第63回国連総会・新アジェンダ連合決議
核兵器のない世界へ:核軍縮に関する誓約の履行を加速する
2008年12月2日採択、決議A/RES/63/58
共同提案国:ブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカ、スウェーデン、オーストリア、バングラデシュ、コスタリカ、フィジー、ガイアナ、マラウィ、マルタ
総会は、
2007年12月5日の決議62/25を想起し、
核兵器使用の可能性によって人類がさらされている脅威を深く憂慮し、
核軍縮と核不拡散は相互に補強し合う過程であって、両面での緊急かつ不可逆的な前進が求められていることを再確認し、
核軍縮及び核不拡散の前進に向けては包括的核実験禁止条約の早期発効が引き続き死活的重要であることを認識するとともに、バルバドス、ブルンジ、コロンビア、マレーシアが最近同条約を批准したことを歓迎し、
1995年核不拡散条約(NPT)再検討・延長会議で採択された「条約再検討プロセスの強化」「核不拡散と核軍縮のための原則と目標」「NPTの延長」の諸決定と「中東に関する決議」、ならびに2000年NPT再検討会議の最終文書を想起し、
NPT第6条に基づく誓約にしたがい、核兵器国が核軍縮へと繋がる保有核兵器の完全廃棄を達成すると明確に約束したことを想起し、
来る2010年NPT再検討会議を念頭に、2009年に開かれる2010年再検討会議に向けた第3回準備委員会の作業において建設的な関与を強化することを締約国に要請
1. 核軍縮及び不拡散を達成するために、NPTの中心的な役割及びその普遍性の重要性を引き続き強調し、すべての締約国にその責任を尊重するよう強く求める。
2. すべての締約国に対し、核軍縮及び核不拡散に関する誓約を完全に遵守するよう、また、いかなる場合も新たな核軍備競争を誘発したり、それに結びついたりするような行為を行わないよう求める。
3. 2000年NPT再検討会議の成果によって、核軍縮に向けた体系的かつ前進的な努力の枠組みが作られたことを再確認し、それに関連して核兵器国に対し、 2000年NPT再検討会議で合意された核軍縮に向けた実際的措置の履行を加速し、それによって、すべてにとってより安全な世界を創ることに貢献すること を求める。
4. すべての締約国に対し、NPTの普遍性の達成に向けて最大限の努力を払うようあらためて求めるとともに、条約に未だ加盟していないインド、イスラエル、パキスタンの3か国に対して非核兵器国として早急かつ無条件に条約に加盟するよう要求する。
5. 6か国協議の枠組みによる平和的手段での朝鮮半島の非核化達成に向けた努力が2008年において行われたことを認識しつつ、朝鮮民主主義人民共和国にNPTからの脱退通告の撤回を要請する。
6. 2010年再検討会議へとつながる建設的かつ成功裏の準備プロセスの必要性を強調する。それは、あらゆる面におけるNPTの強化とその完全履行と普遍性の達成に寄与するものとなるべきである。
7. 2008年4月28日から5月9日にかけてジュネーブで開かれた2010年再検討会議に向けた第2回準備委員会を歓迎するとともに、2009年の第3回準 備委員会が1995年及び2000年会議の成果の上に、核兵器のない世界という目標に進む上で喫緊の前進が求められる具体的課題を特定しそれに取り組むこ とを求める。
8. 第63回会合の仮議題に「核兵器のない世界へ:核軍縮に関する誓約の履行を加速する」と題された項目を含め、本会議の履行状況を同会合で点検することを決定する。
(翻訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))