Print Friendly and PDF

核兵器及び他の大量破壊兵器の海底における設置の禁止に関する条約

昭和46年2月11日 ワシントン、ロンドン及びモスクワで作成
昭和46年2月9日 署名の閣議決定
昭和46年2月11日 署名
昭和46年5月24日 国会承認
昭和46年6月3日 批准の閣議決定
昭和46年6月21日 批准書の寄託
昭和47年5月18日 効力発生
昭和47年6月2日 公布及び告示(条約第4号)

 

この条約の締約国は、

平和的目的のための海底の探査及び利用の進歩が人類の共同の利益であることを認識し、

海底における核軍備競争の防止が、世界平和の維持に貢献し、国際間の緊張を緩和し、また、諸国間の友好関係を強化することを考慮し、

この条約が海底を軍備競争の圏外におくことへの一歩となることを確信し、

この条約が厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約への一歩となることを確信し、

かつ、この目的のために交渉を継続することを決意し、

この条約が、国際法の諸原則に適合した方法で、かつ、公海の自由を侵害することなく国際連合憲章の目的及び原則を助長するものであることを確信して、

次のとおり協定した。

 

第1条
1.締約国は、核兵器及び他の種類の大量破壊兵器並びにこれらの兵器を貯蔵し、実験し又は使用することを特に目的とした構築物、発射設備その他の施設を次条に定める海底区域の限界の外側の海底に据え付けず又は置かないことを約束する。

2.1の約束は、1の海底区域についても適用する。ただし、1の海底区域内では、当該沿岸国には適用がなく、また、当該沿岸国の領海の海底については適用しない。

3.締約国は、いかなる国に対しても1の設置を援助せず、奨励せず及び勧誘しないこと並びにその他のいかなる態様によってもその設置に参加しないことを約束する。

 

第2条
この条約の適用上、前条の海底区域の限界は、1958年4月29日にジュネーヴで署名された領海及び接続水域に関する条約第2部に定める12海里の幅の水域の限界に合致するものとし、同条約第1第2章の規定及び国際法に従って測定される。

 

第3条
1.各締約国は、この条約の目的を促進し及びこの条約の遵守を確保するため、第1条の海底区域の外側の海底における他の締約国の活動を観察によって検証する権利を有する。ただし、その観察は、当該活動を妨げないで行なうものとする。

2.1の観察の後この条約に基づく義務の履行について妥当な疑惑が残る場合には、疑惑をもつた締約国と疑惑をひき起こした活動について責任を有する締約国とは、疑惑を除くために協議する。疑惑がなお残る場合には、疑惑をもつた締約国は、その旨を他のすべての締約国に通告するものとし、関係締約国は、合意すべきその後の検証手続(第1条に規定する種類のものであると合理的に推定される物体又は構築物、設備その他の施設の適当な査察を含む。)について相互に協力する。1の活動に係る地域内にある沿岸国その他の締約国及び要請するその他の締約国は、それらの協議及び協力に参加することができる。当該検証手続を開始した締約国は、これを完了した後、他の締約国に対して適当な報告書を配布する。

3.妥当な疑惑をひき起こした活動について責任を有する国が物体又は構築物、設備その他の施設の観察によって識別されない場合には、その疑惑をもつた締約国は、当該活動に係る地域内の締約国その他の締約国に対し、その旨を通告し、適当な照会を行なう。その照会により特定の締約国が当該活動について責任を有することが確認された場合には、その特定の締約国は、2の規定に従って他の締約国と協議し又は協力する。その照会を行なつた締約国は、その照会により当該活動について責任を有する国を確認することができない場合には、その後の検証手続(査察を含む。)を行なうことができるものとし、当該活動に係る地域内にある沿岸国その他の締約国及び協力を希望するその他の締約国をその検証手続に参加するよう招請する。

4.2及び3の規定に基づく協議及び協力により当該活動に関する疑惑が除かれておらず、この条約に基づく義務の履行につき重大な疑惑が残る場合には、締約国は、その問題を国際連合憲章に従って安全保障理事会に付託することができるものとし、同理事会は、同憲章に従って行動をとることができる。

5.いずれの締約国も、自国の手段を用いて、他の締約国の全面的若しくは部分的援助を得て、又は国際連合憲章に基づき国際連合のわく内の適当な国際的手続を通じて、この条の規定による検証を行なうことができる。

6.この条約の規定による検証の活動は、他の締約国の活動を妨げることなく、かつ、国際法によって認められた権利(公海の自由並びに沿岸国が大陸棚(だな)の探査及び開発について有する権利を含む。)に適当な考慮を行なう。

 

第4条
この条約のいかなる規定も、現行の国際条約(1958年の領海及び接続水域に関する条約を含む。)に関し、また、地先沖合水域(特に領海及び接続水域をいう。)又は海底(大陸棚(だな)を含む。)に関連する締約国の権利若しくは主張又は他の国の権利若しくは主張の承認若しくは不承認に関し、いかなる締約国の立場をも支持し又は害するものと解してはならない。

 

第5条
締約国は、海底における軍備競争を防止するため、軍備縮小の分野においてさらにとるべき措置に関し、誠実に交渉を継続することを約束する。

 

第6条
いずれの締約国も、この条約の改正を提案することができる。改正は、締約国の過半数がこれを受諾した時に、受諾した各締約国について効力を生じ、その後は、他の締約国につき当該他の締約国による受諾の日に効力を生ずる。

 

第7条
前文の目的の実現及びこの条約の規定の遵守を確保するようにこの条約の運用を検討するため、この条約の効力発生の5年後にスイスのジュネーヴで締約国の会議を開催する。その検討にあたっては、関連するすべての技術の進歩を考慮する。検討のための会議は、出席する締約国の過半数の意見に従い、検討のためさらに会議を開催するかどうか及びその開催の時期について決定する。

 

第8条
各締約国は、この条約の対象である事項に関連する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を有する。当該締約国は、他のすべての締約国及び国際連合安全保障理事会に対し3ヶ月前にその脱退を通知する。その通知には、自国の至高の利益を危うくしていると認める異常な事態についても記載しなければならない。

 

第9条
この条約の規定は、核兵器のない地域を設定する国際文書に基づく締約国の義務にいかなる影響をも及ぼすものではない。

 

第10条
1.この条約は、署名のためすべての国に開放される。この条約が3の規定に従って効力を生ずる前にこの条約に署名しない国は、いつでもこの条約に加入することができる。

2.この条約は、署名国によって批准されなければならない。批准書及び加入書は、この条約により寄託国政府として指定されるアメリカ合衆国、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びソヴィエト社会主義共和国連邦の政府に寄託する。

3.この条約は、寄託国政府として指定される政府を含む22の政府が批准書を寄託した時に効力を生ずる。

4.この条約は、その効力発生の後に批准書又は加入書を寄託する国については、その批准書又は加入書の寄託の日に効力を生ずる。

5.寄託国政府は、すべての署名国政府及び加入国政府に対し、各署名の日、各批准書又は各加入書の寄託の日、この条約の効力発生の日及び他の通知の受領をすみやかに通報する。

6.この条約は、寄託国政府が国際連合憲章第102条の規定に従って登録する。

 

第11条
この条約は、英語、ロシア語、フランス語、スペイン語及び中国語による本文をひとしく正文とし、寄託国政府に寄託される。この条約の認証謄本は、寄託国政府が署名国政府及び加入国政府に送付する。

 

以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。

1971年2月11日にワシントン市、ロンドン市及びモスクワ市で本書3通を作成した。

(出典:外務省条約局、主要条約集(昭和52年版)、1189-1198頁)
RECNA注:一部の表記を漢数字から算用数字に改めた。

このページのトップへ

    • J-PAND
    • RECNA叢書
    • 世界の核弾頭データ
    • 世界の核物質データ
    • 市民データベース
    • ナガサキ・ユース代表団
    • 日韓共同ワークショップ20190522
    • Panel on Peace and Security of Northeast Asia
    • 北東アジア非核兵器地帯への包括的アプローチ
    • Monitor BLOG
    • ニューズレター
    • Dispatches from Nagasaki
    • レクナの目

  • 核兵器廃絶長崎連絡協議会
  • 核兵器廃絶市民講座
  • RECNAアクセス