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第57回国連総会:新アジェンダ連合(NAC)決議
核兵器のない世界へ:新しいアジェンダの必要性

2002年11月22日採択、A/RES/57/59

共同提案国:アルジェリア、バングラデシュ、ブラジル、エジプト、フィジー、アイルランド、メキシコ、ナウル、ニュージーランド、パプアニューギニア、ソロモン諸島、南アフリカ、スウェーデン、ツバル、ウクライナ
追加提案国:オーストリア、ボリビア、ブルキナファソ、ブルンジ、カンボジア、チリ、コスタリカ、コートジボワール、ドミニカ共和国、エクアドル、ガンビア、ガーナ、ヨルダン、ケニア、クウェート、パラグアイ、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、サモア、サンマリノ、シエラレオネ、ウルグアイ、バヌアツ

 

総会は、

1998年12月4日の決議53/77Y、1999年12月1日の決議54/54Gおよび2000年11月20日の決議55/33Cを想起し、

核兵器の存在が人類の生存に対する脅威であることを確信し、

国際の平和と安定の維持、強化にとって、国際社会全体としての参加が枢要であること、そして、国際的安全保障は集団的な関与が必要な集団的な関心事であることを宣言し、

軍縮の分野で国際的に交渉された条約が国際の平和と安全に根本的な貢献をしてきたこと、そして、一方的および2国間の核軍縮措置は核軍縮に向けた条約に基づく多国間アプローチを補完することを宣言し、

国際司法裁判所が1996年7月8日に出した「核兵器による威嚇またはその使用の合法性」についての勧告的意見※と、その「厳格かつ効果的な国際管理の下、すべての側面における核軍縮につながる交渉を誠実に行い、かつ妥結させる義務がある」という全員一致の結論を想起し、

核兵器国が核兵器を無期限に保有するとすれば、それは核不拡散体制の一貫性と持続性、さらには国際の平和と安全というより広い目標とは相容れないことを宣言し、

すべての核軍縮措置に透明性、検証可能性、不可逆性という根本原則を適用することが重要であることを宣言し、

非戦略的核兵器のさらなる削減は、核軍備削減と軍縮過程の重要な一部であることを確信し、

核不拡散条約(NPT)の各条項は、各締約国を、いかなる時にも、いかなる状況においても拘束すること、全締約国が条約の下における義務の厳格な遵守に 完全なる説明責任を問われること、また、核軍縮についての約束はそこで既になされたのであって、その履行が依然として緊要であることを宣言し、

2000年NPT条約締約国再検討会議において合意された13項目措置の履行について、今日までほとんど進展がないことを深く憂慮し、

定期的な報告がNPTの信頼性を促進することの重要性を強調し、

軍縮会議(CD)が核軍縮にとり組み、核兵器およびその他の核爆発装置用の核分裂性物質の生産を禁止する、差別的でない、多国間の、国際的かつ効果的に検証可能な条約の交渉再開に失敗し続けていることを深く憂慮し、

包括的核実験禁止条約(CTBT)が依然として発効していないことを強く憂慮し、

配備され貯蔵されている核兵器の合計が依然として何千にも及び、引き続き核兵器が使用される可能性があることを深く憂慮し、

モスクワ条約によって予定されている配備戦略核弾頭数の削減がアメリカ合衆国とロシア連邦間の段階的核軍縮過程における前進を表すものであることを、配備や作戦上の地位を引き下げるというだけでは、核兵器の不可逆的な削減や完全廃棄の代わりにはならないことを強調しながらも承認し、

こうした2国間での成果にもかかわらず、核兵器完全廃棄につながる過程に核兵器国5か国すべてを組み込む努力の兆候がみられないことに留意し、

新型の核兵器の開発をしたり、核兵器の使用のための新たな理由付けをするなど、安全保障戦略の一部として、核兵器により広い役割を認めるアプローチが表れつつあることを深く懸念し、

戦略的ミサイル防衛の開発が核軍縮と不拡散に否定的な影響を与えて、地球上、あるいは宇宙における新たな軍拡競争へとつながってゆくかもしれないことを懸念し、

宇宙の兵器化に結びつくようないかなる措置もとられてはならないことを強調し、

NPTに未だ加盟していない3か国が引き続き核の選択肢を保持しており、保障措置下にない核施設を運転していることを深く憂慮し、とくに地域の脆弱性は 国際的安全保障に影響を与えることから、この文脈で南アジアと中東において地域的な緊張と安全保障状況の悪化が続いていることを深く憂慮し、

いくつかの地域において非核地帯がより一層進展したこと、特に、南半球とその近接領域においてそれが定着してきたことを歓迎し、

国連ミレニアム宣言※にて、国家および政府の元首が大量殺戮兵器、とくに核兵器の廃棄のために努力し、核の危険を除去する方法を探るための国際会議を開催するという可能性も含めて、この目的を達成するためのあらゆる選択肢を開放しておくと決議したことを想起し、

2000年NPT締約国再検討会議の最終文書において、すべての締結国がNPT第6条の下で誓約している核軍縮につながるよう、保有核兵器を完全廃棄すると核兵器国が明確に約束したこと※を考慮にいれつつ、

1. 核兵器が使用されうる可能性が増大しており、引き続き人類にとっての危険になっていることを再確認する。

2. 新たな核軍拡競争に結びつくような行動や、核軍縮や核不拡散に否定的な影響を与えるあらゆる行動を慎むことを全ての国に要求する。

3. 核軍縮と不拡散の分野における国際条約を遵守し、それら条約によるすべての義務をきちんと果たすようすべての国に要求する。

4. 核軍縮を達成するために必要な青写真を提供する成果を出した2000年NPT締約国再検討会議において達成された実質的な合意の完全かつ効果的な履行を、断固として、また変わらぬ熱意をもって追求するようにすべての締約国に要求する。

5. すべての非核兵器国に対する法的に拘束力のある安全の保証に関する多国間交渉が妥結されるまでは、安全の保証に関して今ある誓約を完全に尊重し、この 問題を2005年NPT締約国再検討会議への勧告を視野に入れた優先事項とすることを核兵器国に対して要求する。

6. 核兵器国に対して保有核兵器と軍縮措置に関する透明性と説明責任を向上させるように要求する。

7. 2005年NPT締約国再検討会議に向けた準備委員会が、第6条の履行に関して、締約国が定期的に提出する報告書―2000年最終文書の第15段落の第12節と、1995年決定の段落4(c)において概説されているもの―について審議する必要性を再確認する。

8. 戦略的核削減の文脈において核弾頭を破壊し、それを再配備することのできる状態に置かないことによって、NPTにおいてなされた不可逆性の原則を適用するという誓約を履行するよう、核兵器国に要求する。

9. CTBTの早期発効を実現するための署名と批准の重要性と緊急性について合意する。

10. CTBTが発効するまでは、核爆発実験やその他の核爆発のモラトリアムを支持し、維持するよう要求する。

11. CTBTの下における国際的核実験監視システムの設置が、条約の発効の現実の見通しより進んでいるが、こうした状況は普遍的かつ包括的な実験禁止条約とは相容れないために、CTBTの早期発効がとくに緊要であることを再確認する。

12. 非戦略的核兵器のさらなる削減が優先事項と認められるべきであること、また、核兵器国はこれに関する誓約にしたがって行動しなければならないことに合意する。

13. また、非戦略核兵器の削減は透明かつ不可逆的な手法で行なわれるべきであり、非戦略的核兵器の削減と廃棄は包括的な軍備削減交渉の中に含まれるべきであることに合意する。この文脈において、以下を達成するため、緊急の行動が必要である。

(a)一方的イニシアチブによる核軍備削減と軍縮過程の不可欠な一部としての非戦略的核兵器のさらなる削減。

(b)非戦略核兵器による脅威を削減するために、さらなる信頼醸成と透明性を高める措置。

(c)核兵器システムの作戦上の地位のさらなる低減に向けての具体的な合意された措置。

(d)1991年のブッシュ・ゴルバチョフ宣言のような、非戦略核兵器削減に関して存在する非公式の2国間合意の、法的拘束力のある合意への公式化。

14. 核兵器の完全廃棄につながるような過程に5核兵器国すべてを切れ目なく統合してゆくような措置をとることを核兵器国に要求する。

15. 軍縮会議(CD)が遅滞なく核軍縮を取り扱うための特別委員会を設立することに合意する。

16. CDが、核兵器およびその他の核爆発装置用の核分裂性物質の生産を禁止する、差別的でない、多国間の、国際的かつ効果的に検証可能な条約の交渉を、核軍縮と核不拡散という両方の目的を考慮に入れつつ再開するべきことにも合意する。

17. CDが1992年月13日の決定(CD/1255)に含まれている、あらゆる側面における大気圏外での軍拡競争の防止に関する委託任務の検証とその更新作業を完了させ、できる限り早く特別委員会を再度設立するべきことに合意する。

18. NPTの締約国になっておらず、保障措置の下にない核施設を運転している3か国に対して、同条約に非核兵器国として迅速にかつ無条件に条約に加盟すること、そして核不拡散を確証するために、求められる全面的保障措置協定を、国際原子力機関(IAEA)理事会によって1997年5月15日に承認された 「保障措置適用のためのIAEAとの合意に追加されたモデル議定書」(IAEA、INFCIRC/540訂正))にしたがった追加議定書と共に発効させ ること、さらに、核兵器開発や配備を追求するあらゆる政策を明確かつ緊急に撤回すること、および、地域と国際の平和と安全や核軍縮と核兵器の拡散防止のための国際社会の努力を損なうようなあらゆる行動を慎むことを、要求する。

19. 全面的保障措置協定をIAEAとまだ締結していない国に対してはそれを締結し、保障措置協定の追加議定書をモデル議定書に基づいて締結するよう要求する。

20. 関係する地域の国々の間で自由に達成されたとり決めによる、国際的に認知された非核地帯の設立が、世界的、地域的な平和と安全を前進させ、核不拡散 体制を強化し、核軍縮という目標の実現に向けて貢献するという確信を再確認し、中東や南アジアといったまだ非核地帯の存在していないところに非核地帯を設立するための提案を支持する。

21. IAEA、ロシア連邦とアメリカ合衆国の間の3者構想を完成させ、実行すること、そして、他の核兵器国がそこへ参加する可能性について考慮することを要求する。

22. すべての核兵器国が、軍事的目的にはもはや必要とされない核分裂性物質を、実現可能な早期において、IAEAまたは関連する国際的検証の下に置くという制度を作ること、およびそうした物質が永久に軍事プログラムの外に置かれていることを確実にするため、平和的目的のために処分するための制度を作ることを要求する。

23. 核兵器のない世界が、究極的には、普遍的で多国間で交渉された、法的拘束力のある条約や、相互に補強しあう条約体系を含む枠組みによる下支えを必要とすることを確認する。

24. 決議55/33Cの履行に関する事務総長の報告書を承認し、現在ある資源の範囲内で、本決議の履行に関する報告書を作成するように要請する。

25. 第58総会の暫定的議題の中に「核兵器のない世界へ:新しいアジェンダ(議題)の必要性」と題する項目を含め、その会期において本決議の履行について検討することを決定する。

 

(翻訳:特定非営利活動法人ピースデポ)

※印には参照すべき原文の題名等が記載されているが省略した。

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