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<暫定訳>
第69回国連総会第一委員会
核兵器の人道上の結末に関する共同声明
ジョン・クィン豪国連大使・軍縮大使による演説
2014年10月20日

議長、

私は、オーストラリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチア、チェコ共和国、エストニア、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、日本、リトアニア、ルクセンブルグ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スペインを代表して発言しています。

核兵器の人道上の影響があらためて世界から注視されたことにより、核兵器使用、重大な核兵器事故、そして核分裂性物質を使用したテロ攻撃が人類にもたらす恐ろしい結末を懸念する声がふたたび勢いを得ています。私たちは核が人類にもたらしてきた今も続く危険を懸念し、次世代のために平和な未来を希求しています。このことが、私たちが長年、とりわけ核不拡散条約(NPT)を通じて、核軍縮・不拡散の効果的な前進を主張してきた所以です。

国境や世代を超えて、核兵器の人道上の影響に関する意識が広がることの重要性を私たちは強調します。核兵器のない世界を達成するためのさらなる気運の醸成に向け、私たちは、現世代が、とりわけ核武装国において、なぜ私たちが固い決意の下、核兵器のない世界をめざし努力すべきなのかを完全に理解する必要があります。この文脈において、私たちは、多くの国を代表してニュージーランドが発した核兵器の人道上の結末に関する声明を歓迎します。核戦争が二度と起こらないことは、人類の生存そのものにとっての利益です。

冷戦の終結以降、世界中の核兵器が大幅に削減されてきたことを私たちは認識しています。しかし、16,000を超える核弾頭が未だに存在し、その多くが高い警戒態勢に置かれています。いくつかの核兵器保有国が新しい核兵器を生産し続けていることもまた遺憾なことです。

このように、すべての国家が、さらに強い決意を持ち、速やかに自国の核軍縮義務を果たすとともに、これらの兵器が使用・拡散されないことを確実にするための取り組みを行うことが極めて重要です。あわせて、核兵器の廃絶は、核兵器保有国の実質的、建設的な関与を通じてのみ可能になるのです。

保有核兵器のさらなる大幅削減を促進し、究極的に廃絶するための条件を創るには、国際社会が協力し合い、安全保障と人道という核兵器の重要な側面に取り組むことが必須です。また、国家間、とりわけ核兵器保有国間の敵対、緊張の度合いをいっそう緩和し、既存の保有核兵器に関する透明性の強化や軍事ドクトリンにおける核兵器の役割の低減といった信頼醸成措置(CBMs)を追求していくことが不可欠です。核兵国間の緊張が現在高まっていることに私たちは失望しており、核兵器国がこのような状況においてもなお、さらなる信頼醸成措置や保有核兵器の削減を追求していくことを奨励します。

私たちは、核不拡散・軍縮を相互に補強し合うプロセスとして同時並行で前進させ、より平和な世界を創っていかなければなりません。私たちにできる具体的な貢献は、世界の主たる軍縮交渉の場であるジュネーブ軍縮会議(CD)の停滞を打破し、核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉を開始し、包括的核実験禁止条約(CTBT)を発効させることです。核兵器国は可能な限り早期に自国の保有核兵器のさらなる削減を行い、核弾頭の警戒態勢を低下させ、防衛ドクトリンにおける核兵器の役割や重要性を低下させる努力を講じなければなりません。核兵器国はまた、いかなる新しい核兵器の生産をも中止することを誓約すべきです。国際原子力機関(IAEA)における、世界的な拡散の危険に関する査察、検証、報告といった権限も強化されなければなりません。

NPTは全面的な核軍縮に向けた前進の要石です。

NPT第6条で合意されているように、厳格かつ効果的な国際管理の下での全面完全軍縮に関する多国間枠組みは、核兵器のない世界の下支えとなるべく今後交渉される必要があるでしょう。しかし、核兵器のない世界に私たちが歩みを進める上で必要となる困難かつ具体的な作業がまだ残っていることを私たちは認めなければなりません。核軍縮を実現するために必要な信頼性や透明性を獲得しようとするのであれば、私たちは系統的に、現実的に取り組んでいかなければなりません。近道は存在しないのです。

2015年NPT再検討会議の成功裡の成果に貢献すべく、ウィーンでの核兵器の人道上の影響に関する第三回会議において、生産的かつ包摂的な議論がなされることに期待します。

ご清聴ありがとうございました。

(暫定訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))

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