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第70回国連総会
核兵器のない世界へ:核軍縮に関する誓約の履行を加速する
2015年10月21日、A/C.1/70/L.41

総会は、

 1946年1月24日の決議1(I)、2012年12月3日の決議67/34、2013年12月5日の決議68/39、2014年12月2日の決議69/37を想起し、

 核兵器が人類にもたらしている危険に対する憂慮と、それが核軍縮及び核不拡散に関連したあらゆる討議、決定、行動の本質に据えられるべきであることを繰り返し強調し、

 核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道上の結末をもたらすとの、2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議が表明した深刻な懸念と、すべてにとってより安全な世界を追求し、核兵器のない世界の平和と安全を達成するとの決意を想起し※、

 2010年以降、壊滅的な人道上の結末や核兵器の関する危険性が国際社会の中で新たに注目を集め、また、そうした関心が核軍縮の必要性や核兵器のない世界の達成と維持の緊急性を下支えすべきであるとの認識が高まっていることに満足を持って留意し、多国間核軍縮の議論において核兵器の人道上の影響が重視されていることにも満足を持って留意し、

 核軍縮の緊急性を高めることに繋がる、核兵器爆発の壊滅的な結末への理解やさらなる意識喚起を目的とし、2013年3月4、5日にノルウェー、2014年2月13、14日にメキシコ、2014年12月8、9日にオーストリアで行われた「核兵器の人道上の影響に関する国際会議」における議論に留意し、

 核兵器爆発のもたらす壊滅的な結末が、国境を容易に越え、国家や国際機関はそのような状況に対処する能力を持ち得ず、事故・システム不具合・人為的ミスによる不慮の事態が起こる危険性がある等、その詳細を述べた説得力のある証拠が「核兵器の人道上の影響に関する国際会議」で提示されたことを強調し、

 なかでも、婦女子に対する電離放射線被曝の影響は極めて不均衡であり、性差が見られるというウィーン会議で提示された研究成果に留意し、

 2013年9月26日の核軍縮に関する国連総会ハイレベル会合の開催と、「核軍縮に関する国連総会ハイレベル会合のフォローアップ」と題した2013年12月2日の決議69/58ならびにそこに含まれる諸決定を想起し、また、9月26日を「核兵器廃絶のための国際デー」として記念、推進していることを歓迎し、

 戦争の惨禍がもたらす言語に絶する苦難から次世代を守るべく設立された国連が70周年を迎えることを想起し、国連が、第二次世界大戦の余波、ならびに、広島・長崎に初めて使用された原爆による死と破壊の巨大な爪痕から誕生したことを想起し、よって核軍縮の前進に向けた歴史的好機であり、

 核兵器のない世界の達成と維持に向けた多国間核軍縮交渉を前進させるための諸提案を策定したオープンエンド作業部会の報告書を考慮するよう加盟国、国際機関、市民社会に奨励した2014年12月11日の決議69/41、ならびに、2013年12月5日の決議68/46にしたがい、多国間核軍縮交渉の促進に向けて加盟国が既にとっている諸措置を含めた多国間核軍縮交渉を前進させる方途に関する国連事務総長報告を歓迎し、

 核軍縮・不拡散教育の重要性を強調し、

 透明性、検証可能性、不可逆性は核軍縮と核不拡散に適用されるべき基本原則であり、核軍縮と核不拡散は相互に強化しあうプロセスであることを再確認し、

NPT無期限延長の基底であるところの、1995年NPT再検討・延長会議が採択した諸決定及び決議※、ならびに2000年※と2010年※の再検討会議の最終文書、とりわけNPT第6条下で誓約された核軍縮につながるよう核兵器国が保有核兵器の完全廃棄を達成するとした明確な約束※を想起し、

 条約義務の履行に関連して、すべてのNPT加盟国が、不可逆性、検証可能性、透明性の原則の適用を誓約していることを再確認し、

 包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効が、核軍縮及び核不拡散の目標を前進させる上で引き続き死活的に重要であることを認識するとともに、アンゴラによる最近の批准を歓迎し、

 核兵器の完全廃棄こそが核兵器の使用あるいは使用の威嚇に対する唯一の絶対的保証であること、ならびに、核兵器の完全廃棄が達成されるまでの間、明確かつ法的拘束力を持つ安全の保証を核兵器国から受けることに関する非核兵器国の正統な関心を想起し

 核兵器の完全廃棄が達成されるまでの間、非核兵器地帯の設立と維持が、世界的、地域的な平和と安全を促進し、核不拡散体制を強化し、核軍縮という目標の実現に貢献するとの確信を再確認するとともに、「非核兵器地帯条約加盟国・署名国及びモンゴル会議」の開催を歓迎し、

 中国、フランス、ロシア、英国が中央アジア非核兵器地帯の議定書に批准したことを歓迎し、これらの国家が、それぞれの非核兵器地帯条約の目標や目的に反するような留保、解釈宣言を取り下げることを含め、既存のすべての非核兵器地帯の強化に向けて引き続き実質的な進展を図ることを要請し、

 2010年NPT再検討会議が、地域の関係諸国間の自由意思で合意された取り決めに基づく非核兵器地帯のさらなる設置を奨励したことを想起し、これが非核兵器地帯が未だ存在しない地域、とりわけ中東における地帯設立のための協調的な国際努力へと続くことに対する期待を再確認し、この文脈において、1995年中東決議の完全履行に向けた実際的措置に関する2010年再検討会議の合意が果たられなかったことを深い落胆とともに留意し、これに関して2015年再検討会議がいかなる合意も成し得なかったことに失望し、

 ジュネーブ軍縮会議(CD)を筆頭に、核軍縮に関する多国間交渉への前進が引き続きみられないことに深く失望し、

 2015年4月27日から5月22日にかけてニューヨークで開催された2015年NPT再検討会議がいかなる実質的な成果も生みだせなかったことを極めて遺憾とし、

 2015年再検討会議がNPTを強化し、その完全履行に向けた進展と普遍性を促進し、1994年、2000年、2010年の再検討会議でなされた誓約やそこで合意された行動の履行を監視する機会を逸してしまったことを遺憾とするとともに、この失敗がNPTの信頼性や3本柱の間のバランスに与える影響を深く懸念し、

 戦略攻撃兵器のさらなる削減及び制限のための措置に関するアメリカ合衆国とロシア連邦との間の条約の完全履行に向けた進行中の努力を認識するとともに、2010年NPT再検討会議において両国が保有核兵器のさらなる削減を実現するための後継措置に関する協議を継続するよう奨励されたことをあらためて強調し、

 一方的、二国間、地域的イニシアティブの意義、ならびにそうしたイニシアティブの合意事項が遵守されることの重要性を認識しつつも、核軍縮に関連する多国間主義の重要性を強調し、

2010年再検討会議最終文書※の行動5、20、21にしたがい、核兵器国が2015年再検討会議に提出した報告書に留意し、また、主要核用語集の第一版にも留意し、

 1.NPTの各条項は加盟国をいかなる時もいかなる状況においても法的に拘束するものであり、すべての加盟国は条約に基づく義務への厳格な遵守について全面的な責任を負わねばならないことを繰り返し強調する。また、すべての加盟国に対し、1995年、2000年、2010年の再検討会議におけるすべての決定、決議、誓約を完全に遵守するよう求める。

2.すべての加盟国がいかなる時も国際人道法を含めた適用可能な国際法を遵守する必要性を繰り返し強調するとともに、「核兵器の人道上の影響に関する会議」で得られた証拠が国際人法の原則に基づいて核兵器を評価する上で重要な示唆を与えるものであることを認識する。

 3.加盟国が、関連した決定や行動において、核軍縮の下支えとなる人道上の要求、ならびにこの目的を達成する緊急性にしかるべき注意を払うことを求める。

 4.すべてのNPT加盟国が条約第6条の下で誓約している核軍縮につながるよう、保有核兵器の完全廃棄を達成するとした核兵器国による明確な約束の具体的な再確認を含め、2000年NPT再検討会議の最終文書※が合意した実際的措置が引き続き有効であると再確認されていることを想起し、核軍縮につながる措置に関する具体的な前進の加速を核兵器国が誓約していることを想起し、核兵器国が自国の誓約の実施を加速させるためにあらゆる措置をとることを求める。

 5.配備・非配備を問わず、あらゆる種類の核兵器を、一方的、二国間、地域的及び多国的措置を通じたものを含め、削減し究極的に廃棄するためのいっそうの努力を行うとの誓約を果たすよう核兵器国に求める。

 6.すべての核兵器の高度警戒態勢の解除を目的に、検証可能かつ透明性のある方法で、核兵器システムの配備体制を緩和させることをすべての核兵器保有国に要請する。

 7.核兵器の完全廃棄までの間、すべての軍事・安全保障概念、ドクトリン、政策上の核兵器の役割や重要性を具体的に低下させるよう核兵器国に奨励する。

 8.核兵器の完全廃棄までの間、核兵器国を含む地域同盟の一端にある核兵器保有国に対しても、集団的安全保障ドクトリン上の核兵器の役割を低下させるよう奨励する。

 9.核兵器国による核兵器の開発や質的改良の制限、ならびに先端的な新型核兵器の開発の中止に対する非核兵器国の正統な関心をNPT加盟国が認識したことを強調し、この点に関して措置を講じるよう核兵器国に求める。

 10.すべての核兵器国が、これまでに行われた核軍縮に関する誓約や義務にしたがい、それぞれの国でもはや軍事的に不要と判断されたすべての核分裂性物質を不可逆的に撤去するためのさらなる措置を講じることを奨励する。また、国際原子力機関(IAEA)の文脈で、すべての加盟国が、適切な核軍縮検証能力及び法的拘束力のある検証取り決めを前進させることを支援し、そのような物質を検証可能な形で恒久的に軍事計画外に置くことを求める。

 11.すべてのNPT加盟国に対し、1995年再検討・延長会議で採択された中東に関する決議の完全履行に向けて取り組むよう求める。これは条約の無期限延長と密接に関連するものであり、1995年中東決議が定めた中東非核・非大量破壊兵器地帯の設立に向けたプロセスに関するものを含め、2015年NPT再検討会議が実質的な成果を生み出せなかったことに失望と深い懸念を表明する。1995年中東決議の有効性はそれが完全に履行されるまで継続する。

 12.2010年再検討会議が2012年の開催を義務付けていた、中東非核・非大量破壊兵器地帯の設立に向けた会議が開催されていないことに極めて深い失望を表明する。

 13.核軍縮及び核不拡散の達成におけるNPTの基盤的役割を強調するとともに、すべての加盟国がNPT普遍化に向けたいかなる努力も惜しまないことを求める。またこれに関連して、インド、イスラエル、パキスタンに対し、即時かつ無条件に、非核兵器国としてNPTに加盟し、自国のすべての核施設をIAEA保障措置下に置くことを求める。

 14.朝鮮民主主義人民共和国に対して、平和的手段で朝鮮半島の非核化を達成することをめざし、すべての核兵器及び既存の核計画の放棄を約束した2005年9月の共同声明を含む6か国協議における誓約を果たし、早期にNPTに復帰し、IAEA保障措置合意※を遵守するよう要請するとともに、6か国協議への確固たる支持を再確認する。

 15.すべての加盟国が、多国間の文脈の中で核軍縮の大義を前進させる努力を妨害している国際的な軍縮機関の内部における障害を乗り越えるために協働することを要請する。また、今一度CDに対し、多国間交渉を通じたものを含め、核軍縮の課題を前進させるための実質的作業を遅滞なく開始するよう要請する。

 16.2020年再検討会議に向けた再検討サイクルにおいて提出する報告書において、核軍縮に関する自国の履行状況に関する具体的かつ詳細な情報を含むよう、核兵器国に要請する。

 17.核兵器国が、標準化された精緻な報告様式を通じたものを含め、加盟国が進捗状況を定期的に監視できるような形で、自国の核軍縮誓約を質的にも量的にも履行することを要請する。これは、核兵器国間のみならず核兵器国と非核兵器国との間の信用性、信頼性を向上させ、持続可能な核軍縮に貢献するものとなる。

 18. すべてのNPT加盟国が、2010年再検討会議行動計画におけるすべての誓約と義務を遅滞なく履行することを求める。

 19.国連総会決議1(I)及びNPT第6条の精神と目的にしたがい、核兵器のない世界の達成と維持のための効果的な措置に関する多国間交渉を遅滞なく、かつ誠実に追求することを加盟国に要請する。また、この目的のために、核軍縮のための法的拘束力のある効果的な措置に関する選択肢を検討するとともに、それらを特定し、詳述し、交渉する努力を支持するよう加盟国に要請する。

 20.第71回国連総会の暫定議題として、「全面完全軍縮」項目の下に「核兵器のない世界へ:核軍縮に関する誓約の履行を加速する」と題された副項目を含めること、並びに現存する決議の履行を同会期において点検することを決定する。

※印には参照すべき文書の名称等が記載されているが省略した。
(翻訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))

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