2012年10月24日

10月22日(月)午前、核兵器に関するテーマ別討論において、34か国(+オブザーバー国であるバチカン)を代表したスイスが、「核軍縮の人道的側面に関する共同声明」(英文 日本語訳)を発表した。今年5月の16か国声明(英文 日本語訳)に続き、スイス、ノルウェーらが主導したものである。署名国にはその後モロッコが加わり35か国になったという情報もあり、確認中である。

日本政府に対してもスイスらが署名を要請したが、「(日本の)安全保障政策 の考え方と必ずしも合致しない内容がある」(記者会見での榛葉副大臣の発言。10月22日)として賛同しなかった。

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2012年10月23日

まえがき

国連総会には6つの委員会があるが、そのなかで第1委員会は総会が扱うべき「軍縮と国際安全保障」に関わるすべての問題を扱う。

2012年の第67国連総会は9月18日に開会した。多くの国の首長が登壇した一般演説を終えたのち、第1委員会(議長:デスラ・ペルカヤ大使、インドネシア)は10月8日に開会した。

このモニターは第1委員会の議論のすべてを追跡するのではなく、核兵器に関わる議論に限定して追跡する。確かに核兵器問題は議論全体の中で重要な部分を占めるが、私たちは、つねに世界の平和と安全保障を実現する国連の役割全体を視野に入れて考える姿勢を失ってはならないであろう。今回の第1委員会をみても、7月の最終的交渉で決裂した武器貿易条約(ATT)の問題や、飢餓や疾病に苦しむ大多数の人々への投資よりも巨額の軍事費への投資が優先される現実に、多くの国が厳しく言及した。さらに、シリアの内戦に象徴される武力衝突が毎日のように一般市民の命を奪い難民を生み出している最中に会議が開かれているという現実感覚を、私たちは持ち続けなければならない。

核兵器問題に限定して考えた場合、今回の第1委員会は、2010年NPT再検討会議で一定の前進を勝ち取ったのち、2011年2月の米ロ戦略兵器削減条約(START)の発効以来、2年近くも「核兵器のない世界」への動きが停滞に陥っている現実を反映している。とりわけ、2012年もジュネーブ軍縮会議(CD)が行き詰まりを解決できなかったという苦い現実を背負って第1委員会は協議を開始した。憂慮する良心的な国々は、責任感と創意をもって会議に臨むはずである。そんな中で日本政府はどうなのか。日本の市民にとってはそれも大きな関心事となる。

第1委員会もまた、10月16日まで「軍縮と国際安全保障」に絞った一般討論を行った。10月17日にはテーマ別討論が始まった。第1報では10月8日~16日の一般討論の中から注目すべき2つの動きについて報告する。

新アジェンダ連合は一歩踏み出すか?

10月8日の一般討論では、新アジェンダ連合(NAC=アイルランド、スウェーデン、メキシコ、ブラジル、ニュージーランド、エジプト、南アフリカの7か国)の発言がまず注目された。今年はスウェーデンがNACを代表して発言した(英文 日本語訳)。NACの現状認識は明確であり一貫している。それは「核不拡散条約(NPT)はすべての側面において、公正に履行されなければならない。しかし、現実には、核不拡散は一定の成功を収めているにもかかわらず、核軍縮の進展は余りにも遅い」というものである。

今回のNAC発言で注目したい点は二つある。いずれも今回が初めての内容ではなく、今年4~5月にウィーンで開催されたNPT再検討準備委員会でも同様なNAC発言があったが、多数決で運営される国連総会に持ち込んだ発言として注目する。

一つはNACが国連事務総長の2008年の提案を念頭に置きながら、核兵器禁止条約に関して次のように触れた部分である。

「核兵器のない世界の達成と維持のための相互に強化しあう国際文書の包括的枠組みを構築するため、すべての国家が努力すべきであることを、NACは今一度訴えます。すべての核兵器の完全廃棄に向けたこのような法的拘束力のある枠組みは、効果的かつ信頼性を持たせるために、明確に定義された評価基準や行程表を含むとともに、強固な検証システムに裏打ちされていなければなりません。」

一つの核兵器禁止条約というイメージではなく諸条約の包括的な枠組みとして提案し、時間枠を含むような条約を明確に提案していることが注目点である。最大の関心事は、この考えがNACの総会決議案に具現するかどうかである。筆者の主観では相当にハードルが高いと考えられる。

もう一つの注目点は、核兵器国と同盟関係にある国に対して要求した次のような件である。

「継続的で強化された透明性も不可欠です。核兵器国を含む軍事同盟に属している国々は、集団的安全保障ドクトリンにおける核兵器の役割を低減、さらには除去するために計画中の諸措置について報告を行うことで、これに寄与することができるでしょう。」

RECNAのNPTブログの第5報でも述べたように、NACのこの主張は、日本を含むNPDI(核軍縮・不拡散イニシャチブ)が提出した透明性に関する作業文書と深く関係している。日米安保条約は集団的安全保障条約ではないが、日米は安保条約における核兵器の役割を減じるための措置をとるべきであり、そのことを報告することによって透明性の向上に寄与することがでる。

オーストリアなど3か国の再挑戦

オーストリア、メキシコ、ノルウェーの3か国は、昨年の国連総会でCDの行き詰まりを打破するために、革新的で創意あふれる総会決議案を提出した。しかし、内容を薄めて採択される道を選択せず、説得に時間をかけるとして決議案を投票に付すことを断念したという経過がある。RECNAのNPTブログ第2報で述べたように、ウィーンで開かれたNPT再検討準備委員会でメキシコは、今回の国連総会で再挑戦する可能性を示唆していた。

期待通り、10月10日の一般討論において、オーストリアは「多国間の核軍縮にダイナミックな力学を取り戻すことを目指して、同志国家とともに決議案を起草することを決意した」と述べた。決議の内容については次のように述べた。

「このイニシャチブの目的は、来年中に3週間までの会期を持つ会議をジュネーブに招集する無期限ワーキング・グループを設置することによって、核軍縮の分野での多国間の実質ある前進をめざすことにある。ワーキング・グループの任務は、「核兵器のない世界」の達成と維持のための多国間交渉を前進させる具体案を作成することにある。結果いかんに偏見をもたず、建設的で実質のある作業をするためのフォーラムになることを目指す。」

この内容だけでは決議案の全貌は分からないが、昨年の決議案と同じではなく、より練られた内容として再提案されるように見受けられる。

10月12日には、ノルウェーも3か国提案に言及し、「核兵器のない世界という私たちの共通の目標を達成するためには、新しいアイデアとアプローチを発展させることが切実に求められている。オーストリア、ノルウェー、メキシコが提案する決議案はこの求めに応えるための一案である」と述べた。

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2012年10月19日

「アジアの若者が、被爆地・長崎で出会い、語る」

日時: 2012年10月18日(木) 午後5時00分~7時30分
場所: 文教キャンパス・新棟2番教室(1階)
主催: 長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)
共催: 核兵器廃絶長崎連絡協議会(PCU-NC)

 

活発に議論する様子
韓信大学のイ・キホ先生 全員で集合写真

 

10月18日、韓信(ハンシン)大学の学生を中心とした韓国からの訪問団を迎え、長崎の大学生・高校生との交流会が開催されました。

交流会は日韓の学生によるパフォーマンスから始まり、その後、グループに分かれ、核兵器や原発をめぐる日韓の意識・現状の違いについてや、アジアの同世代の若者としての将来のビジョンなどをテーマに率直な意見交換を行いました。

総勢50名で行われた交流会はとても活発なものとなり、今後の若者同士の交流や活躍に大いに期待されるものとなりました。

2012年10月18日

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2012年10月4日

10月4日、核兵器廃絶長崎連絡協議会(PCU-NC)が立ち上がりました。RECNAは事務局を担うほか、シンクタンクとして今後様々な活動をPCU-NCと連携して行っていきます。

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