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非同盟28か国による
核兵器の廃棄に向けた行動計画の提案

1996年8月7日、CD/1419

共同提出国:アルジェリア、バングラデシュ、ブラジル、カメルーン、コロンビア、キューバ、朝鮮民主主義人民共和国、エジプト、エチオピア、インド、インドネシア、イラク、イラン、ケニア、メキシコ、モンゴル、モロッコ、ミャンマー、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、セネガル、スリランカ、シリア、ベネズエラ、ベトナム、ザイール、ジンバブエ

 

はじめに

核軍縮のために有効な諸措置を講ずること、および核戦争の脅威を消滅させることに対して、国際社会は最高の優先順位を与えてきた。冷戦後の時代の到来は、国連憲章が掲げる不易(ふえき)の理念に基づく新たな国際的安全保障システムを樹立する上で、またとない機会をもたらしている。核兵器の永続的な保有を合理化する試みはすべて放棄する必要がある。安全保障という角度から見た核兵器の役割が不当とされず、現行の核戦略の教義が廃棄されない限り、核軍備競争再開の脅威と核兵器による脅迫の激化は限りなく続くであろう。

それゆえ、国際関係に見られる現在の好ましい状況が、すべての核兵器を消滅させるという目標を、単なる修辞上の目標から生きた現実に転換するために活用されるよう保証することが、私たちの義務なのである。そしてそのためには、核兵器の完全な消滅をめざす一歩一歩の具体的措置が何であるかを明らかにし、協議を進め、実施を達成する活発で多角的な努力を必要とする。

1996年7月8日付けで発表された核兵器による脅迫またはその使用についての国際司法裁判所の勧告的意見は、核兵器の特有の性格、とくにその破壊能力、すなわち空前の人間的苦痛をもたらす能力と今後数世代にわたって被害をひき起こす能力のために、これらの兵器は潜在的に破局を招きうるものとなっているとの認識を確立した。裁判所の意見によれば、「核兵器の破壊力は、空間的にも時間的にも限定することができない。これらの兵器はすべての文明と、地球上の全生態系を破壊できる潜在的可能性を持っている」のである。

国際司法裁判所は、核兵器による脅迫や核兵器の使用は、一般的には武力紛争に適用できる国際法の諸規定、とくに人道法の原理と規定に背反するであろうと結論した上で、厳格で効果的な国際管理のもとでのあらゆる分野にわたる核軍縮に導くような協議を誠実に行い、完了させる義務が、すべての国に存在する、と述べている。

1996年3月28日に軍縮会議(CD)の全体会議に提出された宣言で述べているように、21カ国グループ(G21)は、国際社会が最高の優先順位を与えている核軍縮についてのCDでの協議を一貫して求め続けてきた。たとえば1996年3月14日には、21カ国グループがCDに対し、会議が核軍縮に関する特別委員会を設置し、国連総会決議50/70Pで要望されているように、「明確な時間的枠組みの中で核兵器を究極的に廃棄するための段階的計画について協議を開始する」決定(CD/1388)を採択するよう提案したことが思い起こされるであろう。

特別委員会で実施されるべきこの計画は、その作業の基礎として次のような諸段階と諸措置を含むのではないかと考えられる。各段階の諸措置のリストは例示的なものであって網羅的なものではなく、挙げられている順序も必ずしも優先順位を反映しているものではない。とはいうものの、核軍縮をめざすどのような計画であろうと、講ずべき諸措置やたどるべき諸段階はすべて互いに密接に結びついていることは理解していなければならない。

行動計画

第1期(1996-2000)

  1. 核の脅威の軽減をめざす諸措置

*下記の条約についての交渉の即時かつ同時進行的開始とその早急の締結

― 核兵器の使用や使用の威嚇に対して非核兵器諸国の安全を保障する、多国間交渉に基づく法的拘束力のある取り決め

― 核兵器の使用や使用の威嚇を禁止する国際条約

― 核兵器を廃絶する条約

― 核兵器用分裂性物質の生産を禁止する条約

*下記の事項についての合意による核兵器の質的改良の停止

― すべての核兵器実験の中止とすべての核兵器実験場の閉鎖

― 核兵器の研究・開発の禁止を含め、現在の核兵器システムの改良をめざしての新技術の使用を防止する措置

*トラテロルコ、ラロトンガ、ベリンダバ、および東南アジア条約の完全な履行と、当該地域の諸国の間で自由な意志により到達した取り決めに基づくさらなる非核兵器地帯の創設

*核兵器および核兵器用物質の保有量の申告

  1. 核軍縮の諸措置

*核兵器システムの作戦即応体制の解除

*ABM (弾道ミサイル迎撃)条約堅持

*大気圏外兵器システムの実験の一時停止と禁止

*START Ⅱ条約の批准と実行

*核兵器保有量のさらなる削減(STARTⅢ)に関する交渉の開始と締結

*核兵器諸国が軍用から平和利用に移行させた核分裂性物質をIAEA(国際原子力機関)の保障措置下に置くこと

*すべての核兵器国による、核弾頭の生産禁止を含む、さらなる核軍縮交渉

*西暦2000年から2010年までの10年を「核軍縮の10年」と宣言するよう国連総会に勧告すること

第2期(2000-2010)

核保有量を削減し、各国相互間の信頼を増進するための諸措置

*核兵器を廃棄する条約の発効と、その順守を確保するための、次のような諸措置を含む単一の整った多国間の包括的検証システムの確立

― 運搬手段からの核弾頭の分離

― 国際管理の下にある安全な貯蔵所での核弾頭の保管とそれらの核弾頭からの特

― 定核物質の除去、および

― 核分裂性物質と運搬手段を含む核兵器材料の平和目的への転用

*国際的協賛の下での、核分裂性物質、核弾頭、および運搬手段を含む各国の核兵器保有目録の作成

*核弾頭の運搬を目的とするミサイルの漸進的で均衡のとれた制限

*西暦2010年から2020年までの10年を「核兵器の全面的廃棄の10年」と宣言するよう国連総会に勧告

第3期(2010-2020)

「核兵器のない世界」の定着

*全地球的な協調的安全保障システムの基本原則と機構の採択

*すべての核兵器を廃棄する条約と、次のような措置を新たに講ずることによるその検証体制の完全な実施

― 核兵器の製造にもっぱら使われてきたすべての施設の平和目的への転換

― 核施設に対する保障措置の普遍的な基準に基づく適用、および

― すべての核兵器の廃棄

 

(翻訳:特定非営利活動法人ピースデポ)

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