてユース代表団5期生のみんな。個性的なメンバーが勢ぞろいで勉強会やミーティングなど楽しく過ごせました。会議ではこのメンバーだけでしかやれないことをやりましょう!

会議期間中ブログは毎日更新していきますので

これからもぜひご覧ください。

思いが溢れてしまうあまり長文になってしまいましたが

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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No.1, Tuesday, 2May

こんばんは。ナガサキユース代表団の立石です。ついに本日からNPT再検討会議準備委員会が始まりました。着いてから早速席の確保と建物内部の把握をしましたが、会議が始まる前から政府代表者たちやNGOの方々の会話で賑わっていました。ここで会議の流れについて簡単ではありますが、ご紹介します。
会議は午前と午後の二部構成で午前の部は10:00-13:00、お昼の休憩二時間をはさんで午後の部は15:00-18:00となっています。会議場は政府代表者が議論をする部屋(公開されています)とそれと同時並行でNGOがサイドイベントを行う部屋、あわせて二つの部屋があります。今日は主に政府代表者の方の部屋で傍聴しましたのでそれについて書くことにします。

本日はNPTの事務的な手続きの確認の後、各国や国際機関がそれぞれ順番に一般演説を行いました。最初に演説した国は…日本でした。そして演説をしたのは岸田外務大臣でした。私が傍聴した国際会議のなかで閣僚級の方が来るのは初めてだったので、この話を朝聞いたときは驚きました。それほど北朝鮮情勢が緊迫していることの表れなのか。でも、核兵器禁止条約の件で国際的なプレッシャーを感じていながらも何を伝えたかったのか。今ここで大臣が来られた意図がとても気になりました。前半は非人道的アプローチを唱えていましたが、後半は北朝鮮は国際社会の脅威となっていることを非難したうえで現実的なアプローチをとっていくことが大事だと主張していました。確かに相手との信頼が成り立っていない状態で自ら核に頼らない選択をするというのは困難だと思います。ところが、北朝鮮もアメリカを意識した核開発を継続していることから、お互いが核抑止論を主張している限り、ますます緊張が高まってしまい、事態が悪化してしまうこともありえます。また北朝鮮情勢を考慮しつつとあったのですが、緊張を緩和させるシナリオを用意しているのかとても興味を持ちました。

核軍縮と少し話がそれてしまいますが

今日の議論で初めて知ったのは放射線科学技術が様々な面で役立っており、IAEAが途上国へそうした技術協力プログラムを行っているということでした。少し調べてみたのですが、医療面ではがん治療の応用拡大、患者や技工士の放射線防護に、農業面では害虫の不妊技術適用や病気・かんばつに強い果物やマメ科の品種改良に役立っているそうです。その結果途上国での国内消費や輸出の増加が見られています。核軍縮と開発経済一見つながりがなさそうに思っていましたが、意外なところでつながったので新しい発見だったと思います。

北朝鮮情勢と並んで多くの国が主張していたのはテロリストが核を持ってしまう可能性があるということです。テロリストに核物質が行き渡らないように各情報機関や国際機関でどのような形で情報共有をしているのか。もし持っている場合、どのように対処するのか、また原子力関連施設のセキュリティの強化などこれから各国際機関を訪問する予定なので尋ねてみたいと思います。

各国の一般演説は時間も5分と決められていますので、本当に自分の国にとって重要な要素が詰まっています。それを聞いていくことで、各国の核政策の基本的なスタンスというものをざっくりと把握できたと思います。今度は会議のなかで出てきたキーワードを絞って、ほかの国ではどのように触れられるか聞いていきたいです。また明日はCTBTOのブリーフィングに参加する予定なので明日のブログもぜひご覧ください。読んでいただきありがとうございました。

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No.2, Wednesday, 3May

ウィーンからこんばんは。
今日はNPT検討会議2日目でした。
少し朝寝坊をして朝ごはんをホテルで済ませることが出来なく
結局スーパーでパンを買って会場に持ち込むことに(笑)

今日一日も盛りだくさんの内容でした。

今回は

〇9:00-9:30 NGOとオランダ政府の意見交換

〇9:45-10:30 CTBTO見学

〇14:20-14:50 ICRCとの意見交換

〇15:00-18:00 NGOの一般演説

〇19:00-21:00 ウィーン大学学生と意見交換

についてお話ししたいと思います。

〇9:00-9:30 NGOとオランダ政府の意見交換

本会議が始まる一時間前、各国政府とNGOが直接意見交換をする場が設けられているので、傍聴しにいきました。今日はオランダ政府とNGOです。オランダはNATO諸国のなかでも核兵器禁止条約に参加した国です。アメリカの同盟としては非常に珍しいケースなので、それほど政府が核廃絶に対して強い意思を持っているのかと考えていました。ところが、オランダ政府との回答のなかで核兵器禁止条約でNPT体制に大きな衝突を与えたくない。対話を積み重ねていくことが大事だとおっしゃっていて、自分が考えていることとのギャップを感じました。後ほど聞いて分かったことですが、

オランダは核廃絶を訴える市民社会が影響力が強く、野党も圧力をかけているそうです。これを聞いたときに日本とオランダは似たような立場だと感じて、けれども市民運動次第で政府の方針を変えることが出来ることが分かりました。その点でまだまだ日本国内では核問題への認識が広まっていないのではないかと考えました。

〇9:45-10:30 CTBTO見学

ウィーンでは様々な国際機関の本部があり、建物内に本部があります。その一つがCTBTOです。CTBTOとは核実験を禁止する条約であるCTBTの運営をサポートする国際機関です。具体的には各国が核実験を行っていないか世界中で監視する役割があり、その手段として地震波や水中音波、放射性核種の検出が利用されています。そのためコンピューター応用に詳しい方もCTBTOに務めておられ、その方からもお話しを伺うことが出来ました。個人的に疑問に思ったことは宇宙開発も進んでおり、さらに宇宙では強い放射線が存在しており核実験による放射線との区別がつぎづらいことから、それに乗じて宇宙で核実験を行う国が表れるのではないかと思いました。(もちろん、宇宙条約により禁止されていますが。)そこでその監視システムとして宇宙でもそうした観測所を立てる予定はないのですかと聞いたところ、かつては放射線の一種であるガンマ線を探知する観測所を立てる予定はあったそうですが、頓挫してしまったそうです。さらに各観測所から送られてくるデータをチェックする24時間体制のモニター室を見学することも出きました。核廃絶の検証制度として重要な役割は果たしているCTBTOを見学出来たことは一つの大きな経験だったと思います。

〇14:20-14:50 ICRCルーさんとの意見交換

本会議午前中の部も終えて、昼食をとっているとICRC(赤十字国際委員会)のルーさんという方とお会いすることができ、たまたまお時間がとれるとのことだったので、お話を伺うことが出来ました。政府の一般演説を聞き続けていると、核兵器の非人道性について主張しているけれども、国家の安全保障を優先させているように感じており、そこで考えてみれば核兵器の威力がとても大きいことから使用されたら他国にも被害が及ぶことから核兵器は決して国家の安全保障のみではなく地球全体の安全保障としても考えるべきではないのかと思い意見を伺いました。すると返ってきたのは国家の安全保障としての核兵器の役割は縮小しており、核兵器禁止条約はそのような意味で核兵器国にプレッシャーを与え続けているとおっしゃていました。条約により国際的な規範を作りあげていく姿勢が強く感じられました。

〇15:00-18:00 NGOの一般演説

核廃絶に関して取り組んでいるのは政府のみならず、市民社会も共に解決案を考えています。ところがもともと核廃絶が安全保障というとてもセンシティブな要素を含んでいたため、市民社会がこうして国際会議で発言できるということはここ最近になってのことです。被爆者を最初に広島と長崎の田上市長とNGOの発表と続きました。

特に田上市長の「長崎にぜひきていただいて、目で見て、耳で聞き、感じてください」という一文が印象に残りました。理論も大切ではありますが、人間は感情によって動かされるということも忘れないでおきたいと改めて思いました。その後のNGOは核廃絶への具体的な提案が多くなされていました。そのなかで印象に残ったのは核兵器国による「核の近代化」でした。潜水艦による弾道ミサイル開発やICBMの性能向上が最新のデータをもとに挙げられていました。NPT第6条で核兵器国は軍備縮小において誠実に交渉するとありますが、まさにそうした条約と逆行しているという内容でした。もしこの状態が続くとすれば、条約を守っている非核兵器国との溝が生まれてしまい、彼らがさらに核を保有するインセンティブを与えてしまうのではないかと考えました。だからこそ先進国にまず出来ることとして「核の近代化」を控えることを目指すべきではないかと思いました。

〇19:00-21:00 ウィーン大学日本学専攻の方との意見交換

今日は現地の学生とも交流することが出来ました。ウィーン大学に日本学専攻があり、本日の会議が終わったあとそこへ訪問しました。みんな流暢な日本語を話しており、自分が今まで会った外国人の中で最も日本語が上手い方たちでした。グループごとにテーブルを囲みながら好きなクラシック音楽や行きたい場所を話した後、最後に原子力と再生可能エネルギーのディスカッションをしました。オーストリアでは豊かな水資源のおかげもあってか水力発電が主流になっているらしく、総電力需要の約半分を賄っており、さらには外国へも電力を輸出しているそうです。いずれは原発がなくても供給できるとも言っていました。その点で日本ではコストの問題で再生可能エネルギーを選択をすることが難しい状況で、厳しい市場競争の中でまだまだ課題が残っています。

〇ウィーン大学日本学専攻の方と意見交換したのち、学生同士で食事会をしました。

現地での生活や、授業の話、ヨーロッパ旅行いろんな話題で盛り上がりました。やはりご飯を食べながら話すと仲良くなるというのは本当ですね(笑)

明日への活力が得られたというところで今回はここまでにします。

読んでくださった方、ありがとうございました。

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No.3, Thursday, 4May

みなさんこんばんは。ウィーンに滞在してから間もなく2週間が経とうとしており、もうすっかりと現地の空気を好きになってしまいました。今日は会議が始まってから最も移動が多く、忙しい日でした。今日ご紹介したい活動はこちらです。

〇9:00-11:30 各国政府の一般演説

〇11:45-12:20 IAEA天野事務局長 表敬訪問

〇13:00-15:00 ドイツの大学生(ダルムシュタット工科大学、ハンブルグ大学)との意見交 換会

〇16:00-17:00 在ウィーン国際機関 日本政府代表部訪問

〇19:00-21:30 チーム長崎食事会

〇9:00-11:30 各国政府の一般演説

会議の最初に行われる各国政府の一般演説もいよいよ大詰めを迎え、途上国政府からの一般演説も増えてきました。特に印象に残ったのはコスタリカの演説でした。皆さんもご存じの通り、コスタリカは伝統的な平和善隣政策をとっており、常備軍の不保持で有名な国です。コスタリカは今こそ国家安全保障から人間の安全保障にシフトするときだと主張しており、気候変動や貧困こそが国家にとっての真の敵であるとしたうえで、それらの問題は核兵器を使うことでは解決できないと述べていました。最初、私はこの方針の転換について国家の生命が保障されているからこそ、それらの問題に取り組めるのではないかと考えていました。ところが、こう捉えることもできます。気候変動や貧困といった問題に取り組んでいくことは人々の不安や不満を取り除くことに貢献し、相手国の資源獲得を原因とする戦争を防ぐことにもつながりうるのではないかと。もちろん、戦争の要因についてはこれとは異なる例があるのでこれが一つの答えというわけではありませんが、戦争の要因を少しでも取り除くことにつながりうるのではないかと思います。みなさんはこの問題についてどのようにお考えですか。

〇11:45-12:20 IAEA天野事務局長 表敬訪問

昨日も申し上げた通り、国連ウィーン支部には様々な国際機関が存在しており、昨日はCTBTO訪問。そして今日はIAEA(国際原子力機関)へ訪問させていただきました。

このIAEAの事務局長。実は日本人の方が務めておられ、天野之弥さんという方です。表敬訪問ではそれぞれの自己紹介をした後、各々IAEAの活動について質問をしました。核物質の移動についてIAEAが査察を行うので、もし違反された場合IAEAがある程度結論を出して各国政府に報告するものだと考えていました。ところが、査察と意思決定は別のもので、意思決定は各国政府の役割で、そのなかでIAEAはデータ提供を通して各国の努力を助ける役割を果たしていることが分かりました。機材の提供や人材育成を通した具体的な措置をとっているそうです。政府と国際機関が連携して政策の方向が決まっていくことを実感し、国際機関で働くことの魅力を感じました。

〇13:00-15:00 ドイツの大学生(ダルムシュタット工科大学、ハンブルグ大学)との意見交換会

NPT会議に参加しているのは日本の若者だけではなく、ドイツからも多くの若者が参加しています。そこで、せっかくなので午後は国連を離れ日本の若者とドイツの若者で意見交換をしました。ドイツの学生が圧倒的に数が多かったので、こっちのメンバーが一人ずつグループに入ることになりました。トピックは①原子力の平和利用と再生可能エネルギー②核抑止力③負の歴史の捉え方と乗り越え方について話しました。そのなかで意外に思ったのは一緒に話したドイツ人学生が再生可能エネルギーに対して楽観的な意見を持っていたということです。前回申し上げた通り、日本でいえば再生可能エネルギーのコスト非常にかかるので、ドイツも同じような答えが返ってくるのではないかと思っていたからです。ところが、ドイツの学生によると再生可能エネルギーのなかでも風力発電が最もさかんであり、短期間でそのような技術が発展したことからいずれは原子力発電に頼らなくても電力を賄えるそうです。ドイツ政府では2022年までに原子力発電稼働を停止する計画ですが、電力会社による巨額の賠償金や再生可能エネルギー移行に伴う電気料金の向上といった課題を抱えるなか、どのような方法で対策が進んでいくのかこれからも注目していきたいと思います。他にももっと書きたいところですが、自分の英語力不足もあり、明確に書けるのはここまでです。議論するということは相応の語彙力と知識両方兼ね備えていなければ成り立たないことを痛感しました。本当にもどかしく感じたときもありました。英語力を上げるために取り組んでいること、何かみなさんのほうであればぜひ私にアドバイスをください。

〇16:00-17:00 在ウィーン国際機関 日本政府代表団訪問

昼食をとったあと、日本政府の北野大使と秋山公使にお会いする機会をいただきました。広島の高校生も一緒に参加することになり、NPTに関することから若者たちに出来る平和活動に至るまで幅広い意見交換がなされました。核廃絶のアプローチにについては、核兵器禁止条約がもたらす結果についてお話を伺うことが出来ました。現段階において核兵器国を国際的規範で圧力をかけたとして、果たして禁止条約に加盟するのか。それはどのような形であれ、核兵器国にとってみれば大きなデメリットを背負うことになるので困難であるという意見もあります。今回のお話のなかで、核兵器国を動かすために必要なことは核を持つことのデメリットのみならず核をなくすメリットも掲示していくことだと感じました。個人的にこれはとても興味深いテーマなので、様々な人との議論を通し、考えていきたいと思います。

〇19:00-21:30 チーム長崎食事会

NPTでは田上市長も参加しておられ、今日のIAEAの表敬訪問で同席させていただきました。こうしてお会いできたのもせっかくの機会なので今夜ご一緒に食事をすることになりました。前回の記者会見ではあまり時間がとれなかったので、今回はじっくりとお話できました。とても優しくお話を聞いてくださる方で、私たちに多くの励ましの言葉をいただきました。市長の様々な一面が見られて、楽しい食事会でした。

いよいよ明日は私たちもアクティビティを行います。オーストリア日本人学校での出前講座です。どのような講座になるのでしょうか。明日のブログもお楽しみに。

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No.4, Friday, 5May

みなさんこんばんは。今日は5月5日で日本ではGWの最後、こどもの日にあたりますね。ところがウィーンではそのような祝日は存在しておらず、今日もいつも通りNPT会議が行われました。そして今日は私たちのなかで初アクティビティをしましたので、それについてもご紹介します。今日の内容は主にこのような感じです。

〇10:00-12:00、15:00-18:00 クラスター イシュー1(核軍縮)

〇12:00-15:00 ウィーン日本人学校で出前講座

〇10:00-12:00、15:00-18:00 クラスターイシュー1(核軍縮)のその前に…

各国の一般演説も終えて、いよいよ本格的に会議へと入ります。ここでユースのブログを読まれた方で、現在私たちが参加している会議では一体どんなテーマが話し合われているのか気になった方もいらっしゃるかもしれません。そこでまずはじめにNPTについてご紹介いたします。NPTとは核兵器を拡散させないための条約であり、1970年に発効されました。その具体的な内容として「NPTの三本柱」があるといわれています。一つ目に1967年1月までに核兵器を製造し、実験のための核爆発をさせた5か国米・露・英・仏・中を「核兵器国」と定め、「核兵器国」以外への核兵器の不拡散を求める「核不拡散」。

二つ目に「核兵器国」も「非核兵器国」の核不拡散と同様に義務が課せられており、自分たちが持っている核兵器をなくしていくための交渉を誠実に行うことを求める「核軍縮」。そして三つ目に原子力を軍事的にではなく平和的に利用していこうと取り組む「原子力の平和利用」に分かれています。この会議のクラスターイシューではこの「NPTの三本柱」をもとに議論が進んでいきます。クラスターイシュー1が「核軍縮」、クラスターイシュー2が「核不拡散」、クラスターイシュー3が「原子力の平和利用」と進んでいきます。ちなみに会議では各国政府が質問を互いにぶつけたりはしません。ステートメントと呼ばれる声明を政府代表者が決められた時間内で順番に行っていく形です。声明が終わったらすぐに別の政府代表者へとバトンタッチされます。このような形で会議が進んでいきます。

〇10:00-12:00 クラスターイシュー1(核軍縮)

今回も傍聴席で各国のステートメントを聞いたり、アップされている文書を読んでいるとふとしたことに気づきました。今年3月の核兵器禁止条約交渉での日本政府によるステートメント。核兵器禁止条約交渉は『「核兵器のない世界」に対して現実に資さないのみならず,核兵器国と非核兵器国の対立を一層深めるという意味で,逆効果にもなりかねない』。核兵器国と非核兵器国の溝が大きくなっていくなかで、日本政府はこのような見解を示しました。ここで個人的に疑問に思ったことは「核兵器国も含め核兵器のない世界という共通目標は同じであるはずなのに、なぜ、こうした溝は生まれてくるのか」ということです。核の非人道性を唱える国のなかには禁止条約を制定することにより、核兵器を悪いものだとする国際的な規範を形成していこうとする国もあります。それは倫理や規範の要素が強いものだと考えられます。一方で、核抑止論をとる国例えば、アメリカの今日のステートメントを振り返ってみると自分に軍縮を求められるが「他の核兵器国も核兵器を開発させ、性能を向上をさせていること」「北朝鮮が国際社会の平和や安全を脅かしている」事実を「無視することはできない」としたうえで、国際社会の平和や安全のために核抑止は不可欠だと述べています。

ここで、私が今まで受けてきた話と合わせて考えてみると、アメリカによるこれらの発言というのは「核兵器が悪いものであるにせよ、悪いものではないにせよ、今現在自分が生き残るために必要なものだから、核兵器を残すべきだ」といっているように聞こえてしまうのです。ここで議論がかみ合っていないからこそ、溝が埋まらないのではないかと思いました。ここが非人道性・国際的規範アプローチの限界ではないかと個人的に感じています。ここで核兵器国を動かすためにはどうすればよいのでしょうか。それは「核兵器国に核兵器は必要がない」と説得し続けることだと考えています。地球規模でのリスク、核兵器を完全にコントロールすることが出来ないことといった視点で相手を地道に説得することが必要になってくるでしょう。最近の核廃絶の議論において、核兵器の必要性に突き詰めた視点がまだ十分ではないのではと思います。また必要性を否定しながらも、核廃絶へとさらに後押しさせるのが「非人道性・国際的規範アプローチ」と捉えています。したがって、核廃絶に必要なのは核抑止の合理性に疑問を投げかける「核の必要性を否定するアプローチ」と核兵器国の心に直接働きかける「非人道性・国際的規範アプローチ」両方だと思います。核廃絶アプローチについての新しい視点が見つけられたので、これは大きな収穫だったと感じます。

〇12:00-15:00 ウィーン日本人学校での出前講座

ユース代表団では平和教育を各地で広めようと、出前講座をこれまでに行ってきました。今回はウィーン日本人学校で出前講座をさせていただく機会をいただきました。校舎へお邪魔すると、早速子供たちはドッジボールで遊んでいました。彼らから誘ってもらえたので一緒に遊んだのですが、子どもたちのパワーの前ではボロボロでした…(;’∀’)一緒に遊んで仲良くなったところで、小学校低学年と小学校高学年・中学生に分かれて授業を始めました。私は小学校高学年・中学生の組についていきました。

私はここで子供たちの素直なところと柔軟なところにただただ驚くばかりでした。

長崎で投下された原爆の話と今現在ある核兵器の話をしたのですが、話の合間合間に子供たちの質問が飛び交いました。私たちでも聞いただけでは流してしまうようなところに質問が多かったです。さらに核兵器の数を表した実演や被爆者のビデオのあとの意見交換でも、感じたことを素直にいってくれるだけではなく、なかには自分たちだけで話を広げて多様な視点から意見を言ってくれる子供たちもいました。自分が子どもに教えるために来たはずが、自分もささいなことでも疑問を持ってみる、物事を広い視点で捉えるといった姿勢を子どもたちから教わりました。

ここから「平和教育」に話を移しますが、私が小学校・中学校のときにはここまで多くの時間を使って「平和教育」を受けることはあまりありませんでした。もし自分も子供たちと同じ時期に今日のような授業を受けられたなら、もしかしたら今の自分はまた変わっていたかもしれない。そんなことを感じながら授業に参加していました。

会議が始まって以来、毎日どこかで新しい刺激を受けています。

前半はすみませんが、その活動を伝えるというよりは思ったことをバーッと書いてみました。やはりこの感覚は今でしか分からないと思っているからです。ここまで読んでくださり、ありがとうございます。みなさんのいいね!やコメントがこのブログを書く励みにもなります。これからもいろいろな発見をしていきますので、よろしくお願いします。

(写真はウィーン日本人学校の校庭です。芝生にはタンポポの花とマーガレットの花が咲いていました)

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No.6, Tuesday, 9May

みなさんこんばんは。ウィーンは現在、午前一時を回ろうとしています。
朝昼夕は会議、夜は全体ミーティング、そして深夜は当ブログ更新の毎日を繰り返しています。ここまでしっかりとした理由で夜遅くまで起きているのは高校の受験勉強以来です。この生活をここまでやってこられたということは、自分にはまだ体力と気力があるんだと感じさせてくれています。それほど毎日毎日が濃くて新鮮な経験をさせてもらっていると思います。今日もそんな一日でした。今日の内容は以下の通りです。

〇9:00-12:00 IAEA ショートプログラムトレーニング

〇13:00-19:00, 20:30-23:45 国連自主ワークショップ準備

〇9:00-12:00 IAEA ショートプログラムトレーニング

今日も引き続きIAEAのショートトレーニングプログラムでした。昨日は主にIAEAの検証制度について(No.5参照)座学が中心でしたが、今日は検証制度に使う探知機を使ってみるなど実践的な内容でした。最初に核物質の核エネルギーの波形から核物質の種類を推測する体験をさせてもらいました。核エネルギーの波形の分布をソフトウェア解析により核物質を特定するそうです。(間違っていたらご指摘ください。)当然この手の話は文系の私に分かるわけもなく。(;’∀’)でも、普段の生活では触れることがない装置に触れられて楽しみながらトレーニングを受けることが出来ました。また、核物質の容器が開けられてもすぐに分かるように容器にシールを貼る作業といった実際現場で行われる技術について教えていただきました。私もやってみたのですが不器用なのでどうも向いていないようです。体験や実演する機会も多くみんなのテンションも上がっていたと思います。後半にIAEAとCTBTOの日本人職員の方々と意見交換をしました。私たちの方から日本に大量に残っているプルトニウムの使い道やイランの核開発疑惑の際の職員の方々の反応、外国語の学習の仕方、仕事と家庭の両立など多岐にわたる質問をさせていただきました。現場での話は職員の方々からしか伺うことは出来ませんし、以前に勉強したことが具体的にイメージできた瞬間でした。またそういった技術を少しでも多く理解できるように物理をもう一回勉強し直したいとも思いました。

〇13:00-19:00, 20:30-23:45 国連自主ワークショップ準備

いよいよ明日、ユースにとって最大の山場を迎えます。国連の会議場をお借りして各国関係者とNGO関係者に向けてプレゼンテーションを行うからです。テーマは「Why is youth action so important? ~Challenge of Japanese and Korean students~」です。テーマをみても分かる通り、韓国のチョンボク大学の学生との共同発表となります。ユースにとって外国人学生との共同発表は初めてなので、これを最大のポイントにしています。過去や現在を含めた核問題が日本国内、日中韓内でどのように捉えられているのか。どのようなアプローチで乗り越えていくか考えた内容となっています。今まで韓国人学生とはメールでやりとりをしており、今日ついに会うことが出来ました。本番まで1日しかないので、大急ぎで打ち合わせを行い、会場の下見、簡単なリハーサルを行いました。ユースのOBの方々も会議に参加していたので、プレゼン内容や見せ方など今日の夜まで突き詰めっぱなしでした。ちなみにこの企画が始まったのは2月からでした。それぞれの関心が違っていたためまとめるのが大変だったときもありましたが、何とかここまでやってこれたと感じています。みんなと一緒に準備を進めてきた時間は私にとって楽しい時間でした。長い間準備をしてきたので、今回の発表はユース5期生にとって重要な一区切りになると思います。今まで中村先生を始めとするRECNAの先生方、ユースの先輩方、山野さん、柳生さんにはお忙しい時期にも関わらず、いろんな方面からアドバイスやサポートをいただきました。本当にありがとうございました。明日は正々堂々発表していきたいと思います!

明日は発表の様子を挙げていきたいと思います。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

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No.7, Wednesday, 10May

みなさんこんばんは。いよいよ私たちが開催する国連自主ワークショップの日を迎えました。私たちにとっての山場であるのでより一層気合いを入れて臨みました。
今日の内容は以下の通りです。

〇9:00-13:00 国連自主ワークショップ本番

〇14:00-18:00 ドイツ・大学生ワークショップ のお手伝い

〇9:00-13:00 国連自主ワークショップ本番

朝早くから会場に集まり、最後の最後まで準備を重ねました。一つ一つの文言の修正や文字の大きさ、プログラム配布など、考えていけばやるべきことはかなり残っていて、とても大変だったと思います。そして発表を迎えたわけですが…

結論からいえば、最善は尽くせたけれども、まだできるところもあったかなと感じています。どの班も内容はある程度詰めていたのですが、読みの練習ができていなかったことや機材の不具合がもったいなかったです。最後まで内容を固めようとしたところまではよかったのですが、オーディエンスにきちんとそれを見せる工夫をもっとするべきだったのではないかと感じました。

その一方、大きな収穫もありました。発表の前に各国政府代表団に招待状を送っていたのですが、そのなかから日本政府軍縮大使の高見沢さんが来てくださいました。発表はグループごとに分かれており、発表が始まったころには参加者が20人くらいいました。ところが、会議が進んでいくにつれて人数は徐々に減っていき、最後のグループが始まるころには5人くらいでした。私が担当するグループだったのですが、そのときはさすがに挫けそうになりました。そのようななかでも高見沢さんは最後まで残ってくださったので、最後まで参加者に対してきちんと伝えようという気持ちで発表しました。Q&Aセッションではたくさんのコメントやアドバイスをいただきました。人数が少なかった分、よりインタラクティブなセッションになったと思います。私は政府同士の不信感緩和こそが核廃絶につながると考えており、そのためにはまず市民同士で信頼関係を構築する必要があるという趣旨のプレゼンをしました。質問では政府同士のしがらみにとらわれない市民同士の交流について、日韓の音楽やスポーツ交流について意見交換をしたほか、政府同士の関係である分、現実の部分も視ていく必要があるという指摘もいただきました。ところが、私自身、不信感の存在と緩和に気づいたきっかけというのはまさに市民同士の交流からきているもので、発表を通して外交や安全保障の面で不信感を緩和させるためにはどうすればよいかという問題意識を持つようになりました。最後に高見沢さんはそれぞれが足で稼いで核問題に関する生の声を届けてくれたところにオリジナリティーを感じたというコメントをいただきました。自分たちの考えがちゃんと伝わったと感じ、発表してよかった、少しでもこの考えが広まっていければと思いました。本当にお忙しいなか、私たちの発表まで足を運んでくださり、最後まで耳を傾けてくださった高見沢さんに感謝の気持ちを申し上げたいと思います。

〇14:00-18:00 ドイツ・大学生ワークショップのお手伝い

以前紹介したドイツの大学生が核兵器禁止条約の模擬国連を行うということで、そのお手伝いに行きました。私たちが着いたときには条約制定作業に入っており、条約草案の文言の修正をしているところでした。ドイツ人学生が決まった国の政府代表になりきっていたので、かなり時間をかけて準備してきたのだろうと思いました。議論が白熱しすぎてオーストリアが途中退場する場面も(笑)。でも過去にもエジプトが途中でボイコットしたこともあるので、リアルなシミュレーションだと思いました。私たちは交渉の様子を聞きながら、政府同士でメモをやり取りするメッセンジャーのお手伝いをしていました。聞いているうちに自分も参加してみたくなったので、RECNAでもこのようなイベントをやってみたいと感じました。また、ドイツ人学生とも関係をさらに深めることができたので何かイベントに招待したり、されたりすると面白いかもしれません。

ユースの大きな山場を何とか終えることができ、今日はゆっくり眠れそうです。

メンバーの多くはもう長崎へと帰ってしまいますが、私はあと二日、会議の最後まで残る予定です。これからも現場の声をお伝えしますので、ご覧いただければ幸いです。

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No.8, Thursday, 11May

みなさんこんばんは。会議もそろそろ終盤を迎え、残ったメンバーは半分以下となりました。残された時間をさらに充実させるように最後まで頑張っていきます。
今日の内容は以下の通りです。

〇13:00-14:30 The Non-Proliferation Treaty and the 2018 UN high level Conference on Nuclear Disarmament

〇15:30-16:10 エクアドル政府大使との意見交換

〇13:00-14:30 The Non-Proliferation Treaty and the 2018 UN high level Conference on Nuclear Disarmament

昨日の私たちの発表を聞いてくださったNGOのアランさんに、今日のサイドイベントに参加してみないかと招待されたので、参加してみることにしました。

2013年に国連総会第一委員会(軍縮・国際安全保障を扱う委員会)で核軍縮を前進させようと2018年までに国連ハイレベル会議を開催するという決議をもとにしたイベントでした。NPT加盟国と非加盟国、核兵器禁止条約交渉の参加国と不参加国での溝が深まりつつあるなか、このハイレベル会議の最大のメリットはコンセンサス(意見の一致)を求めないことや投票を必要としないことだと強調していました。自分なりに解釈してみれば、あまりにも核兵器国・核保有国にプレッシャーをかけすぎると、交渉になかなか参加してくれなくなってしまい核軍縮がますます停滞してしまう。だからこそハイレベル会議にはより多くの国に核軍縮への門戸を開くことができる可能性があると捉えました。参加者の議論のなかにはイランが鍵となるので参加させてみてはどうか。トランプ政権により自己防衛(Self Difence)の時代に戻っていく。といった意見がたくさん出てきました。確か、このアプローチをギフト・バスケット・アプローチと呼んでいたとは思いますが、個人的にこのアプローチは新しいものでとても興味を持ちました。このアプローチにはいくつかのメリット・デメリットがあると感じています。

メリットは先ほども申し上げた通り、核兵器国・核保有国も含めより多くの国が会議に参加しやすくなること。核兵器国と非核兵器国の対立を懸念していた日本政府もこの会議に対しより前向きに捉えるのではないかと考えています。デメリットは会議で何もコンセンサスが得ないことから、会議の後で果たして核軍縮への具体的なステップに移れるのか分からないことにあります。それでもこの会議の開催は核軍縮に対して様々な立場の国が同じテーブルにつけることに意味があると思います。核軍縮に向けて現在何の問題があって、何を解決すべきなのか共通認識を持つことが出来るだろうと期待しています。やや楽観的な考えではありますが、来年のこの会議に今後も注目と期待をしていきたいと思います。

〇15:30-16:10 エクアドル政府大使との意見交換

会議の終わりごろには議長がレポートをまとめて配布するのですが、思ったより長くかかってしまい、レポートを待っている政府代表団がたくさんいました。その時間私も待っているだけなのはもったいないと思ったので、作業を終えて一息ついていたエクアドル政府代表に話しかけてみました。私自身、声かけるときものすごく緊張しましたが、「Hello, I’m from Nagasaki~」と話しかけたら優しく歓迎してくれました。なんと驚くことに田上市長と会ったことがあるそうで、写真を見せてくれました。そして私たちが持っている鳩のバッジと同じバッジを持っているそうです。(今日は持ってきていなかったそうですが)この話でとても親近感が湧きました。エクアドルはトラテロルコ条約と呼ばれるラテンアメリカにおいて核兵器を使わないし、開発もしないという条約に加盟している国の一つで、平和教育と原子力の平和利用について質問してみました。

平和教育は国内ではまだされていないそうですが、大学のプログラムに導入することに意欲を示していました。原子力の平和利用についてはとてもよいとは思うけれども、同時に危険でもあるという立場でした。サイバー攻撃やテロリストなどの非国家主体が盗みだす可能性もあることから大惨事にもなりうるということでした。こういった事態を防ぐためにも政府間での対話の継続が重要になってくるかと思います。最後に私たちに対し「核の非人道性を伝えている若者の活動は重要である」とおっしゃっていました。これまでもジュネーブで日本の若者を受け入れたことがあるそうで、たまたま話しかけただけなのに、日本とつながりが深いことを知って感動しました。また家族の話をしてくれて、お子さんと寿司を食べている写真も見ることが出来ました。ステートメントを聞いているうちにだんだん悲観的になっていたところでしたが、この時間を通して希望が持てました。大変お忙しいところであったにも関わらず、自分たちの考えをゆっくりと力を込めて伝えてくれたことに感謝したいと思います。本当に出会えてよかったです。エクアドルがとても好きになりました。

明日はいよいよ会議最終日です。かなりあっという間だった感じがします。

そして朝早くにアメリカ政府との意見交換を試みたいと思います。

おそらく上手くかわされそうですが…現実をみることも必要なので。

(今日のランチは国連内のカフェテリアで食べてみました。テラス席もあって晴れていたので気持ちよかったですよ~)

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No.9, Friday, 12May

みなさんこんばんは。投稿に時間が空いてしまいお待たせしましたが、これがNPT会議最後の投稿です。二週間にわたる会議で政府代表、NGO関係者は少し疲れている様子でした。私もやっと終わりの日を迎えようとしておりホッとしかけたところですが、最後にアメリカ政府への質問が残っていたので、朝は少し気を引き締めました。今日は以下の内容です。

〇9:40-9:50 アメリカ政府への質問

〇10:00-13:00 NPT会議要約への質疑応答

〇9:40-9:50 アメリカ政府への質問

会議が始まる前にアメリカ政府代表団が来たので、お時間はとれないかと伺ってみたところ少しだけ時間をもらったので質問させていただきました。そのなかで彼らが強調していたのは「次の世代のためにもよりよい世界を作る責任がある」ということと「核兵器を二度と使わない」ために「さらに抑止を拡大していく」、「軍縮と国家安全保障は切り離せない」ということでした。この意見交換を通して、「核兵器を使わないし、なくしていく」という意思は他の非核兵器国同様に持っているという印象を受けました。被爆者のステートメントに「心を動かされた」と強調しており、「核廃絶を望んでいる」とおっしゃってたことからそう感じました。一方、北朝鮮といった現在の状況がかなり難しいことからアメリカ政府もどのように判断すればよいか分からない様子でした。(個人的に感じたことですが。)これからどうなるか分からない不確実性のもとで、彼らが考えるそれに対処する一つの手段が核抑止力だと改めて強調されたように感じました。国際政治の歴史でみれば、第二次世界大戦後、アメリカとソ連はいつ核戦争をするのか分からない状況でした。その状況がピークに達した瞬間がキューバ危機だったのですが、核戦争は何とか回避されました。キューバ危機が不測の事態であったとともに、核戦争を回避したのは核兵器が生み出した慎重さにあったという見方がアメリカ国内にはあります。私はこの出来事が背景にあるからこそ、不確実な事態に対して核抑止で対処していく姿勢を見せているのではないかと思いました。ところが、それは核抑止は偶然や誤算によって砕けてしまうこともあるということも忘れてはなりません。

それでも会議の合間で忙しいにも関わらず、他の視点を与えてくれたアメリカ政府の方に感謝したいと思います。

〇10:00-13:00 NPT会議要約への質疑応答

会議もいよいよ最後のセクションとなりました。最後は各国のステートメントをもとに議長が要約レポートみたいなものを作成、各国政府に配布し、その内容に関して意見交換をするというものでした。配布されたレポートをもとに、一日前、各国政府内で綿密な意見交換をしていたのでそれに関するステートメントが多く出てました。非核兵器国からは「核の非人道性に関する文言をもっと入れるべき」「核保有国における透明性の欠如に関する多くの懸念が反映されていない」核兵器国からは「NPT体制に悪影響を与えてしまう核兵器禁止条約にも触れられているから同意できない」といったコメントが寄せられていました。ここで改めて感じたのは核兵器国と非核兵器国には意見の食い違いがあることです。この多様な立場を要約する議長も大変だったのではないかと感じました。キーワードとなっているのはやはり「核兵器禁止条約」なのではないかと思います。NPT体制が発展するのかそれとも衰退するのかは「核兵器禁止条約」次第だと感じました。6月下旬からも核兵器禁止条約の交渉が行われますが、その動向にも注目していきます。

今回はここまでにしたいと思います。メンバーも全員無事に帰国し、6/7に報告会を行いたいと思いますのでぜひ足を運んでみてください。今回も読んでいただきありがとうございました。

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No.Final Saturday, 20May

みなさんこんにちは。NPT会議2017終了からあっという間に一週間が経ち、6/7の報告会にむけて準備をしているところです。今回はNPT会議の感想・まとめ、さらに興味を持ったことをお伝えしたいと思います。

私のブログのNo.1にも書きましたが、このNPT会議を通して私が考えたかったこと。それは核軍縮を現実的にどのように達成させるかでした。オーストリアで二週間にわたり様々な体験をさせていただき、多くのヒントを得ることが出来たと思います。

会議を通して核兵器国と非核兵器国では意見の食い違いが多く見られました。

まず一つ目に非核兵器国が強調していたのは核兵器国による「核の近代化」でした。核兵器はいわゆる精密機械の集まりで、時間が経つとどんどん劣化していきます。そこで核兵器をいつでも使えるように、核兵器の部品や性能をアップデートさせていくのが「核の近代化」です。以前にもこれはNPT条約第6条の核兵器国による核軍縮への誠実な交渉とは逆行する内容だと私のブログで書きましたが、核兵器国が核軍縮の約束をしているというならば、「核の近代化」を止めるという形でアピールする必要があるのではないかと思います。したがって、「核の近代化」を止めるような条約や協定を結ぶことから始めればいいのではと考えています。

二つ目にNPT体制と核兵器禁止条約についてです。NPTでは非核兵器国に対し、IAEAによる査察(詳しくは私や他のメンバーのブログをご覧ください。)を通じた核兵器を拡散させない取組みが行われています。この点で核兵器の水平的拡大を防ぐ大きな役割があるといえるでしょう。ところが、核兵器国においてIAEAによる査察は任意なので、核の垂直的拡大はNPT第6条があるとはいえども十分ではありません。そこで核兵器の開発・使用・保有を禁止する核兵器禁止条約はNPT体制では十分ではなかった核の垂直的拡大も防ぐことができるのではないかと感じました。核兵器国のなかには核兵器禁止条約はNPT体制を崩壊しかねないと主張していた国もありましたが、私はそうした理由からむしろNPT体制を補えるのではないかと考えています。

とはいえ、核兵器国や多くの核の傘の国が北朝鮮を筆頭とした安全保障のリスクにより核抑止論を容易に手放すとは考えにくいです。そして私たちのような若者の間でも、そうした理由から必ずしも核廃絶を達成できるとは限らないと答えている人も多くいました。この現実を乗り越えるべく、力を注いだのが私たちが主催した国連自主ワークショップでした。安全保障のリスクは国同士の不信感から生まれると捉え、その不信感を払拭するためには自国のアイデンティティだけではなく他国のアイデンティティも尊重できるような地域のアイデンティティを創りあげていく必要があることや将来を担う若者同士で国を越えた交流がもっと必要だとワークショップで訴えることが出来たと思います。いわれてみればごくごく当たり前のことかもしれませんが、こうした努力を地道に継続させていき、徐々に不信感を和らげていくことが重要だと信じています。核廃絶は安全保障のリスクが取り除かれるのなしでは達成できないし、安全保障のリスクが取り除かれるのも核廃絶なしでは達成できない。核廃絶と安全保障のリスクを減らしていくこと同時に行っていく必要があります。

会議が終わってからについて、ユースとしてはこの体験や知識を幅広い世代にもっと広く伝えるピースキャラバンを進めていき、個人としては政府が問題解決の手法としてよく使う「対話」に焦点を当てていき、その条件やプロセスについて研究してみたいと考えています。かなり野心的ではありますが、それをモデル化できれば最高です。

ブログを通して自分の気持ちを表すというよりは核廃絶に対する自分なりのアプローチを考えていくことに焦点を当てました。会議を通して視野も広まりましたし、核廃絶に向けて今何が必要か自分なりに考えられたので、このブログのタイトルでもある【Get to the Core】を本質に迫るという意味では達成できたのではないかと思います。反省点としてはもう少し深く勉強しておけば、もっと興味深いことも聞けたのではないかと思いました。そして英語力を身につけることです。特にリスニングとスピーキングが足りないとかなりハードでした。進路でも必須となってきますので、もっと修行します。

以上がまとめとなります。

最後に日本国内、現地でご指導をしてくださった先生方やユースの先輩方、日程や備品などサポートをしてくれた協議会の皆さま、私たちのことを社会へ発信してくれた報道関係の皆さま、現地でお忙しいのにも関わらずアポイントを受けてくれた各国政府関係者・国際機関の皆さま、本当にありがとうございました。

次にユース5期生のみんなへ。ここまで変わり者の自分を温かく受け入れてくれて本当に楽しい日々が過ごせました。いろんな個性を持ったこのメンバーでまたこれからも活動が出来ることをとても楽しみにしています。

そしてブログを読んでくれたり、応援をしてくれたみなさまに感謝しています。毎日夜遅くまでブログを書くのは大変でしたが、みなさんがブログを読んでくれたことがこのブログを書く大きな励みになりました。これからも活動を更新していきますので、温かく見守っていただけたら嬉しいです。

それではここで、【Get to the Core】をしめていきたいと思います。ありがとうございました。

ナガサキ・ユース代表団 5期生

立石 丞

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