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3NPTフォローアップ会議におけるP5共同声明

2012年6月29日、ワシントンDC

 

核不拡散条約(NPT)上の5つの核兵器国、すなわち「P5」は、2009年のロンドン、2011年のパリでのP5会議に引き続き、2010年NPT再検討会議における誓約の履行に向けた進捗を確認し、NPTの3本柱、すなわち、核不拡散、核エネルギーの平和利用、核軍縮(信頼醸成、透明性、検証の経験を含む)のすべてに関する問題の協議を継続することを目的として、2012年6月27~29日にワシントンにおいて会議を持った。

P5は、核軍縮という共通の目標に対する誓約を再確認し、2010年NPT再検討会議の行動計画の履行に向けて協力することの重要性を強調した。P5は、NPTの文脈において、2011年のP5パリ会議以降にあった重要な進展について再検討した。とりわけ、P5は、2015年NPT再検討会議に向けた2012年準備委員会の成果を再検討し、関連する活動をどのように報告するかについての討議を継続するとともに、2013 年準備委員会ならびに会議までの期間の目標について、NPTの三本柱にわたって見解を述べ合った。2012年準備委員会の成果の一つは、三本柱すべての問題に包括的に触れたP5声明(NPT/CONF.2015/PC.I/12)であった。

P5は、透明性や相互信頼、検証の問題に関する従前からの討議を継続し、標準的な報告様式に関する諸提案を検討した。P5は、相互信頼とさらなる軍縮努力に向けた堅固な基礎を確立することの重要性を認識する。P5は、2010年再検討会議最終文書の行動5、20、21における誓約にしたがい、2014年準備委員会で報告することを目指し、P5間においてさまざまな方法で議論を継続してゆく所存である。

会議参加者は、ネバダ国家安全保障サイトにおける米国の活動について、米国からのブリーフィングを受けた。これは、透明性に関する追加的アプローチのアイデアの実演として行われたものである。

他の一方的措置としては、米国務省内に位置する米核リスク低減センターのツアーがあった。ここでは、P5の各国代表が、新戦略兵器削減条約(新START)、弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範(HCOC)、欧州安全保障協力機構(OSCE)ウィーン文書などに基づく通告体制を同時並行的に履行する通信センターを米国がいかにして維持しているのかを視察した。

P5は、中国が議長を務めるP5作業グループの作業計画に合意した。この作業グループには、P5の相互理解を高め、核問題でのP5のさらなる議論を促進するべく、核関連の重要用語に関する一連の定義を作成する任務が与えられている。

P5は、イギリスが4月に主催したP5専門家レベル会議の情報など、それぞれが持つ二国間、多国間の検証についての経験に関する情報をあらためて共有した。4月の会議では、英・ノルウェー・イニシャティブの軍縮検証研究プロジェクトの成果や教訓をイギリスが紹介した。P5は、新STARTの履行から得られた教訓に関する報告を聞き、米英検証作業の概要を紹介され、この作業に関するフォローアップとして米国が主催するP5ブリーフィングへの出席を検討することに合意した。

2010年NPT再検討会議へのさらなるフォローアップとして、P5は、NPTの脱退条項(第10条)の濫用をいかにして防ぐか、同条の条項に合致する形で出された通告にいかに対応するかについて、見解を出し合った。この議論の中には、NPT加盟時に保障措置の下で取得したり、派生した機材や物質の処分に関する取り決めによるなど、脱退通告に対してNPT加盟国が集団的および個別的に対応することができるような方式についての議論もあった。P5は、各国は脱退以前に誓約していた条約に対する違反に引き続き国際法上の責任を負うという見解で一致した。

P5は、核拡散を防止し、核エネルギー平和利用の協力を促進する上で、効果的な国際原子力機関(IAEA)の保障措置制度の持つ根本的な重要性を強調した。P5は、追加議定書の普遍的受諾の促進といったIAEA保障措置強化に向けた具体的な提案や、加盟国が行った申告の検証などの効果的な保障措置履行に求められるIAEAのリソースや能力の強化について討議を行った。

P5は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の速やかな発効とその普遍化を促進し確実にする誓約を再確認した。P5は、あらゆる面におけるCTBT検証体制と、発効に向けた努力の進展状況を検討した。現地査察の部分など、検証体制の確立に向けた気運を強める方途が議論された。P5は、核兵器実験爆発あるいは他のいかなる核爆発に関しても各国がモラトリアムを堅持し、CTBT発効までの間、条約の目標と目的を損なうような行為を控えることを、すべての国家に呼びかけた。このモラトリアムは、重要ではあるが、CTBTの下における法的拘束力のある義務に代るものではない。

P5は、核兵器に使用される核分裂性物質の生産に関する、法的拘束力があり、検証可能な国際的禁止を達成するという相互の目標を前進させる方途について討議した。P5は、CD/1864の基礎の上に、ジュネーブ軍縮会議(CD)において、そうした禁止を包含した条約に関する交渉を即時開始することへの支持を繰り返し表明するとともに、他の関連パートナーとともにCD内の交渉を促進する努力を続けてゆくなど、CDにおける現在の行き詰まりを打開する方途について意見交換を行った。

P5は、不拡散体制における重大な試練に懸念を表明し、関連して、NPT準備委員会において5月3日に発表したP5共同声明を想起した。

中東非大量破壊兵器地帯に関する2012年会議の成功を支援する方法についての意見交換も継続された。

P5は、対話と相互信頼のいっそうの促進に向け、核問題に関して適切なあらゆるレベルにおいて引き続き会議を持つことに合意した。P5は、引き続いて協議をフォローし、次のNPT準備委員会の文脈において第4回P5会合を開催する所存である。

 

(翻訳:長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA))

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