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Tamaki’s Blog

2018/04/19(木)   No.0【Impossible→I’m possible】  酒井 環

おはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
私は長崎を4月18日に出発し、10時間を超えるフライトを経て、スイス・ジュネーブに到着しました^^
今日から毎日、NPT再検討会議第二回準備委員会はもちろん、この地で学んだ多くのことを多くのみなさんにお伝えできればと思います!
今日から私がジュネーブに滞在するまでの約20日間、毎日ブログを更新していきますので、どうぞよろしくお願いします^^
さて、No.0では
〇自己紹介
〇私が活動していく上で大切にしていること×【Impossible→I’m possible】
などをお送りします。

〇自己紹介
現在、長崎純心大学3年生、人文学部比較文化学科で日々学んでいます。
私は昨年度のナガサキ・ユース代表団5期生を務めさせていただき、今年度はOGとして臨みます。
5期生の経験を踏まえ、6期生となった私だからできることを自ら見つけ、精一杯活動していきます!
ちなみに、5期生での反省の一つに今投稿しているこの“ブログ”があります。去年の私のこのブログは、毎回5千字を超えるかなりの長文でした…… 今年は読んでくださるみなさんが読みやすい分量に、必ず納めます!!

〇私が活動していく上で大切にしていること×【Impossible→I’m possible】
さて、今年6期生として活動していく中で大切にしていること、自分の中のぶれることのない軸にしていることがあります。それは、ナガサキの若者として、そしてユース代表団として、この経験と想い、考えを伝えることのできる『発信者』としての自覚です。
この想いから、私はブログのタイトルを【Impossible→I’m possible】としました。
『Impossible(不可能)』なことでも、一つの「‘」が入ることで『I’m possible(私はできる)』という文になります。
これまで、6期生として活動してきた中でも「これは無理なんじゃないか…」、「私にはできない…」と否定的に考えてしまうことがよくありました。
しかし、これではしっかりと自分の意志と想いを伝えることのできる『発信者』になることはできません。
どんな時でも、「Impossible(不可能)」と思うことなく、自らの行動と経験、そして想いで『Impossible』を『I’m possible』に変えることができるように、このジュネーブでの活動に取り組みたいと思います。
必ず、これからの2週間の日々と経験は私を強くしてくれるはずです。
5期生の時にそうだったように…
Impossible…?  (むり…?)
いや、そうじゃない。
私だから、私だからこそできることを。そしてこの経験を自分を突き動かす原動力に変え、
I’m possible!!!  (私はできる!!!)
となるように。何事も挑戦できるように。
昨年度の5期生と比べるのではなく、その経験を活かすこと。
そして自分自身の軸をしっかりと持ち、これまで多くの支えがあったからこそ今の自分がいるという事を忘れずに、精一杯活動していきたいと思います。

これから約2週間、よろしくお願いします!

 

 


2018/04/20(金)   No.1【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんこんばんは!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.1では、
〇フランス パリ UNESCO本部訪問
〇UNESCO日本政府代表部表敬訪問
の2つをお伝えします。
現地時間4月20日(金)、パリ行きの飛行機に乗る為、明朝3時に起き、半ば白目状態でスイス ジュネーブからフランスへと飛び立ちました笑。
今回はパリにあるUNESCO本部及び日本政府代表部を訪問し、実際にUNESCOで働く職員の方と対談をするため、フランスへ向かいました。

〇フランス パリ UNESCO本部訪問
今回私たち6期生の中で共通の問題意識、話題としてあがっていたのが“教育”でした。UNESCOと言われると、真っ先に世界遺産が思い浮かびますが、UNESCOには大きく分けて教育・科学・文化のジャンルがあります。
(詳しくはhttp://www.mext.go.jp/unesco/003/001.htm)
訪問の目的は、平和教育の分野で国際レベルの視点から見た平和教育について考え、実際にUNESCOで働く方から実情を聞き、私たち自身の活動に繋げていきたいと考えたからです。
私が最も印象的だったのは、平和な世界を実現するために、UNESCOが掲げている『人の心の中に平和の砦を築く』には、たとえ、それぞれの国や団体で平和教育のアプローチの方法が異なっていても、“同じ目標”、“同じ方向”に向かって前進することが大切、ということでした。
国によってその主観に沿った様々な平和教育・歴史教育のアプローチがあります。大切なのは方法を1つに統一することではなく、平和な世界を実現するという共通の“目的”と“方向”である、ということです。
現在、歴史教育などは特に国家間で認識の違いがあります。片方の側面だけを取り入れるべきではない、両側面を教育に取り入れるべき、など様々な意見があります。しかし、今回お話を聞き、方法を論じる前に、いま一度原点に帰り、同じゴールなのか、同じ目的のための教育なのか。この点を考えることが、多角的な視点で『平和教育』を考え、新たな可能性を導き出せると感じました。
また、個人的に嬉しかったのが、私がメンバーの一人として活動している“Peace Caravan隊”の活動を評価してくださったことです。授業内で行っているBB弾を用いた視聴覚教材や、大学生がその学校に赴いて授業を行うスタイルなどを興味深く聞いてくださり、評価していただきました。これまでの活動を少しだけでも褒めて頂けたことはとても嬉しかったです^^

〇UNESCO日本政府代表部表敬訪問
UNESCO日本政府代表部の職員の方とお話させていただき、UNESCO内における日本政府代表部の詳しい職務など詳細についてお聞きしました。最も印象的だったのが、『意見具申』というシステムがあるという事。東京の外務省から来た内容を、ジュネーブの日本政府代表部から進言することができるそうです。私は初めて知りましたが、東京の外務省だけに任せるのではなく、代表部として、そして職員一人ひとりの意志を尊重するとても良いシステムだと感じました。
どれほど意見具申がされているのかお聞きできませんでしたが、国際政治、日本としての国際協力を考えるうえで、普段は知りえない内情を知ることができ、とても良い経験になりました。
これらの機会が得られたことに感謝しつつ、ここら辺で締めたいと思います。
(本当はまだまだお伝えしたいので、No.1の続編を私個人のFacebookで投稿します笑)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 


2018/04/21(土)   No.2【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.2では、
〇ジュネーブ日本語補習校での事前打ち合わせ
〇ジュネーブで初のユースミーティング

の2つをお伝えします^^

〇ジュネーブ日本語補習校での事前打ち合わせ
今回、現地ジュネーブにある日本語補習校で、ユース代表団として出前授業を行うことになりました。今から5年前、ナガサキ・ユース代表団1期生がジュネーブに渡航した際、一度同じような形で授業をさせて頂きました。
そのことから、「今回も日本語補習校で授業をさせて頂けないだろうか…」と思い連絡させていただいたところ、お引き受けしてくださり出前授業実践が実現したという形になりました。
 私は、今回「絶対に現地の日本語補習校で授業をしたい。」という強い想いがありました。それは、昨年度の5期生の時、オーストリアの日本人学校で授業を行い、自分自身強く感じることがあった事。
そして、1人の若き『発信者』として、スイスで暮らす日本の子どもたちに伝えたい。という想いがあったからです。
 5期生の時は、教育学部のメンバーが主となる授業者として授業を行いました。私はその時アシスタントとして授業者を支える立場でした。その中でも、授業の中で私たちが“73年前のヒロシマ・ナガサキ”や“現代の核問題”、そして“私たちの想い”を伝えたときの子どもたちの姿がとても印象的でした。実際に知識や想いが子どもたちに伝わった時の反応や表情が今でも忘れられないからです。これが“伝える力”なのだと実感しました。
その時私は「自分もいつか教壇に立てるような人になりたい」と思いました。しかしその時私はまだまだ未熟で、“まだ教壇に立てる資格がない。”と痛感しました。授業をした5期生のメンバーのような、子どもたちに知識はもちろんですが想いを“伝える力”が足りないと思ったからです。
 その想いからユース代表団としての活動後に『Peace Caravan隊』(詳しくはFacebook:@PeaceCaravanEducation)のメンバーとして活動を始めました。『自分の想いをどう子どもたちに伝えればいいのか』、『大学生が出前授業をするうえで何が大切なのか』を深く考えるようになりました。そして多くの場で出前授業をさせていただきました。これらの経験は今回のジュネーブ日本語補習校で私が授業者として授業を行う“自信”、そして自信の背中を押してくれる大きな“原動力”となりました。
 今回の授業では、私がユース代表団として、若き発信者として伝えられること、子どもたちに考えてほしい、感じてほしい事を精一杯、伝えたいと思います。
今回は授業実践前の打ち合わせとして訪問し、補習校の校長先生とお話させていただきました。本番が楽しみつつ、よりよい授業ができるようにしっかりと準備をしていきたいと思います!

〇ジュネーブで初のユースミーティング
今日4月22日に初めてユースメンバー8名がジュネーブに揃い、はじめてジュネーブでミーティングを行いました。久しぶりに全員にあった感覚でとても新鮮でした!
NPT再検討会議第2回準備委員会スタートまであと2日。準備を重ね、よりよい活動にしていきたいと思います!

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

 


2018/04/22(日)   No.3【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.3では、
〇ユース主催サイドイベント『国連内ショートフィルムプロジェクト』
〇BANg主催イベント『Youth Gathering』(若者の集まり)に参加
の2つをお伝えします^^
今日は現地時間で日曜日ということもあり、お店はほとんど閉まっていたので、ホステルでのびのびと過ごしていました^^

〇ユース主催サイドイベント『国連内ショートフィルムプロジェクト』
 あまりのんびり過ごしている時間は私たちにはありません笑。今日は午後から工藤・三浦・わたし、酒井の3名が担当している『国連内ショートフィルムプロジェクト』の準備を行いました。現地時間4月24日(火)18:00~が本番です。国連内の一室を借り切って行います!
 まず『国連内ショートフィルムプロジェクト』について簡単にお話します。このプロジェクトを行うにあたり、私たち3名は ◇ ショートフィルムを通して、今を生きるナガサキの若者の想いを多くの人々と共有する。
◇ NPTという場で、草の根の活動や思いを知り、市民レベルの核に関する認識と、原点でもある核兵器の非人道性を感じてもらいたい。

という目的のもと、このプロジェクトを始動しました。
なぜプレゼンテーションではなく、動画という形にしたのか。それは、若者の、ナガサキ・ユース代表団としての想いや考えを一度きりではなく、何度も、そして多くの人が感じることのできるものにしたかったからです。
私は昨年度5期生の時、多くのサイドイベントを傍聴し、その中で様々なアプローチから核兵器廃絶に向けた活動がなされていることを実感しました。そこから、発信の方法は数多くあるという事。そしてどんな方法であっても想いを伝えるためには私たち自身のゆるぎない想いが必要だと痛感しました。この学びを踏まえて、今回私は昨年度とアプローチを変え、ショートフィルムをメインに想いと考えを発信しようと考えました。
 今回準備を進めたのは、ショートフィルムを見終わった後のフィードバックとして使う『Peace Tree』作りです。台紙には折り鶴の再生紙を使っています。この木の幹の色は、平和の形は人それぞれ、様々な色があると思い、これらの3色が混ぜ合わさってできる色が一人ひとりの“平和”であり、核兵器廃絶に向けた想いであると考えたからです。この『Peace Tree』についてや、これを具体的にどう使うかはまた今度^^

〇BANg主催イベント『Youth Gathering』(若者の集まり)に参加
 午後19時から、BANg主催イベント『Youth Gathering』に参加しました。BANgは、核兵器廃絶に関するNGO団体です。
今回のイベントには、ドイツ・オランダ・ニューヨークからの大学生が参加していました。私が印象的だったのは、ドイツの学生さんと話をした時でした。その中で私が痛感したのは、自国の歴史観が核兵器の問題に限らず、考え方の根本になっているという事です。
その学生さんは「これまで冷戦や世界大戦などドイツが関わってきた戦争で核兵器が使われず、他の兵器が使われてきた。だから、核兵器の実際の被害をイメージすることが難しい」と話していました。私は長崎で平和教育を受け、被爆証言や被ばく遺構で核兵器(原爆)の実相を知っているから、これまで原爆のみならず核兵器の被害を無意識にイメージすることができていました。
ドイツでは、ホロコーストを中心とした歴史教育が行われているそうです。一方で長崎では原爆被害の教育が行われています。それぞれの歴史(平和)教育によって、異なる考え方、発想に繋がるのだと実感しました。
私はドイツの学生さんに少しだけでも、ヒロシマ・ナガサキの被爆の実相を知ってもらえる機会があればと思いましたし、逆に私は、ドイツの学生が受けているような自国の加害の面を学ぶ機会がより多くあればと感じました。
いま大学で、高校の地歴の教員免許をとるべく学んでいる私にとって、歴史から考える核問題は多くの意味で勉強になりました。

長くなりましたが今回はこの辺で^^
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 


2018/04/23(月)   No.4【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.4では、
〇NPT再検討会議第二回準備委員会スタート!
〇田上市長と夕食会
〇いよいよ明日!ユース主催サイドイベント『国連内ショートフィルムプロジェクト』
の3つをお伝えします^^

〇NPT再検討会議第二回準備委員会スタート!
現地時間の4月23日(月)、NPT再検討会議第二回準備委員会がスタートしました。今日は会場であるジュネーブの国連に入る為の“パス”を取得するところから始まりました。今回の会議は、初めに議長の挨拶や決まりごとの確認などが行われました。先日「偉大な指導者50人」にも選ばれた中満 泉 国連軍縮担当上級代表のスピーチなど盛りだくさんでした。今回の会議で最も印象的だったのは、私の目の前で国際問題が揺れ動く瞬間を目の当たりにしたことです。
会議の終盤、「もうそろそろ今日は終わりかな?」と思い始めた頃。ロシア代表のスピーチから事は始まりました。
「アメリカが言っている、シリア政府が化学兵器を使ったなどという事は“でっちあげ”だ!!」
と感情をあらわにしながら発表したのです。(それまで多くの政府が“シリアの化学兵器の問題”について言及していました。)ロシア語で話している代表の方の勢い、怒り、感情はロシア語が全く分からない私でもひしひしと感じ、まるで会場全体がその怒りで包まれているようでした。
ちょうど私の目と鼻の先にいたアメリカ政府の代表は、それを聞くと少し眉間にしわを寄せて、自国のネームが書かれた板をすっと、高く挙げました。(意見があることを示す意味ですが、普通はあまりありません)
それからというもの、アメリカ。そして渦中にいるシリア、そしてロシアの言い合いに。断固として化学兵器を使ったと述べるアメリカと、感情をあらわにしながら言い合うロシアとシリア…
これが『国際問題であり国際情勢』なのだと痛感しました。
~いま、私の目の前でシリアに関する情勢が少し、動いたのかもしれない。~
そう思いました。
それと同時に、あの緊迫した空気感は今でも忘れられません。
~このわずかな会議場での衝突が、戦争という国家間の争いに発展するのかもしれない~
そう思うと、身の毛がよだつ思いでした。
これから先、生きていく未来は、私たちの未来。他人ごとではないのです。自分ごととして、日本国内の問題だけではなく、世界の問題にまで視野を広げることが必要であり、ある種の義務であると今回を機に改めて痛感しました。
いつ、何が起きるかわからない。
そんな世の中に生きる私たち若者に、何ができるのか、何をしたいのか。改めて自問自答することにもなりました。
今日という日を私は一生忘れることはないと思います。

〇田上市長と夕食会
会議後、田上長崎市長と夕食会が行われました。昨年度の5期生の時と同じく、市長と近い距離で、おいしいスイス料理をつまみながら楽しい時間を過ごすことができました。改めて、「市長は良い方だなぁ… 田上市長が長崎の市長さんで良かった^^」と思った私でした。市長からの激励の言葉とおいしいごはんで、元気もりもり!残りの日々も頑張っていこうと心に誓いました!

〇いよいよ明日!ユース主催サイドイベント『国連内ショートフィルムプロジェクト』
いよいよ明日に迫った『国連内ショートフィルムプロジェクト』準備期間はかれこれ3か月。長いようで短い日々でした。明日がどうなるのか、全く想像もつきません。
緊張もありますが、どんなリアクションを見てくれた方にいただけるかのスリリングなドキドキ感もあります。
『こつこつと、地道に続けた努力は必ず実る』
小学校の校長先生が、卒業式の時に言われた言葉です。
大丈夫。できる、できる。必ずできる。
そう自分に言い聞かせ、これまでの日々が私たち3人の背中を押してくれることを願って。
4月24日(火)の18時から、国連内の大きな会議室で行います。
私らしく、私たちらしく!頑張ってきます!!!

長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 


2018/04/24(火)   No.5【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.5では、
〇ICRC(赤十字国際委員会)訪問
〇ユース主催サイドイベント『国連内ショートフィルムプロジェクト』本番
の2つをお伝えします^^ (今日は長いです…)

〇ICRC(赤十字国際委員会)訪問
現地時間の13時ごろから16時頃まで、スイスに本部があるICRC(赤十字国際委員会)へ訪問し、現地で働く方から実際にお話を伺ったり、リニューアルされたばかりの博物館を見学しました。
ICRCは、武力紛争等の救援活動のイメージが強いと思います。しかし、核情勢の中では『医師の立場から見た、核兵器の非人道性』を主張しています。(詳しくは‭http://jp.icrc.org/publication/4/‬)‬‬‬‬‬‬
今回の訪問で、核問題に限らずその根本にある『人道性』について改めて考えるきっかけになりました。
最も印象に残っているのは、ICRCの博物館にあった展示(オブジェ)です。
この投稿の一番目の写真です。
この展示が何を意味していると思いますか??
床に映っているのが、奴隷、人身売買、地雷、核兵器、虐殺など、これまでの歴史の中で起こった、
いわゆる『負の歴史』です。
これらの出来事に共通しているのが、『非人道的』ということ。少しだけわかってきましたか??これは、人道性を“足”で踏みにじっています。
人間が生きる根本ともなる『人道』を、同じ人間の足で踏みにじっているのです。
すべて、人間同士でやっていること。
だからトンカチでも爆弾でもなく、人の足で、人々の人道性が踏みにじられているのだと感じました。この人道性が踏みつぶされたことで、これまで多くの人々の命が奪われ、耐え難い苦しみに繋がりました。
私が今回目標にしている『発信者』となる上で、揺るがない、そしてすべての根本にあるのはこの『人道性』だと改めて痛感しました。
忘れてはいけない。ここがすべての出発点。
今回博物館を見学し、多くのことを感じ学ぶことができましたが、『人道性』という原点を振り返ることができたと思います。足踏みとは違う、原点を改めて知ること。
この活動の真の『核』を感じ、考えることができ、本当に良い経験になりました。

〇ユース主催サイドイベント『国連内ショートフィルムプロジェクト』本番
4月24日(火) 18:00~20:00 WE AND EYE 〜voice from Nagasaki youth〜
このショートフィルムのテーマは、長崎の今を生きる若者のこえと、核兵器の非人道性。
たとえ草の根の活動であっても、この動画を見た人が何かを考え、感じ、そして行動に起こしてくれるきっかけになれば。そして、忘れてはならない人道性を。このショートフィルムの6分間に込めました。
題名にEYEが入っているのには、理由があります。
瞳(め)、それは私たちの日々全てを見つめ、喜怒哀楽も、全て。あなたの、私の、瞳を見ればわかる。
私たち3人の目は、これからの未来を見る瞳。
そう考え、このショートフィルムのテーマに瞳を加えました。
この日は朝からフライヤーを配り、事あるごとに政府関係者やNGOの方に話しかけ、せっせとロビー活動を行いました。(配布したフライヤーは全てで240枚でした。)
いよいよ本番。ヒヤヒヤして、少し怖くて、でも早く誰かに見てもらいたいというドキドキした気持ちで、私の胸はいっぱいでした。
時間になると、気が付いたら部屋は20人ほどの人たちでいっぱいになっていました。その中には、田上長崎市長や日本政府代表の方、そしてNPTに私たちと同じように参加している大学生やヨーロッパ地域の政府代表の方など、幅広い方々が来てくださりました。(まさか、こんな来てもらえるとは思っても見なかったので正直おののきました笑)
いよいよ動画を流し始めました。これまで何度も試行錯誤を加えながら作ってきた動画。まるで我が子が巣立つような気分でした。
6分間、じっと動画を見つめ、うなずいたり、俯いたり…
動画が終わると、会場は拍手で包まれました。うれしい気持ち、ホッとした気持ち、いろんな気持ちで胸があふれかえりそうでした。
私たちのプロジェクトのもう一つの目玉は、少し前に投稿した『Peace Tree』プロジェクトです。この動画を見た皆さんに、動画を見た後、動画の中で長崎の若者にした2つの質問
「あなたにとって核兵器とは?」「この核兵器を巡る現状の中で、あなたにできることは?」を同じように問いかけ、折り紙に書いてもらう、という物です。
動画を見る→折り紙に自分の考えを書く→Peace Treeに貼るという流れです。
この機会を、時間を、カタチに残したい。そして、フィードバックとして、見てくださった方にも同じように、他人ごとではなく自分ごととして、この問題を考えてもらいたい。そんな思いから、このプロジェクトを始動させました。
気が付くと、Peace Treeにはカラフルな折り紙と、核兵器に対する想いとで一杯になっていました。動画を見て、「感動した。ナガサキの若者の想いを聞くことができて、自分もまた考えることができた。」「もっと多くの人にこの動画は見てもらうべきだよ」など、多くの感想をもらうことができました。(最終的に、40~50名の方々が来てくださりました)
3か月ほど準備を続けてきたこのプロジェクトも、あっというまに終わりました。「もっとこうしておけばよかった」と反省や課題は多くありました。
しかし、いま私は、ここまで支えてくれた多くのみなさんに心からの「ありがとう」、感謝の言葉を伝えたいと思います。
ユースを支えてくださった先生方、PCU-NCのみなさん、ユースメンバー、ユースOGの華子さん(光岡さん)、りさ(野村さん)。そして、たいきさん(三浦くん)、みつきさん(工藤さん)。
本当に、私はショートフィルムプロジェクトをやってよかった。こころから、ありがとう。
まだまだこのプロジェクトには続きがあります。Peace Treeがどうなるのか、書いてもらった折り紙には何が書かれてあるのか、またの機会にお伝えします。まずは一つの山場を越えました。
これまでも、これからも、自分らしく頑張っていきたいと思います。
明日は日本語補習校で1回目の授業実践です。子どもたちの「発信者」として、しっかり想いと今の現状と、伝えていきたいと思います。

長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 


2018/04/25(水)   No.6【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんlおはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.6では、
〇NGOプレゼンテーションを傍聴して
〇ジュネーブ日本語補習校での授業実践

の2つをお伝えします^^ 

〇NGOプレゼンテーションを傍聴して
会議三日目の今日、午前中は各国政府のステートメント(声明)ではなく、NGO団体がステートメントを発表しました。
そのなかで最も印象に残っている内容をご紹介します。
「We do not want to sit in your seat in ten years from now to realize nothing has changed.」~10年後私たちがあなたたちの席に座っているとき、何も状況が変わっていないという事にはなりたくない。~
By.エジプト・アメリカ・日本(をはじめとする15か国)の若者代表
ここでいう“あなたたちの席”というのは、いま各国政府代表が座っている席のことです。
改めて、その時が近づいているという事を痛感しました。これから若い世代はいずれ、国を担う存在になっていく。今、このかけがえのない貴重な経験は、これから先の未来につながるものです。もし、10年後何も変わっていなかったら… きっと私は落胆するでしょう。だからこそ、いまこの一つひとつ、一瞬一瞬の経験をしっかりと感じ、学ぶことが、自分自身のためにも、そして将来のためにも必要なのだと痛感しました。

〇ジュネーブ日本語補習校での授業実践
スイス・ジュネーブにある日本語補習学校で、ユース4期生から始まった『Peace Caravan(平和教育の出前授業)』を行いました。今回は、2日間(25日・28日)にわたって授業を行います。
22日に事前に打ち合わせに行き、いよいよ本番を迎えました。(詳しくはNo.2に!)
今回はその1回目。14時45分から45分間、小学5・6年生19名に授業を行いました。授業者は、私(酒井)と工藤、ユースOGの光岡と野村の4名です。
多くの子どもたちは、現地のインターナショナルスクールに通いながら日本語補習校にも通っているそうです。そのため事前打ち合わせの際に、日本語よりもフランス語の方が得意な子どもたちも多いと聞き、『どれだけわかりやすく授業をするか』が強く求められました。
子どもたちに会うまで緊張と不安でいっぱいでしたが、いざ子どもたちのウキウキ、ニコニコした顔を見ると、緊張よりも「この子たちのために自分ができることを精一杯しよう!」と前向きに考えることができました。
授業の内容としては、“73年前のヒロシマ・ナガサキの実相”と“現代の核情勢について”、という内容です。私は、被爆の実相と現在世界に存在する核兵器の数を担当しました。
被爆の実相では、ヒロシマ・ナガサキの当時の写真を用いて説明しました。その時の子どもたちの表情は険しくも真剣に、じっと見つめるようにして黙々と授業を受けている印象でした。
また、核兵器の数の際には、BB弾を用いて現存する14900発分を音で表現する視聴覚教材を用いて説明しました。この時、BB弾がカンカンに落ちる大きな音が約40秒ほど続くのですが、その時の感想がと手も印象的でした。
「ヒロシマとナガサキであれだけの被害があったのに、こんなに今世界に核兵器があったら地球が壊れてなくなってしまうと思う。」
約40秒間の音の中で、“音の長さ“よりも、その前に話した被爆の実相を”今に置き換えて“考えた子どもたちの感想は、想像力と現状を踏まえたものだと感じました。
また、スイスで授業を行うにあたり、子どもたちに自分の暮らしている国のことも知ってほしい、考えてほしいという想いから『永世中立国』について言及しました。正直、私はあまり永世中立国のことについて詳しく知らなかったため、授業を機に学び始めました。しかし、授業の中で子どもたちに永世中立国について聞いてみると、“親から教えてもらった“や、”本で読んだ“など、すでにスイスの立場を知っている子どもたちがほとんどでした。子どもたちが主体的かつ能動的に、自らが暮らしている国について知ろうとする姿勢にはとても驚きました。
今回の授業では、私自身新たな学びと気づきが多くあり、次回の28日の授業実践に向けて今回の実践での気づきを大いに生かしていきたいと思います。
また、反省としては授業構成が優しすぎたことが挙げられます。子どもたちに必要かつ、子どもたちのレベルにあった授業内容を今一度構成し直し、よりよい授業づくりを目指したいと思います。

長くなってしまいましたが、今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 


2018/04/26(木)   No.7【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.7では、
〇ベルギー政府・バチカン市国政府との対談
〇高見澤軍縮大使との意見交換会
の2つをお伝えします。

〇ベルギー政府・バチカン市国政府との対談
現地時間4月26日(木)朝9時30分から、ベルギー政府の方と30分ほど対談の時間をとっていただきました。今回ベルギー政府の方にNPTについてや、市民社会と政府の関係性、そして核兵器の透明性などをお聞きしました。その中で最も印象に残っているのは、“NATOとしてのベルギー”であるという事。ベルギーという独立した国というよりも、NATOという枠組みの中で、どう国を動かしていくかという点に重きを置いているように感じました。
何度も話されていたのが「ロシアやシリア、中東の脅威」についてです。この脅威があるから、ベルギーは核の傘の国の状態にあるとのことでした。しかし、物理的にベルギーと脅威となる地域が離れていても、考える基準はNATO諸国であると話されていました。私は、ベルギーはNATOと運命共同体であると感じました。
また、これらの枠組みが、核軍縮の道のりを難しくしているのだと痛感しました。
次にバチカン政府の方と16時ごろから対談させていただきました。以前長崎に来たことがあると仰っていた政府の方は、まず私たちの質問ではなく、逆に質問を投げかけられました。
その質問は、「What is Nuclear Weapon for you?」(あなたにとって核兵器とは?)
この問いは、おととい無事に終了したサイドイベント、『国連内ショートムービープロジェクト』で私たちが長崎の若者に、そして来場してくださった方々全員に問いかけた質問でもあります。今回お話をしてくださった方が、私たちのショートムービーを大変気に入ってくださり、私たちにもこの問いをしたいとのことで、投げかけられました。
このこと自体私自身、本当にうれしかったことでもあります。ショートムービープロジェクトの目的には、自分ごととして考え、行動に移すきっかけになってほしいという願いがありました。実際にバチカン市国代表の方が目の前で体現してくださったことは、小さいことかもしれませんが、ショートムービーを見た方に何かしらの変化をもたらすことができたという事であり、心からうれしかったです。
(バチカン市国政府の方と対談した核問題関連の内容は、また今度^^)

〇高見澤軍縮大使との意見交換会
スイス・ジュネーブにある軍縮会議日本政府代表部へ訪問し、高見澤軍縮大使と昼食を交えた意見交換会が行われました。個人的に高見澤軍縮大使とお会いするのはこれで3度目。ものすごい方とお会いしているのに、妙に緊張しすぎない自分自身に驚きつつ笑、昼食をはさみながら意見交換をさせていただきました。
大使が仰られていたのが、☆核兵器問題には力が入っているのに、地雷やクラスター爆弾のような、他の軍縮問題とで力の入れ方に差があるという実情
☆何事も物事を考えるとき、Critical thinkingを忘れない事
☆diversity(多様性)・sustainability(持続可能性)・initiative(主導権)を大切にの3つです
私が質問させていただき、印象に残っているのは、核兵器禁止条約について。大使はこのように話されました。
「核兵器禁止条約に限らず、同じ山を目指しているかが大切。核兵器廃絶という同じ目的であるならば、それにそった山ののぼり方は様々ある」
必ずしも、核兵器禁止条約だけに頼るのではなく、NPTはもちろんCTBTやFMCTなど手段はある為、一つの考え方に捕らわれるのではなく、それこそCritical thinkingをすることが大切と仰られていました。個人的にはすぐに納得するのは難しかったですが、Critical thinkingが大切だという事はゆるがない事実であり、『発信者』としての目標を掲げている私にとって、大変いい刺激になりました。
その他にも軍縮教育についてお話されており、現在大学で高校地歴の教員免許を取得すべく学んでいる私には、大使が仰られていることが実際の教育現場でできれば、若い世代の軍縮問題に関する認識も異なってくると感じました。
今回の訪問では、改めて考え方のバリエーションの幅を広げ、かつ政府としての細かな核問題に関する認識をお聞きすることができました。
まだまだ日本政府代表部の方にお聞きしたいことはたくさんあるので、残りの会議期間中に是非お話を伺いに行こう!と思っています。(裏ブログを私個人のFacebookで投稿します^^ 良ければそちらもどうぞ~)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 


2018/04/27(金)   No.8【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます!…
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.8では、
〇オーストリア政府との対談
〇ピースボート(ICAN)川﨑 哲氏との意見交換会

の2つをお送りします。

〇オーストリア政府との対談
現地時間4月27日(金)、オーストリア政府の方と対談の時間をとっていただきました。この会談は、NPT再検討会議第二回準備委員会が始まる前に、オーストリア政府ジュネーブ代表部に私の方から「ぜひお話を聞きたい!!」というラブコールのメールを送り笑、先方が了承していただいたことで実現しました。
(事前に対談をしたい国をリストアップし、メンバーで分担して各国政府代表部にメールを送っていました。)
今回私がなぜ、オーストリア政府と対談をしたかったのか。
それは、“核兵器禁止条約(核兵器廃絶)をリードしている国の一つ”だから。
私は昨年3月、NYの国連本部で行われた『核兵器禁止条約 第一回交渉会議』を傍聴しました。その際、オーストリア政府の核廃絶に向けた前向きかつ、積極的な姿勢がとても印象的でした。そして、現在なかなかスムーズに進まないNPTや、核軍縮の現状に不安を抱いていた私は、ぜひお話を伺いたい!!と思い、連絡をさせていただきました。
今回、とても近い距離で私たちの質問に答えていただきました。私が最も印象に残っているのは、「核兵器禁止条約に核の傘の国を参加させるために必要なこと」です。
これは私が政府の方にした問いでもありました。この答えとして、特に強調されていたのが、『対話』、そして『クリティカルシンキング』(批判的思考)です。
核兵器禁止条約に核の傘の国を参加させるために必要なことは、『対話』と『クリティカルシンキング』。
それぞれの国に、それぞれの立場と国を取り巻く状況があります。だからこそ、「絶対、今すぐに、参加すべき」と考えるのではなく、その国の置かれている立場を理解したうえで、『対話』をすること。それにより、何が最善の手段なのか考えることが必要と仰られていました。
「今すぐ参加することがすべて」という考え方だけでは、クリティカルシンキングにはなりません。その国の現実的な状況・立場を踏まえ、クリティカルに物事を考え、その結論をもとに『対話』をする。
これを聞いたとき、とても合理的かつ、現実的。そして、頭によぎったのが日本が現在(これまで?)行ってきた北朝鮮への“圧力”です。日本は北朝鮮に、『対話』ではなく『圧力』をかけることが必要。と繰り返し述べていました。状況が異なるので、また話が違うかもしれませんが、国によって本当に物事の考え方、アプローチが全く違うという事を実感しました。
今回の対談で、草の根で活動している私も、『常に自分の意見を発信するだけの“発信者”になるのではなく、批判的に物事を考え、その後しっかりと対話すること。』これが、忘れてはならない、理論的に考え、発信する際の起点となる、極めて重要なことだと学び、感じることができました。

〇ピースボート(ICAN)川﨑 哲氏との意見交換会
以前からRECNAや私たちユース代表団と交流のある、川﨑氏との意見交換会が国連内で実現しました!いま、NPTの会議を傍聴して感じたことをすべて川崎氏にぶつけ、多くの意見やアドバイスをいただきました!
たくさんお伝えしたいですが、今回は1つだけ。
(他の内容は裏ブログでお伝えします~~)
最も印象的だったのは、『軍需産業と化している核兵器と人々とのつながりをどう打破するか。』
この質問をした私は、「核兵器が家計を支えている人たちにとって、核軍縮は生活を削られるのと同じと考えると、より一層一筋縄ではいかない…」
そう考えました。(あるNGOの方が、核兵器が金融と結びついているとお話されていたことから、この疑問が浮かびました)
川﨑氏からの意見としては、『配置換え』を行うこと。
その分野を生業としている人=核に関する専門技術者であるという事。そう考えると、核兵器を“つくる”仕事を、核兵器を“なくす(解体等)”に変えられる、と話されていました。
これぞ、多面的、多角的な考え方だと思いました。一方から見ると負の側面の物も、見方を変えると善の側面が見えてくる。一つの考え方に偏ることなく、物事を考えることが私たちの想像をはるかに超える力に変わってくるのだと痛感しました。これまでの活動での経験や、これからの経験も、どれだけ多角的に、クリティカルシンキングができるかで、私自身の成長も大きく変わっていくはず。機会を得ているからには、一つひとつを丁寧に、かつ幅広い視点で考え、取り組んでいきたいと思います!!!!

長くなりましたが、今回はここら辺で。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 


2018/04/28(土)   No.9【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.9では、
〇日本語補習校での授業実践 第2弾
をお送りします^^

〇日本語補習校での授業実践 第2弾
現地時間4月28日(土)、スイス・ジュネーブにある日本語補習校で、スイス滞在中2度目となる授業実践を行いました。(第一弾(25日)は私のブログ No.6でお伝えしています!)
今回は、1日に2回、
午前に小学5.6年生36人に。
午後に中学1~3年生40名を対象に授業をさせていただきました。
(前回の授業から、内容を少し変更・改善して臨みました!)
今日の2度の授業で、思う事、感じた事は多くありました。
反省や、改善点、後悔も。その中でも少しだけ、うれしさや喜びも。
小学5.6年生の子どもたちは、活発に発表をしていた印象が強かったです。
授業をした際、最も印象的だったのは、私の生徒に対する問いの答えでした。
わたし:「今から73年前に起こったヒロシマとナガサキの事は、みんなにとって関係のない事なのかな? 生まれる前の昔の話なのかな?」
この問いに対して、出た子どもたちの意見の中に、
“自分のおばあちゃんが戦争の時満州に行って、頑張って生きていたことを聞いたから、自分にも関係のあることだと思う”というものや、
“お父さんが国連で兵器についての条約の仕事をしているから、自分にも関係あると思う”
というものがありました。
子どもたちが、怖いから、核兵器はない方がいいと思うから、という理由を答えてくれることは多くありますが、今回のように、自分の家族や親戚の戦争体験から、73年前の出来事を自分ごととして考えているという事に、驚きと感動を覚えました。
私が同じ問いをされたらどう答えるのか。
“不正解のない問い“だからこそ、子どもたちの考えをひしひしと感じることができました。
私が小学生の時にこの問いをされたら、どう答えるんだろう。
長崎で暮らしていない環境だったとしたら、どう答えるんだろう。
子どもたちの“いま”の想いを聞き、ある意味、自分事として、子どもたちのおかげで考えることができました。
午後、中学1~3年生に授業をした際は、小学生とはまた違う意味で、とても印象的です。
小学生の時では、論理的よりも感情論的に考える傾向が強い面もありましたが、中学生はどちらかというとその逆。
論理的に考えていたのが印象的でした。
「核兵器は無くなるべき?、無くさないべき?」
という問いに対して、子どもたちからは多くの意見が出ました。
私が話を聞いていた生徒は、
「もちろん無くすべきだけど、現実的に考えて難しい。核兵器が存在する世の中で何も今のところ支障がないから、そんなに急がなくてもいいと思う」
と答えていました。
子どもたちの意見はごもっともです。
それこそ、この問いも不正解はありません。
いまNPTで核兵器国、非核兵器国、核の傘の国、の議論が行われているように、どんな立場の意見もあります。
だからこそ、こうして子どもたちに“自分ならどう考えるか”というのを、今回の授業を機に考えてもらえたことは、『授業してよかった…^^』と思えたところでもありました。
その一方で、多くの反省もありました。
スイスの永世中立国という立場をしっかりと理解しきれていなかったこと。
子どもたちのおかれている成育環境を踏まえた授業展開が乏しかったこと。
そして、子どもたちの意見や考えにもっと寄り添えたのではないか… など。
反省はきりがないほどあがります。
正直、授業が終わった後は気分はかなり沈んでいました…
「せっかく、授業の時間をいただいたのに、良い授業ができなかった。もっとよくできたはずなのに…」
後悔と自分の力不足のやるせなさ…
本当に教育は難しい。そう思いながらも、この理由で妥協してはいけない。そう強く感じました。
子どもたちの反応や、要求された時間、そして私たちが伝えたいこと、考えてもらいたいこと、これらすべてをクリアすることが、授業者に求められることだと思います。
この悔しさや、ある種のもやもやした気持ちは、ただ私を悩ませるものではなく、私を強くしてくれるもの。
そして何よりも、次授業を聞いてくれるかもしれない子どもたちのためのもの。
今回の反省や気づきは、必ず、次の授業実践に繋げていきます。
授業は、教育は、憧れや、夢や、ロマン、それだけではできない。
『教育とは流れる水の上に文字を書くような儚いものだ。だが、それを岩壁に刻み込むような真剣さで取り組まなくてはいけない。』
大学の教職の授業で習った言葉です。
一つひとつを、しっかりと、真剣に。
これからも、1人の発信者として全力で取り組んでいきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 


2018/04/29(日)   No.10【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.10では、
〇ジュネーブIBE笠原さんと対談
〇自分を見つめ直す、ふりかえるじかん

の2つをお送りします^^

〇ジュネーブIBE笠原さんと対談
現地時間の4月29日、ジュネーブにあるIBE(国際教育局)の職員の笠原さんと対談をすることができました。
IBEの事はもちろん、将来のビジョンのことまでお話してくださりました。
そもそも、IBEとは…
日本語名は国際教育局。現在はUNESCOの下部組織で、発展途上国をはじめとする教育カリキュラムを主としているそうです。
(UNESCOをはじめ、6期生は教育に関心を持っているメンバーが多い為、今回対談をお願いしました)
今回最も印象的だったのは、何事も挑戦すること、失敗を恐れない事。
ユース代表団として活動している中で、多くの人々との出会いが待っています。その中には普段身近な生活では決してお会いすることのできないような方とも、お会いすることができます。
その一つとして、国連職員の方。
実際に国連の組織の中で働いている方を見ると、誰しもが憧れの心を抱きます。
そんな心を察知してくださった笠原さんは、JPOなど様々な国連職員になる為のプロセスを教えてくださりました。
最も強く仰られていたのが、
『失敗を恐れずに、何事も挑戦すること』
国連職員以外にも、海外で働くとなると文化の違いはもちろんですが、それによる仕事の進め方も変わってきます。
その一番の例が、会議等のディスカッションの時だそうです。日本人はクリティカルシンキングなどを学校教育の中で指導される機会が少ないため、会議の時などにとても苦労するそうです。他にも、会議中に話題がいきなり終結し、突然次の話題に飛んでしまう事などもあるそうです…
そんな中で、成功だけを追い求めず、若い今だからこそ失敗も多く経験し、自分の将来に向かって挑戦することが大切だと仰られていました。
こうして実際に海外で働いている方から、私たちの未来を想ってかけてくださる言葉には重みと、背中を押してくれる力があります。
若い今だからこそ、何事にも挑戦すること、失敗を恐れない事。
そして、自らでゴールを定めず前へ、前へと前進すること。
若者として活動し、将来へと繋がっていく上での原点、コアとなる部分を改めて教えて頂いた気がします。

〇自分を見つめ直す、ふりかえるじかん
今日は会議の無い日曜日。
今回OGとして来ている5期生だった光岡さんと一緒に街をぶーらぶらしていました^^
そんな中少しだけ話したのが、昨日の日本語補習校での授業実践。
私は特に、消化不良のままだったので、教育そのものの事、昨日の授業の事、今後の授業の在り方の事などなど、多くの事を話しました。
たくさんの事を話して、改めて思うのが、
OG,先輩の存在のありがたさと、偉大さです。
もし、話をしてくれたり、逆に聴いてくる人がいなかったら?
きっと、私はこの経験をしっかりと振り返ることもなく、終わっていたかもしれません。
経験することは大切なこと。有難い事。
それを生かすことができるかは自分次第。
でもこれが難しい。
経験したことが大きすぎて、自分の頭の中があふれかえりそうになったりするから。
そうなると、どう生かしていけばいいのか、先が見えなくなってしまいます。
今回、こんな状態にややなりかけていた私を救い出してくれたのが、同じ5期生を共にした光岡さん。そして同じく今回OGとして会議に参加している5期生の野村さん。
改めて、その存在の大きさだったり、「ほんとに私は良い先輩に、友人に巡り合った。」としみじみ思ったり…
他の人とは違う、自分を見つめ直し、ふりかえる時間を過ごすことができました。
私もいずれOGとなった時、こんなOGで、こんな存在であれたらいいな、と思います。
(そういう存在にならないといけません、もはやなりたい^^!)

長くなりましたが、ここら辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 


2018/04/30(月)   No.11【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.11では、
〇韓国政府のステートメント
〇WHO訪問と日本人職員の方との対談&夕食会

の2つをお送りします^^

〇韓国政府のステートメント
日本を離れてはや11日。日本のニュースについていけず、浦島太郎状態になりつつある私ですが、わずかなニュースを見て、いま北朝鮮情勢が大きく変換の時にあることを知りました。
今日は会議2週目の初日、折り返し地点。核不拡散をテーマに会議は進みました。
そんな中印象的だったのが、韓国政府がステートメントを読んだ時の事。
いつもは、議長が普通に「○○国、どうぞ」とだけ言うのですが、韓国政府の時だけは、「おめでとうございます。」とねぎらいの言葉をかけていたのです。
これまで5期生の時と今回の6期生と、有難いことに2度NPTの会議を傍聴させていただいていますが、こんなことは初めてでした。
それほど、朝鮮半島の問題は世界が注目していた事であり、国際会議の場でもポジティブにとらえられていることを体感しました。
今回の会議では、シリアの化学兵器の問題に始まり、北朝鮮と韓国の南北首脳会談など、実際に国際情勢が現在進行形で動いている中で会議を傍聴できることは、本当に貴重な機会であり、経験です。
核兵器以外にも、日本で報道されている事が実際の外交の場ではどう扱われているのか、どうとらえられているのか、体感することができるのもこの場にいるからです。
この場に入れることの有難みと、だからこそ、多くの事を経験したい!と改めて心に誓った私でした^^

〇WHO訪問と日本人職員の方との対談&夕食会
ジュネーブにあるWHO本部に訪問し、日本人職員の錦織氏との対談と夕食会が開かれました。
錦織氏から多くのお話を聞いた中で、印象的だったのは、『ジレンマ』
WHOだけでなく医療面の国際援助をしている団体はほかにも多くあります。
その中でも2つに大きく分けることができるそうです。
1つが国境なき医師団などの“直接的な人道支援”を行っているもの(=直接命を救う)
もう1つが、WHOなどの政府をサポートすることで根本的な解決を目指すもの
ここで『ジレンマ』が生じるそうです。
それは、直接的に命を救うべきなのか、政府という本当に困っている人々の上に立つ者から変えていくべきなのか。
どちらがいいのか、どちらが悪いなどという事はないけれど、どちらも大切。
どちらも多くの人の命を救っている。
しかし、どちらか、と言われると「どちらがいいいのか…」というジレンマが生じます。
私たちの活動も同じ。
核兵器廃絶のために、直接的に政府に働きかけるのか、
市民社会に訴え、世論を変えていくのか。
100%の正解がないからこそ、奥深いものだと思います。
そして、だからこそやりがいがあるのだと思います。
他にも、核軍縮の分野に限らず、保健の分野でも対立することはあるそうです。
そのなかで、どれだけ自分の意見だけに捕らわれず、他者の意見を知った上で考えを広げることができるかが肝心、という事も錦織氏は仰られていました。
自分の意見を押したいのであれば、対立する側の意見を空で言えるくらいの教養がないといけない。とも…
このお話を聞いたとき、私はできているのかな…と思いました。
結論から言うと、まだまだできていない。
実際に言えるかと聞かれたら、100%は言えないし、もしできていれば、もっと幅広く物事を考えられているはずだからです。
難しいことかもしれないけど、自分中心ではなく他者の意見を尊重することが、こうして国際情勢を考えていく上で必要不可欠なキーなのだと再確認しました。
(WHOの具体的な詳細の事もお話しいただいたので、個人投稿=裏ブログでお伝えします~)

今回はこの辺で!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

 

 


2018/05/01(火)   No.12【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんこんにちは!…ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.12では、
〇ドイツ政府と対談
をお送りします^^

〇ドイツ政府と対談
現地時間5月1日(火)の朝、ドイツ政府の方と対談することができました。
今回の対談のコーディネートは、私が担当しました。
なぜ、ドイツ政府の方と対談、お話が聞きたかったのか。
それは、私が“ドイツ”という国にとても興味を持っていたから。
ドイツは、日本と似たところがあると感じています。
それは、第二次世界大戦の敗戦国であること。そして戦争加害の一面があること。
これらの理由から、ドイツ政府の方とお話がしたいと考えていました。
今回の対談では、“教育”にフォーカスを当て、質問をさせて頂きました。
日本政府も主張している『軍縮・不拡散教育』
実際に私たちが委嘱されている“ユース非核特使”も日本における軍縮教育の一つ、とされています。
しかし私は、日本では実際に軍縮教育といえるほど現代の核問題にフォーカスを当てた軍縮教育が行われていると感じていません。
特に私が暮らしている長崎市では、義務教育の中で指導されていたのは“8月9日の原爆”についてのみでした。
まだ、実際の教育現場まで軍縮・不拡散教育が浸透していないと感じています。
そこで、ドイツでは軍縮・不拡散教育が行われているのか、実際に質問してみました。
回答としては、『たいしてしていない』とのことでした。
現代の核情勢に関して、核兵器のいまに関しては、ほとんど教育が行われていないとのことでした。
実際にお伺いできたことはとても貴重な体験であり、私自身とても嬉しい事です。
しかし、これと同時に今の私たちと同じ若い世代が核情勢のいまを知る機会が少ない事、難しい事を痛感しました。
興味がある、無いに限らず、核問題は人類共通の問題であると思います。
だからこそ、日本で誰しもが平等に勉学に励めるように、核問題の内容も教育の中で取り入れるべきだと考えます。
歴史教育とは異なる視点で、いまを考える教育を行うことが必要だと思います。
それは、これからを担う若い世代が生きる世界で避けては通れない問題だからです。
日本だけの問題ではなく、世界共通の問題として知る為には、教育が必要不可欠です。
今回のドイツ政府との対談で、日本のみならず海外でどのように“核兵器”の話題が教育で取り上げられているのか知ることができました。
今後も、政府の方と対談する際には、事前に下調べする事はもちろんですが、さらに深く軍縮・不拡散教育についてお聞きし、今以上に核兵器と教育の問題を追及していきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 


2018/05/02(水)   No.13【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんこんばんは!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.13では、
〇オーストラリア政府との対談
〇今日のイチメン! ~南アフリカのサイドイベント編~

をお送りします^^

〇オーストラリア政府との対談
現地時間5月2日(水)の朝、オーストリア政府の方と対談することができました。
オーストラリアは、日本と同じアメリカの核の傘の国です。
私は、前回ドイツ政府の方にお聞きした事と同じ、軍縮・不拡散教育について、オーストラリアでの実情をお聞きしました。
実際には、初等・中等教育では行われておらず、大学進学を機に学ぶ機会があるとのことでした。
ドイツ政府と日本での現状を踏まえて比較すると、やはり世界各国で軍縮・不拡散教育はあまり積極的に取り入れられていないと感じました。
大学に進学しないと学ぶ機会がないというのも、子どもたちが知るべきことを平等に学ぶ機会がないように感じます。
世界共通の問題として取り上げるのであれば、大学での選択制の教育ではなく、義務教育の時点で幅広く、平等に普及することが必要だと思います。
各国の教育制度となると課題が山積みになるとは思いますが、世論を創り上げていく上で最も有効な手段の一つとして、教育があると思います。
私が実際に長崎の平和教育で大きな影響を受けたように…
これから先、軍縮・不拡散教育が多くの国で幅広く実践されることを願いつつ、私も他の政府の方に軍縮・不拡散教育の重要性を話したり、お聞きしていきたいと思います!

〇今日のイチメン! ~南アフリカのサイドイベント編~
そういえば、会議に出席しているのに各国政府のステートメント(声明)やサイドイベントで得た情報についてあまりお話していないことにやっと気づきました(笑)
今日は、特に印象に残ったサイドイベントがあったので、お話します^^
今回のイチメンは、南アフリカ主催のサイドイベントです。
南アフリカは以前核兵器を保有していた国です。しかし、1990年ごろに全て解体し、非核兵器国となりました。
そのため、NPTの中でもある種の特別な立ち位置にあると感じています。
その南アフリカが今回サイドイベントを主催しました。
タイトルは、『Preventing nuclear use: the roles of the NPT, TPNW, security assurances and NWFZ』
(→核使用の禁止:NPT、核兵器禁止条約、安全保障及び非核兵器地帯の役割)
このサイドイベントに参加し、最も印象的だったのは、核兵器国と非核兵器国、そして市民社会の関係性をはっきりと指摘していたことです。
『核兵器廃絶に向けて努力しているのは、核兵器国ではなく、非核兵器国ばかり。そしてNGOなどの市民社会。』
現在の核情勢における問題点を明確に指摘していたと思います。
実際に、参加していた各国のNGOの方も、ずっとうなずかれており、発言しているコメンテーターひとりの考えではなく、聴いている多くの人々の共通認識であることを再確認しました。
実際に私も同じように感じています。
NPTの条約で核兵器国は、核兵器の削減が義務付けられているのになかなか進まない。そして、昨年7月に採択された核兵器禁止条約の中でも、核保有国と傘の元にある国は参加しませんでした。
同じ目標に向かって努力しているはずなのに、方法が異なったりするだけで、結束力が弱まってしまっていると感じています。
なかなか難しい問題ですが、市民社会も核兵器廃絶に向け国境を越えて努力している現状を踏まえると、同じ目標に向かってそれぞれの国が努力していくべきだと思います。

長くなりましたが、今日はここら辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^

 

 


2018/05/03(木)   No.14【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんこんばんは!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
さて、No.14では、
〇オランダ政府との対談
〇今日のイチメン! ~ICANスタッフ ダニエルさん(キャンペーンコーディネーター)と~

の2つをお送りします^^

〇オランダ政府との対談
昨日のオーストラリア政府に引き続き、対談の機会をいただいたのがオランダ政府の方。
今回も、他の政府の方と同じように『軍縮・不拡散教育』についてお伺いしました。
オランダも他の国(これまでお伺いしたドイツなど)と同じように、軍縮・不拡散教育は十分に行われていないのが現状だそうです。
いま核軍縮の最前線で活動している多くは、年齢層が高い。という事を指摘していたオランダ政府の方。
私もその通りだと感じています。
実際に会議場を見渡してみると、ほとんどが核軍縮における専門家の方や、見るからに私たち学生よりも年齢層の高そうな大人の方ばかり。
昨年度と比較しても、ドイツなどのヨーロッパ圏からの大学生の参加は少し増えているように感じましたが、それでも微々たるものです。
改めて政府の方から指摘され、いまの核軍縮における若者との距離を感じました。
教育から視野を広げ、実際の国際会議の最前線の場に目をやると、どれだけ軍縮・不拡散の教育が、十分に若い世代に広まっていないかが目に見えてわかるような気もしました。
これまで少ないですが3か国に軍縮・不拡散教育についてお聞きしましたが、どの国も外交官向けなどでは実施されていても、実際の教育現場ではなかなか普及されていないことがわかりました。
現状を知りつつも、これから先の課題としてしっかりと長崎へ持ち帰り、問題提起として自分たちに何ができるかを考えていきたいと思います!

〇今日のイチメン! ~ICANスタッフ ダニエルさん(キャンペーンコーディネーター)と~
昨年ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のキャンペーンコーディネーター(実質のトップ2!)ダニエルさんと対談することができました。
現在30歳というダニエルさん。近い世代ということもあり、フランクな形でお話することができました^^
お話の中で最も印象に残っているのが『核兵器禁止条約』の話題。
核兵器禁止条約は2017年7月に採択されました。その中で大きな影響力を持っていたのがICANでした。このことは日本でも多く報道されていました。
実際にICANとして核兵器禁止条約の発効を1つのゴールとしていると話していたダニエルさん。
その中でも、ゴールとして明確に結論を定めているからこそ、核兵器禁止条約の強み、他の条約とは違う特別な存在であることを話してくださりました。
核兵器禁止条約は、核兵器の使用・開発・実験・製造・生産・保有、そして核兵器使用の威嚇を法的に禁止する国際条約です。また、この中では核による被害者=ヒバクシャの支援も書かれてあります。
現在NPTでもよく話題に上がるCTBTやFMCTよりも特別なのは、ただ使用や実験を禁止するのではなく、威嚇までも禁止していること。
これらの点がある意味特別だと話されていたダニエルさん。
そして、最も印象的なワードとして私の心に残っているのが、
『核抑止をサポートすることは、核兵器そのものをサポートすることと同じ』
という事。
ハッとさせられました。
単純なようで全く気が付いていなかった。現在日本はアメリカの核の傘のもとにあり、核抑止に頼っている状況です。核抑止に依存している今の状況は、核兵器そのものに依存し、サポートしているのと変わりありません。
ダニエルさんがおっしゃっていた核兵器禁止条約の特別感というのも、核抑止もすべて禁止する条約だからこそ、この条約が発効されることで核抑止に依存する世界から脱することができると感じました。
やはり核軍縮の最前線を行くNGO、しかもICANのNo.2の方から直々に教わる核兵器禁止条約についての内容とプロセスは本当に、ダニエルさんの熱意をひしひしと感じ、学び多い時間でした。
日本政府の方から、『核兵器禁止条約に限らず、同じ山を目指しているかが大切。核兵器廃絶という同じ目的であるならば、それにそった山ののぼり方は様々ある』(詳しくは私のブログNo.7参照)
とお聞きしましたが、やはり私は、核兵器禁止条約のコースを使いながら、頂上までたどり着くことが必要だと感じました。
相手の立場、核抑止に依存する国の立場ももちろん分かります。
しかし、多くの国と市民社会の核兵器廃絶を願う“想い”と、“熱意”を考えると、「自分たちとは違う別の登り方だからいいや」となるのではなく、「どれも同じように、どの登り方も前向きにとらえよう」と考えることが、傘の国をはじめ核兵器禁止条約の交渉会議に参加しなかった国々に必要だと思います。
私は今回、1人の発信者として、ICANとして堂々と活動しているダニエルさんがとても輝いて見えました。
私も1人の発信者として、どう伝えられるか。
もしかしたら、まだまだ私の知らないことが多いから、物事を単純に考えてしまうのかもしれません。
だったら、もっと深く知っていけるように。
そして、他の意見を持つ人を、少しでも納得や共感してもらえるような発信ができるようになりたい!と改めて感じました!!

長くなりましたが、今回はこの辺で。
いよいよ明日は、会議最終日。
どうなるか注目です!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 


2018/05/04(金)   No.15【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんおはようございます! ☀️
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
更新が遅くなってしまい申し訳ありません( ;∀;)
No.15では、
〇NPT再検討会議第2回準備委員会 最終日
〇会議を振り返って

の2つをお送りします^^

現地時間5月4日(金)は、再検討会議第2回準備委員会の最終日でした。
その前日(3日)には、各国政府の方々やNGOにこれまでの会議を踏まえた起草案が配られていました。
最終日の4日は、3日に配られた起草案をもとに、各国政府から意見要望等を述べる、という流れでした。
そのため、これまでのように順番に全ての国がステートメントを述べるのではなく、挙手制で会議は進められました。
それぞれの国が起草案の内容について、「もっと○○すべき」などと国としての意見を述べていたのですが、その中で印象的だったのは、核兵器禁止条約についての話題です。
核兵器禁止条約に対して、肯定的な国もいれば否定的な国もいます。
肯定的な国の多くは、非核兵器国が。
否定的な国の多くは、核兵器国と核の傘の国が。
そんな中、今回の起草案の中で核兵器禁止条約については、あまり深く言及されていませんでした。
この事に対し、コスタリカなどの核兵器禁止条約に肯定的な国が強く言及していたことが印象的でした。
これらのことからも、私は今回の起草案は核兵器国の主張が強く反映されているように感じました。
核兵器国禁止条約がすべて正しい。
核兵器国の主張が正しい、正しくないというわけでもないと思います。
しかし、CTBTやFMCTといった核廃絶に向けた関連の条約が触れられているのに対し、核兵器禁止条約だけが他よりも避けられてしまうのも違う話であり、難しい事だと感じました。
単純な考えではありますが、その単純さの裏には、その国それぞれの譲れないプライオリティーが多く隠されているという事と、そのプライオリティーをどう織り交ぜていくか、大きな課題だと感じました。

〇会議を振り返って
会議初日には、核兵器廃絶に向けた国際会議が目の前で行われているはずなのに、化学兵器の問題でアメリカとロシア、シリアの三か国で言い合いになったり……
他の国は大使がステートメントを読んでいるのに、日本だけ外務大臣が直々にステートメントを読み、ある意味注目を集めたり……
核兵器国がステートメントを読むときは、少し会場の空気感が変わったり……
いろいろなことがありました。
その中でも、やはり、この会議の目的である2020年に向けて合意文書を創り上げることがいかに難しいか、痛感しました。
非核兵器国は核兵器国に対して、核廃絶に向けて積極的ではない事などを言及し、批判する場面も見られました。
しかし、批判するだけでは核兵器国の立場になると、ハードルとなっている点が解決されているわけでもない。新たな解決策を提案しているというわけでもない。
しかし、2020年に向けて合意文書を作らなければならない。
それぞれの国で譲りたくないところがはっきりと示されているからこそ、いかにしてすべての国が賛成できる合意文書を創り上げることができるのか、とても興味がわきつつも、先行きは不透明で険しい道のりだと感じました。
こうして実際に国際会議に参加できているからこそ、ニュースで取り上げられていない些細なことも感じ、学ぶことができました。
改めて、この機会に感謝し、そしてこの経験をこれから先どう生かしていくか、それも自分自身の課題であると感じています。

長くなりましたが、ここら辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^

 

 


2018/05/20(日)   No.16 Final【Impossible→I’m possible】  酒井 環

みなさんこんにちは!
ナガサキ・ユース代表団6期生 酒井 環(さかい たまき)です。
5月8日に現地スイスを出発し、10日に長崎に帰ってきました。
今回の投稿は、”Final”
帰国してから約1週間。
ナガサキ・ユース代表団6期生として臨んだ今年の現地活動を振り返り、Finalとして締めくくりたいと思います!
4月18日から5月10日までの23日間。
振り返ってみると多くの機会に恵まれ、毎日が本当にかけがえのない時であふれていました。

☆国家間の溝をまじまじと感じた、会議傍聴。
☆国連内自主ワークショップ、ついに開催! ~ショートフィルムプロジェクト~
☆当たって砕けろ!精神で臨んだ、各国政府との対談
☆国際問題に挑む人々の最前線を体感!国際機関訪問 
☆あこがれを行動に… 日本語補習校での授業実践
☆ドイツの大学生と語り合った夜
☆国境を越えて… 多くの方々との出会い

書き出してみると、本当に、多くの経験を重ねることができました。
一つひとつを振り返るときりがないくらい。
改めて振り返った時。すべてに共通していること、そして帰国して1週間たって心から想うことができた事。それは、
感謝の気持ち。
シリアの化学兵器の問題で、私の目と鼻の先でアメリカとロシアがバトルを繰り広げられ、国際問題の真の難しさを感じることができたこと。
歴代ユースとして初めての試みだった、ショートフィルムプロジェクトを無事終えることができたこと。
数々の国際機関を訪問し、多くの方から未来への希望と、一歩踏み出す勇気をもらうことができたこと。
「5期生のメンバーのように、私も子どもたちに何かを伝えられる人になりたい…」
そんな想いが実現した、日本語補習校での授業実践。
これらすべて、多くの方々の支えがあって掴むことができた機会です。経験です。
現地活動までの約4か月間、楽しい事ばかりではなかった。
そんな日々を乗り越え迎えた、23日間に及ぶ現地での活動。
気が付くと、大変なことよりも充実した日々の記憶で頭の中が埋め尽くされていました。
もちろん、6期生のメンバーとしての頑張りもあったかもしれない。
でも、私は。
この機会をつかむことができたのは、私たちを支え、応援してくださった方々がいたからこそだと感じています。

ブログのテーマ 【Impossible→I’m possible】
今年の活動の中で、不可能と思ってしまうことでも、「私はできる!」と、私だからできることを何事も挑戦することを目標としていました。
そして、ユース6期生として活動していく上で目標としている一人の“発信者”としての自覚を持つことも。
堂々と、「私はこのテーマをやり抜けた!」とは言えません。このテーマを力に変え、充実感や達成感、あの時の自分だからできた経験を得ることができたこともあれば、もっとできたはず、やれたはず、という思いもあります。
でも、これまで多くの経験と、学びとを身をもって感じることができたのは、多くの人の支えがあったからです。
私は、これまで毎日現地でブログを投稿してきました。
それは、みなさんにユースの活動を知ってもらいたいということもありましたが、この経験を1㎜でも忘れることなく、自分自身に刻み込むためでもありました。
15回にもわたったブログのなかに詰まっている多くの経験は、自分たちの頑張りだけでなく、多くの人たちの支えがあってこそという事を忘れてはいけない。
そう、1週間という時がたった今、改めて感じています。
この場で、支えてくださった方々に心からの感謝の気持ちを伝えたい、そう思います。
いつもブログを見て応援してくださった皆さん
現地で私たちを応援し、協力してくださった皆さん
日本から暖かく見守ってくれていた皆さん
本当に、ありがとうございます。
この感謝の気持ちを忘れることなく、どう帰国してからの活動に繋げていくか。
それは想いだけではできません。
想いと行動力と、やり抜く力が必要です。
私には、この経験で得ることができた力が、果てしない可能性がある…
その力を糧に、どんなに難しい、厳しい事でも、一歩一歩前進すれば、必ずゴールに到達できるはず…
それも全て、多くの人たちの支えがあって、前に進んでいけるのだから。
支えてくださっている方々への感謝の気持ちを忘れずに。
そしてこれから待ち受けているかもしれない、新たな試練や苦労にも感謝し、向き合うことができるように。
そんな想いと力を持った発信者になるべく、これからも
ImpossibleをI’m Possible!
にできるよう、自分らしく頑張っていきたいと思います!
これまで長く、つたないブログを読んでいただき、本当にありがとうございました。
みなさんが読んでくれていたことが本当に力になりました。

【Impossible→I’m possible】No.16 Final はここら辺で^^
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!!

 

 

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