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2015 年核不拡散条約(NPT)再検討会議第 1 回準備委員会
浜田和幸外務大臣政務官による一般演説

2012 年5月2日

議長、

日本政府を代表して、第 1 回準備委員会の議長職に就かれましたことを、心よりお喜び申し上げます。我々政府代表団は、月曜日に議長のリーダーシップによって円滑に議題が採択されましたことに、感謝を申し上げます。我々代表団は、議長への最大限の支援を行いますことを、ここにお約束いたします。

議長、

国際社会は、毎年のように、核軍縮、不拡散、核エネルギーの平和利用の分野において新しい課題に直面し続けております。これらの課題に照らして、NPT 体制の維持・強化に向けた国際社会の協調的な努力は、その重要性をいっそう増しております。前に向かうためには、2010 年 NPT 再検討会議の成果を基盤としつつ、我々の努力を前進させ続けねばなりません。この新しい再検討サイクルは、NPT 体制の維持・強化のための重要な意義を有しております。このことを念頭に置きますと、すべての加盟国が、この第 1 回準備委員会において、行動計画、それは NPT の 3 本柱のすべてをバランスの取れた形で取り上げているものでありますが、この誠実な履行に向けた協力を行うという政治的誓約を再確認することが肝要です。

議長、

2010 年の行動計画の誠実な履行を促進するために、日本は他の 9 か国とともに軍縮不拡散イニシアティブ(NPDI)を共同で立ち上げました。この点において、日本は、月曜にトルコが発表した NPDI の共同声明に連なっております。NPDI は、「核兵器のない世界」へのさきがけとして、「核リスクがより小さい世界」の実現を目指し、NPT 再検討会議に積極的に貢献する決意であります。この決意は、4 月 26 日にイスタンブールで開催された審議官級会議でも確認されています。この目的のために、NPDI は、この第 1 回準備委員会におきまして、「核兵器の透明性向上を目指す報告様式」「核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)」「追加議定書(AP)」「核軍縮・不拡散教育」というテーマに関する 4 つの共同の作業文書を提出いたしました。

議長、

日本は、原爆の被害を受けた唯一の国として、非核三原則を堅持しております。そして、核軍縮を通じて平和で安全な世界を実現することを目指して、日本は今後も引き続き、国連総会への毎年の核軍縮決議の提出や、包括的核実験禁止条約(CTBT)早期発効の促進など、外交面における努力を惜しまない所存であります。

日本は、核兵器国によるいっそうの核軍縮努力を強く期待し、とりわけ、米ロ間の軍縮の進展に注目しております。この点において、新 START 条約が昨年発効したことを我々は歓迎し、オバマ大統領が 3月 26日にソウルで行った演説を積極的に評価いたします。また、我々は、非戦略核兵器の問題も含め、ロシアと核軍縮に関するさらなる協議を行う用意があるとあらためて発表があったことを歓迎いたします。

我々はまた、現在の核軍縮努力が、核兵器を保有するすべての国を含めた多国間努力へと発展することを強く期待するものです。核軍縮のさらなる進展の基礎として、透明性の問題は肝要であり、その意味で、核兵器国が透明性の向上のためのさらなる措置をとることを望みます。世界唯一の軍縮交渉の多国間フォーラムであるジュネーブ軍縮会議(CD)は停滞を続けており、これを非常に懸念しております。この点に照らして、FMCT 交渉の早期開始に向けてさまざまな選択肢を追求する努力がなされなくてはなりません。また、核軍縮と FMCT における前進は、核兵器数ならびに防護を要する核物質量が減少することを意味するものであり、よって核保安の強化に寄与することを指摘しておきたいと思います。

議長、

NPT の下では、すべての加盟国が核エネルギーの平和利用への権利を有しておりますが、この権利は、不拡散義務を誠実に履行している国家に認められたものです。この点において、核不拡散のもっとも効果的な措置として、IAEA 保障措置の効率性の強化・改善が死活的な意味を持っております。追加議定書によって強化された包括的保障措置が、今日のIAEA 保障措置の基準とならねばなりません。追加議定書の普遍性の促進に向けては、関係各国の求めるところを基盤とし、IAEA との協力のもと、必要とされる法的・技術的・人的基盤の整備のために支援を促す必要があります。さらに、核兵器関連物質や技術の拡散を防ぐために、各国が厳格な輸出管理制度を確立し実行することが重要です。

議長、

NPT 体制の維持・強化を図るには、地域の核問題に対処することが重要です。朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の核問題は、NPT 体制にとっての重大な挑戦です。DPRK は 2005年 9 月の 6 か国協議共同声明における誓約を果たし、関連する国連安保理決議の下での義務を果たし、非核化に向けて具体的行動をとらねばなりません。4 月 13 日の北朝鮮によるミサイル発射は、国連安保理決議に対する重大な違反であり、日本としてはこれを決して容認できません。日本は発射に遺憾の意を表すとともに、北朝鮮の発射を強く批判した国連安保理議長声明を歓迎いたします。日本は、核実験あるいはさらなるミサイル発射も含め、さらなる挑発行為に及ばないよう、北朝鮮に強く求めるものです。
イランの核問題に関しては、日本は、イランに対して、国連安保理の関連決議および IAEA理事会決議の要求に基づく義務を遵守し、また、軍事的側面の可能性に関連したものも含めて、すべての未解決問題を解決するために、IAEA に完全に協力することを求めます。我々は、EU3+3 とイランとの間で協議が再開されたことを歓迎し、この問題が平和的かつ外交的に解決されることを望むものです。

今年後半にフィンランドで行われることが予定されている、中東非大量破壊兵器(WMD)地帯創設についての国際会議に関連して、日本は、この会議を成功に導くべく、ファシリテーターを全力で支援いたします。

議長、

我々は、NPT の普遍性を達成することの重要性を認識し、未だ NPT に加盟していない国に対して、非核保有国として NPT に加盟することを求めます。

議長、

核エネルギーの平和的利用の問題に関しては、保障措置(safeguards)、原子力安全(nuclear safety)、核保安(nuclear security)の「3S」を確実にすることがもっとも重要であり、核エネルギーの平和利用に現在関与している国は、「3S」の実行に重大な責任を有しております。東京電力福島第一原子力発電所の事故からの教訓を踏まえ、日本は、世界各地の原子炉の最高水準の安全性を推進するよう尽力し、グローバルな原子力安全のさらなる強化を図ってまいります。これに関連して、IAEA 原子力安全行動計画の着実な履行がきわめて重要です。加えて、この 12 月、日本は、IAEA の共催を得て、「原子力安全に関する福島閣僚会議」を開催いたします。

日本は、3 月末にソウルで行われた核保安サミットの成功を歓迎し、ソウルサミットで我々が発表したさまざまな措置の着実な履行を通じて、核保安の向上に貢献してゆく所存です。

議長、

核兵器の真の恐怖は、時として遠いものに思われます。これこそがまさに、被爆者、すなわち広島と長崎の原爆投下の生存者たちが、この準備委員会の期間中に会議場内外で開かれるイベントにおいて、核兵器の悲惨な人道的結果について訴えようとしている理由なのです。貴殿が、被爆者の経験に耳を傾ける時間を取ってくださることを希望いたします。
日本は、核兵器の惨禍の実相を将来世代に伝えていく責任があると考え、市民社会はもとより、すべての国家や国際機関と協力して、軍縮・不拡散教育における努力を推進してまいります。このことを念頭に、日本は、国連大学と協力して、8 月 10 日~11 日に「軍縮不拡散教育グローバル・フォーラム」を長崎市で開催いたします。関心のある皆様の参加を歓迎いたします。

最後に、議長、2015 年の NPT 再検討会議に向けたプロセスがこのウィーンで円滑に動き始めるよう強く念願いたします。日本は、この実現に向けて最大限の支援を約束いたします。

議長、感謝申し上げます。

(翻訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))

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