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第63回国連総会:日本決議
核兵器完全廃棄に向けた新たな決意

A/RES/ 63/73、2008年12月2日採択

共同提案国:オーストラリア、オーストリア、バングラデシュ、ベルギー、カナダ、チリ、チェコ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、フィンランド、ドイツ、イタリア、日本、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、パラグアイ、フィリピン、スイス、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、ウクライナ

追加提案国:アフガニスタン、アルバニア、ベナン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、ブルキナファソ、コスタリカ、キプロス、デンマーク、エリトリア、ガボン、ハイチ、アイスランド、キルギス、マダガスカル、モンテネグロ、ネパール、オランダ、ノルウェー、パラオ、パプアニューギニア、ペルー、サンマリノ、セネガル、セルビア、セーシェル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、タイ、東ティモール、トーゴ、ウガンダ、タンザニア

 

総会は、

核兵器のない平和で安全な世界の実現を目指し、すべての国が核兵器の完全廃棄に向け、さらなる実際的措置および効果的施策をとる必要性を想起し、そしてまたその実現への決意を新たにし、

軍縮の過程における各国の努力の究極の目標は、厳格かつ効果的な国際管理の下に置かれた全面完全軍縮であることに留意し、

2007年12月5日の決議62/37を想起し、

核戦争と核テロリズムを回避するため、あらゆる努力がなされるべきであることを確信し、

核不拡散条約(NPT)が、国際的な核軍縮と不拡散体制の礎として決定的に重要であることを再確認し、日本の広島・長崎の被爆60周年に当たる2005 年のNPT再検討会議における実質的な課題についての合意の欠如、これに加えて世界サミット成果文書の中から核軍縮及び不拡散に関する言及が削除されたことに遺憾の意を表明し、

1995年NPT再検討・延長会議の決定及び決議、ならびに2000年NPT再検討会議最終文書を想起し、

国際の平和と安全の増進と核軍縮の促進とは相互に補強しあっていることを認識し、

核軍縮のさらなる進展は、国際的な核不拡散体制の強化に資するものであり、これはとりわけ国際の平和と安全に不可欠であることを再確認し、

近年のフランスや英国を含め、核兵器国などが提案、実施してきた軍縮にかかる具体的提案及びイニシアティブに留意し、

拡散ネットワークなどによる大量破壊兵器、特に核兵器の拡散のために増大しつつある危機について深く憂慮し、

6か国協議が達成した前進を歓迎するとともに、朝鮮民主主義人民共和国による2006年10月9日の核実験宣言に関する2006年10月14日の安保理決議1718(2006)を履行することの重要性を認識し

1. 全てのNPT締約国が、条約の全条文に基づく義務を遵守することの重要性を再確認する。

2. 2008年の第2回準備委員会において実質的議論がなされたことを歓迎するとともに、効果的な条約再検討プロセスの重要性を強調し、2010年NPT再検 討会議における成果を促進していくために、2009年の第3回準備委員会を建設的に実施するべく協力していくよう全ての締約国に要請する。

3. NPTの普遍性についての重要性を再確認し、また、同条約の未締約国に対し、遅滞無くかつ無条件に同条約に非核兵器国として加入することを要請するととも に、同条約に加入するまでは条約の目標と意図を損なう行動を控え、同条約を支持する実際的な措置をとるよう要請する。

4. 全てのNPT締約国が同条約第6条の下で誓約したあらゆる種類の核兵器の一層の削減など、核軍縮への更なる措置を奨励し、そしてまた、核兵器廃絶に 向けた取り組みの過程において、国際の安定を促進し、全ての国にとって安全保障が損なわれない形で、不可逆性、検証可能性、一層の透明性をもたせることの 重要性を強調する。

5. 透明性のある形で核兵器削減を実施するよう全ての核兵器国に要請し、また、現在の核弾頭数など保有核兵器に関連し核兵器国が近年示している透明性向上について留意しつつ、全ての核兵器国が透明性及び信頼醸成の諸措置に合意することを求める。

6. ロシアや米国などの核兵器国による核兵器削減の進展を歓迎しつつ、ロシアと米国が、更なる核軍縮への一歩となるよう戦略攻撃力削減条約(SORT) を完全に履行し、2009年に失効する戦略兵器削減条約(START)に続く法的拘束力のある取り決めの締結を含め、SORTの規定する幅を超えた核兵器 削減に着手するよう奨励する。

7. 各国が、核兵器関連物質の削減に寄与すべく、国際協調の枠組みの中で引き続き努力するよう奨励する。

8. 核兵器国が、国際の安定と安全を促進する形で、核兵器システムの作戦上の地位を一層低下させることを要求する。

9. 国際の安定を促進し、かつ全ての国にとっての安全保障が損なわれないとの原則に基づく方法で、核兵器使用の危険性を最小化し全面廃棄の過程を促進するために、安全保障政策における核兵器の役割を縮小させる必要性を強調する。

10. CTBTの早期発効のために、同条約の未署名・未批准国に対し早期に署名・批准するよう要請し、同条約が発効するまでの間、核爆発実験の既存のモラトリア ムを維持することの重要性を強調し、CTBTの遵守を保証するために必要となる国際監視システムなど、CTBT検証体制の継続的な整備の重要性を再確認す る。

11. ジュネーブ軍縮会議(CD)に対し、今年度のCDにおける進展を考慮し、実質的な作業を即時かつ全面的に再開するよう要請する。

12. 兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)交渉の即時開始と早期妥結の重要性を強調し、全ての核兵器国及びNPT非締約国に対し、同条約発効までの間、全ての核兵器用核分裂性物質あるいは他の核爆発装置の生産モラトリアムを宣言することを要請する。

13. 全ての国家に対し、核兵器及びその他の大量破壊兵器、並びにその運搬手段の拡散を防止し抑制するための努力を倍化させることを要請する。

14. 国際原子力機関(IAEA)の包括的保障措置協定及び、1997年5月15日にIAEA理事会で承認された、IAEAと各国との間の保障措置適用のための 協定のモデル追加議定書の普遍化、さらに、国連安保理決議1540号(2004年4月28日採択)の完全実施など、不拡散への更なる努力の重要性を強調す る。

15. 全ての国家に対し、第57回国連総会に提出された軍縮・不拡散教育に関する国連事務総長報告書にある勧告を適切に実行に移すための具体的活動に着手すること、またこの目的のために実施されてきた努力に関する情報を自発的に共有することを奨励する。

16. 核不拡散・核軍縮を促進する上で、市民社会が建設的役割を担っていくことを奨励する。

17. 第64回国連総会の暫定的議題に、「核兵器完全廃棄に向けた新たな決意」と題された項目を含めることを決議する。

 

(翻訳:特定非営利活動法人ピースデポ)

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